「    」(3) 2周年記念企画リレー小説

サイト2周年企画 リレー小説 

こちらはサイト2周年記念として沢山の方に参加頂き、爽風の二次小説をつなげよう!
企画です。どんな話になっていくのか今から楽しみです。 

題名は最後に決めましょう!


<今まで決まっている設定>

* 風早大学生 彼女なし
* 爽子ウェートレス

読み手の皆様にはあえて今の段階で決まっている設定だけ記述しておきますね。その
方が面白いと思って( ̄ー ̄)ニヤリ 段々と明らかになっていきます。


今までのお話:ジョーに連れられて行ったカフェで見つけた女の子。一生懸命、楽し
そうに働く姿に目が離せなくなった風早だが、その想いが恋だと気づいて・・・?


この話は2周年記念企画リレー小説 (1) (2) の続きです。




第三回 書き手  翠さま






















行こうかな……


大学も友人からの誘いもない日曜日


ベッドに横たわりながら思い浮べるのは彼女の姿だった
あの、彼女が働くカフェへ行こうかな、と想いを馳せた


でも、どこか気が乗らない



会いたくないのか?と聞かれたら………会いたい

彼女に会いたい


だったら会いに行けば良いじゃんって思うのに……
長年感じ続けていた恋に対する壁はなかなか乗り越えれないのか?



恋……だと思う
いや、恋だ!
カフェで見た彼女の笑顔に確信してる


ハタチ前で漸くやってきた遅い初恋




はぁ……


何度目かの溜め息を吐いた



こんなにも自分は臆病者だったのだろうか?
こんなにも行動力が無かっただろうか?


他の事ならばきっと思い立った時に行動しているはずだ


だけど………



「よ、よしっ!」



誰に聞かせるわけでもなく気合いを入れた


そうだ、こんな所で何時までも考えていても仕方ない


つい先日ストーカー擬いの言葉まで吐いてるんだ



俺は着替えて外へと飛び出した




カフェのある駅に着いただけで気持ちが逸る
さっきまであんなに悩んでたのが嘘のように早く彼女の姿がみたい


初めてジョーと来たときに感じた胸の高鳴りとは明らかに違うものだ



カフェの前までやってきて本日何度目かの躊躇
ここまで来て入るのを躊躇してしまって、
やっぱり情けない、とため息が漏れる



ガラス張りのカフェで店内が少し見えたので中を確認すると



彼女の姿が、ない?



今日は休みなのだろうか?
一気に気落ちした自分に今度は笑えてくる



もしかしたら時間が早いのか?
まだお昼にも早いし………


滅多に来ない町だし少しぶらぶらするか


彼女が居なければ意味がない




「あ、れ?」



ふと、道路を挟んだ向こう側に見付けた姿



―――彼女だ



人混みに紛れているけど間違いない!
一瞬見えた白い肌
ヒラリと靡いた漆黒の髪



俺の足は自然に彼女を追いかけていた


今日は休日で人も多い
もう紛れてしまったのだろうか?
彼女が進んでいた方向へ進むも彼女の姿はない



キョロキョロと辺りを見渡して



―――――いた
彼女だ!
やっぱり間違いなかった



近くで見た彼女は間違いなくカフェの彼女だった


カフェでの緊張した笑顔とは違うあの時俺に見せてくれた笑顔がそこにはあった



声を掛けようと思って止まった
なんて声をかける?
名前も知らない彼女に


もしかしたら、いや、もしかしなくても俺の事なんてわからないんじゃ


あ、ある意味ストーカー擬いの発言した男で覚えてるか?




あ、あれ?



ふと彼女を見ながら思った


一人じゃない?


俺はどれだけ彼女しか見てないんだよ!
人混みの間から見える彼女はしきりに隣へと視線を向けている


誰かと一緒なんだ



友達?
それとも―――



考えたくない単語が思い浮かんだ



俺、今まで一人でごちゃごちゃ考えてたけど、
彼女には――――




「あ、あの〜」

「え?」



いつ間にか足が止まって俯いていた
声が掛かってやっと顔を上げれば……



「わっ!」



目の前にずっと会いたかった人



「わゎ、ごめんなさい!驚かせてしまって!や、やっぱりお客様ですよね?」

「え?」

「カフェに来て下さってましたよね?」

「あ、うん」

「よかった〜一瞬姿が見えたので引き返してしまいました!」



俺の事、覚えててくれたんだ


それだけの事で胸が温かくなる



「あ、おれ……「爽子?」」



俺の言葉を遮る声にハッとする


そうだ、彼女は一人じゃなかったんだ



俺はその時、彼女の名が“さわこ”だと知った




<つづく>



リレー小説 (4)

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あとがき↓

うわぁぁぁ〜〜〜続き気になる!!眠れない(笑)風早氏悶々です。きっとこの後
風早も眠れない。っていうことで、翠さま、素敵なお話をありがとうございました。
この後の展開に参加したいっ!!と思われた方はいつでもご参加お待ちしています。
次は苺さま!もう・・・たまらん文章力できっと萌えパワー全開になること間違い
なしです。どうぞお楽しみに♪