新婚シリーズ 「翔太の願い」

今月号別マの爽子入浴シーンからあふれ出た話。触れたい風早をウブで書こうかと思
っていたらこんなになっちゃったので恒例のこのシリーズにしました。だけどウブコ
ントにならなかったのでただの新婚シリーズです。風早目線で、悶々とする風早をお
楽しみください。短編です♪ ちなみに本誌ネタバレはありません。
以下からどうぞ↓
























結婚していろいろな爽子を知る。それが嬉しくてドキドキして、こんなに幸せでいい
のかなぁ・・と思う。正直、結婚前までお義父さんガードが強くて一緒にお泊りなん
てもっての他だったのでこんな爽子を見れるのは結婚してからで・・・


「翔太くん・・お先でしたっ!」


湯上りの爽子。白い首筋に後れ毛がちらっと出ていて、ピンクに火照った顔を見るだ
けで俺の心臓はものすごい心拍数を記録する。そんな自分を悟られないように適当な
会話をするけど、視線はきっとあやしい。だって見たくて仕方ない。


「いっぱい温まった?寒いからね」

「うんっ・・・お先に入らせてもらってありがとう」

「そんなのどっちが先でも一緒だよ」


と言いながら本当は一緒に入りたいなんて思ってる。この壁はなかなか乗り越えられ
ない。さすがに新婚3ヶ月では言えない。いや、逆に今だから言えるのかな?でもこ
んな俺にはさすがに爽子は引くだろう。長い付き合いなのだからいろいろさらけ出し
てはきたけど、さすがにこれは・・・。


「翔太くん?」


爽子を凝視していた俺はハッとする。やばい・・・狼になりかけた。


「あ、とりあえず入ってくんね」

「うん。ごゆっくり」


(ゆっくり入る気にもならないけど・・・)


爽子と一緒ならずっと入っていたいけど。
翔太はそんなことを思いながらガシガシと頭を掻いて風呂場に向かった。


* *


翔太がそんなことを言えずにいたある日のこと・・・・


会社関係の飲み会は必ずと言っていいほど自分をコントロールしているが、久々の
高校時代の友人との飲み会はさすがに弾ける。この日はいつもより地に足がついて
いない状態での帰宅となった。


「翔太くん!?」

「さ〜〜〜わこっ!ただいまぁ〜〜へへっ♪」


玄関で倒れ込むように帰ってきた翔太を爽子は戸惑いながら迎えた。とりあえず肩を
貸し、リビングまで連れて行くとお水を急いで用意した。


「だ、大丈夫?翔太くん?」

「だいじょうぶだよ〜〜。龍達元気だったよ」

「今日は、師匠と3人だったの?」

「うん。たまにはい〜かなって」


翔太はごくごくっと喉を鳴らして、爽子が持ってきた水を飲み干した。本当は酔い潰
れるほど飲むつもりはなかった。だが話が進んでいくうちに気付いたらピッチが速く
なっていた。それもそのはずそれぞれの奥さんをお互い知っているのだから、自然に
夫婦生活の話になってしまう。それにぐいぐい食い込むケントがいたのだ。


『俺なんか毎日一緒に風呂だけどなぁ。風早一緒に入りたくないのぉ?』

『・・・・・』


絶句。一番痛いところを突いてくれる。適当に笑って誤魔化していると、重くなく、
上手い会話運びのケントは龍にもその話題を投げかける。さすがに龍は入ってないだ
ろうと思っていた。ところが・・・!!


『あぁ、時々入る』


(えぇぇ〜〜っ!?)


