「    」(5) 2周年記念企画リレー小説

サイト2周年企画 リレー小説 

こちらはサイト2周年記念として沢山の方に参加頂き、爽風の二次小説をつなげよう!
企画です。どんな話になっていくのか今から楽しみです。 

題名は最後に決めましょう!


<今まで決まっている設定>

* 風早大学生 彼女なし
* 爽子ウェートレス

読み手の皆様にはあえて今の段階で決まっている設定だけ記述しておきますね。その
方が面白いと思って( ̄ー ̄)ニヤリ 段々と明らかになっていきます。


今までのお話:先日、カフェの近くで爽子に会った風早。でも爽子と一緒に居た
”光貫”と呼ばれた男の存在風早を悩ます。さてさて、それぞれのその後は・・・??


この話は2周年記念企画リレー小説 (1) (2) (3) (4) の続きです。




第五回 書き手 COCOTANさま






























♪♪♪爽子視点♪♪♪


カフェから光貴に家まで送ってもらっている途中、
風早と出会ったその日の夜 お布団の中で...


何故こんなに名前も知らないあの人のことが気になるんだろう。
数日前、初めてお店に来られた時から何故か気になっていた。


そして先日


「元気だして。君はウェイトレスに向いてないことなんかないよ」
「だって、俺、ずっと見てたんだ。仕事をする君は、すごく楽しそうに見えたから」


すごく嬉しかった。
ずっと見ててくれたんだな〜。 本当にいい人♪


それに笑った時のあの笑顔と白い歯が素敵だった。
私も人前であんな素敵な笑顔でいられたらと思うと憧れてしまう。
緊張すると顔が引き攣り怖い顔になる癖、直したいけど直せない。
今までの私の人生、他の人から怖がられてばかりだった。
だけど家族や親戚の人以外からあんなことを言われたのは初めて。
今日お店のお手伝いが早く終わって光貴さんにお家まで送ってもらって歩いていた時、
まさかあの人にあんなところで偶然出会うなんて思ってもみなかった。
あの人の姿を見た時、何故か嬉しくて心臓がドキドキした。
光貴さんが隣にいることも忘れてしまってつい引き返してしまった。


どうしてあんな行動をとったんだろうか?
あの人の名前は何て言うんだろう?


昔どこかで会ったような気が。 気のせいなのか? 思い出せない。
あの人と出会ってからというか今日は自分でもわからないことだらけ。
爽子は頭の中でいろいろ考えているうちにいつの間にか眠ってしまっていた。


夢の中で...


「誰か助けて!」


足を滑らせて川にはまり溺れている自分。


「大丈夫か!」


中学生だろうか少し年上の男の子が川に飛び込んできて私を助けてくれた。
私を抱きかかえ川岸に上がり、そっと草の多そうなところに寝かせてくれる。
仰向けになった状態でその人の顔を見ようとしたけど、ちょうどお日様が逆光で
見えなかった。見えたのは「無事でよかった」と安心したその笑顔からみえた
素敵できれいな白い歯。
それと一番印象に残っているのはその人の右腕にある四葉の形をしたほくろ。
朝が来て爽子は目を覚ます...
小学校6年の時、一人川で遊んでいて足を滑らせて川に落ちて溺れたことがあった。


何故今頃になってあの時の夢をみるんだろう。


昨日のあの人と何か関係があるのだろうか?


でもいつかあの時の人に出会って もう一度ちゃんとあの時のお礼が言いたい!
というかもう一度会いたい。 

私の中の王子様♪♪


気持ちいい朝の光がカーテンの隙間からやさしくふりそそぐ。


「今日もいい天気、また昨日のあの人に会えるかな。」


爽子はそうつぶやくと自室の窓を開けて遠くのほうを眺めた。


* * *

♪♪♪光貴視点♪♪♪


カフェから爽子を家まで送る途中、風早と出会ったその日の夜...


細川光貴
俺の父親と母親は夫婦でカフェを経営している。
結構このお店の珈琲はおいしいと評判で 客も多い。
爽子はうちの親戚の娘さんで、昔からよくお店に遊びに来ていた。
俺は彼女が小さい時からずーっと彼女を見守ってきた。
爽子が幼い頃はおかっぱ頭でまるで座敷童子みたいだった。
よくからかって怒らせたり泣かせたものだ。
だがいつしか爽子は学校ではあのホラー映画リングに出てくる
幽霊の名前”貞子”と呼ばれ、だれも爽子に近づかなくなった。
おそらく緊張したら眉間に力が入り、見た目が怖い表情になる癖が
原因なんだろう。 だが俺にとってそれは都合が良かった。
誰も爽子に近づかないということが。特に男子が!!
爽子が小さい時から見てきているから俺は知っている。
彼女がどれだけ素直で純粋かを。
何をするにも一生懸命で誰に対しても暖かくて優しい。
そして何よりリラックス状態の時の彼女がどれだけ綺麗か。
高校生になった彼女を見て改めてそう思う。
特に自然に笑った時の彼女の表情はいつも俺の心臓をぶち抜く。
あんな可愛い爽子を知っているのは 爽子の両親以外、俺だけでいい。
誰にも知られたくない。 いや渡したくない!
幸い彼女のあの笑顔に気付いているやつはまだいないようだった。
昨日までは!


爽子を家まで送るため、カフェからしばらく歩いた時、隣にいた彼女がいきなり
カフェの方へ引き返して行った。
その延長線上を見ると、イケメンの男が立っている。
一瞬焦った。一体何が起こったのか?
その男が爽子に何か言おうとしていたが、思わず俺も引き返し
「爽子」と叫んでしまった。
爽子の話ではよく店に来る客で、彼女が落ち込んでいた時に励まされたとか。
その男のことを話す彼女の嬉しそうな表情、初めて見る顔だった。
もしかしてこの男は俺しか知らない爽子に気付いたんじゃないだろうか。
俺の中の男の本能が ”その男は危険だ!!” と警告する。
早くこの場から離れなければ! と思った。
彼女の肩に腕を回して「じゃ行こう爽子」とわざとらしくその場から去った。
俺はその男に俺が彼女にとってどんな存在かを知らしめる必要があったから。
もう二度と店には来ないだろう。 いや来てほしくはない。
俺にはもう一つ懸念がある。


爽子が小学生の頃、川に溺れかけたことがある。
その時彼女を助けたのは俺ではなく、全く知らない男子中学生だったという。
彼女の話では、顔が見えなかったことと、名前も聞けなかったということ。
だが他に何か隠しているような気がする。
俺は後悔している。何故あの時彼女の傍にいなかったのか。
あの時以来、彼女の心にずっと住みついている”爽子の中の王子様”とかいうやつ。
そいつが爽子の前に現れることを俺は恐れている。
いつかそいつが爽子を連れ去っていくんじゃないかと。
爽子が高校生になって間もない頃、焦っていた俺は彼女に告白した。


「爽子! 俺と付き合ってくれないか?」
「えっ!どこまで付き合うの?」


俺としたことが忘れていた。彼女は恋愛に関して恐ろしく鈍かったことを。
その後も何度か告白したが、俺が恋愛感情で好きだということを未だに
気付いていない。 ここまで鈍いやつだとは思わなかった。
だけどいつか必ず俺の思いを彼女に届かせて見せる。 必ず!


* * *

♪♪♪風早視点♪♪♪


光貴という男の存在を知ったその日の夜...


今日の夕食 何を食べたのか全く覚えていない。もう早く寝よう。
そう思い、電灯を消し、ベッドの布団に潜り込み目を瞑った。
しかし目を瞑ってもあの光景が思い出される。
彼女と光貴という男とが睦まじそうに去っていく光景が目に焼きついて離れない。
だけど何故だろう。あのカフェに初めて行って初めて彼女と会ったはずなのに。
初めて会った気がしない。以前どこかで彼女と会ったことがあるのだろうか?
どうしても思い出せない。 多分気のせいだろうけど。
風早は布団を蹴り飛ばし起き上がり、枕元のスタンドライトを点灯した。
彼女にもう一度会いたい。 会ってせめて俺の名前だけでも伝えたい。
明日、あのカフェに行けばまた会えるかな? 


「それにしてもこのスタンド けっこう眩しいな。」


といいながら、スタンドライトからの光を右腕で遮り、目を大きく開くと、
風早がもついくつかのコンプレックスのうちの一つが目に入った。
それにしてもこの右腕の四葉の形をしたほくろ、本当にダサイというか目立つよな。
どうも人前にこれを出すのは恥ずかしい。
人から聞いたことだけど、ほくろは病院のレーザー光線などで消せるとか。
社会人になってお金がたまったら消そうかな。
明日 あのカフェに行く決心をした風早はスタンドライトを消し、
再び布団の中に潜った。



<つづく>
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(6)




















あとがき↓

ちょっと・・・どうです??複雑になってきましたね〜〜っ!!面白いっ!光貴の
怖すぎる愛がミステリーっぽくなってきた。いやぁリレー小説って面白いっっ!
わくわく読んだsawaloveでした。次って私??COCOTANさんは次の私を労わって
下さりちょっと暴走しなかったそうですよ。いいのに暴走しても(笑)めちゃくちゃ
な発想もアリだと思うんですよね。でも次は私でなくていいんですっ!この話の続き
を書きたくなった方、待ってます。もし、小説を書くのが苦手とおっしゃるなら
こんな展開で!という内容を送ってもらったら私が代筆します。(私の文章でよけ
ればですが・・・)それに当分書けそうもないので(;ω;)思いついた方、私に
直メ下さいませ。しかし・・・今月の別マは面白かったですね。余韻が・・・・。
そして今後の更新ですが、「彼女の王子様」は終らせたいけど、その後の更新がか
なり不定期になりそうな予感・・・。どうぞ見捨てずよろしくお願いします。