俺は撃沈した。人がどうこうというのは俺にはない。でも自分がしたいことを他の奴
が難なくしていることに正直落ち込んだ。そしてそれを”当たり前のことだろ〜〜”と
いう三浦を羨ましいと思ってしまった。


* *


「爽子、まだ風呂入ってないの?」

「うん、沸かしてあるから翔太くん先にどうぞ。それとも寝た方がいいのかな?」

「・・・・」


酔った勢いとはこのこと、三浦のコトバが頭の中をぐるぐると駆け巡る。


”『入りたくないの?』”


「ーまってる」

「え?」


きょとんとしている爽子をぎゅっと抱きしめると思いのまま唇を重ねた。ゆっくりと
唇を離すと、爽子はいきなりの俺の行動に戸惑ってるようで大きな目をくりっとさせ
ている。何回見てもこの顔がたまらないほどかわいい。


「しょ・・ったくん??///」

「決まってる。入りたいに決まってるよ」

「え?え??」


戸惑い気味に爽子をひょいとお姫様抱っこすると俺は風呂場に向かった。


「しょ、翔太くん??ど、どうしたの?どこ行くの?」

「おふろ」

「え?」


そしてゆっくりと爽子を脱衣場に降ろすと、翔太はにっこりと笑って言った。


「爽子と一緒に入りたい」


絶句した爽子は言葉も出せないらしい。一緒に入りたいし、入浴中の蒸気に当てられ
た爽子が見たい。


「翔太くんっ・・・酔ってるから///」

「うん。酔ってるよ。でも知ってた?酔った時って本音出るんだよ〜〜〜」

「/////は、恥ずかしいのでっ!」

「じゃ、目瞑ってるから」←完全ウソ

「えぇぇ〜〜〜っ!!」


その時はいつもみたいに爽子に引かれる恐怖感や不安感などはなく、欲望のまま突っ
きっていた。そうか、我慢できなくなったら酒にまかせるしかない。こんな俺は弱い
って言われそうだけど、爽子の前ではいつも弱いんだ。嫌われるかもしれない、呆れ
られるかもしれない・・・そんな不安でいっぱいの俺なんだ。
だって、爽子なしでは生きていけない。


その時見た、爽子の白いうなじや後れ毛に俺は異様に発情したのを覚えてる。願望が
強すぎて制御できなかった。酔った俺はかなり強引だったのみたいで次の日、視線を
合わせてくれない爽子がいた・・・。でも記憶に残る爽子は湯けむりの中、ほんのり
ピンクのほっぺで恥ずかしそうに「えっちっ・・・」なんて言うからさらに興奮した。
”また一緒に入ろうね♪”と言うと返事はなかったけど、普段聞けない爽子のかわいい
”えっち”発言も聞けたし、もう、幸せで溶けてしまいそうだった。
結局、どんな俺でも爽子は受け止めてくれるんだ・・・。 とても温かい大きな人。


願いがまたひとつ叶った。
一緒に居られるだけで幸せなのに、神様、欲深い俺をお許しください。


* *


「あぁ・・やっばいぐらい色っぽかったなぁ・・・」

「何が?」


気付いたら同僚が俺の顔面を塞いでいた。昼休み、俺はトリップしていたらしい。


「何か、今日の風早さん顔、ゆるいっすよ。何かあったんですかぁ?」

「な、何もないし」


同僚はニヤニヤと笑いながら詰め寄ってくるので、俺は”さ、仕事仕事〜〜〜”とデス
クに戻った。

その後、俺は当分爽子の入浴姿がちらついて情けないほど物事に集中できなかった。
どうしてこんなに欲してしまうのだろうと思う。触れたくて仕方がない。好きとい
う想いがどんどん膨らむ。ある程度制御しないと爽子に嫌われると分かってるけど、
欲望は止まらない。


(あぁ・・・今日も飲もうかな!)


そんなことを考えてしまう翔太の今日この頃。そして翔太の欲望は留まることなく
上昇していくのでした。




<おわり>

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あとがき↓

爽子入浴シーンに萌えた。なんてかわいいの♪これでもっと大人になって翔太が見た
ら鼻血ぶーですよね。そんな妄想しました。あの姿見たいだろうなぁ、見せてあげた
いなぁ〜と親心!? 翔太の欲望編も書けそう(笑)しかし、爽子の方が意外と男ら
しいと思う今日この頃。Cさんの言う通り、肉食かもっ!そんな爽子を発見できてま
すます面白いですねぇ〜もっと知りたい新たな爽子!!
読んでもらってありがとうございました!