「    」(1) 2周年記念企画リレー小説

サイト2周年企画 リレー小説 

こちらはサイト2周年記念として沢山の方に参加頂き、爽風の二次小説をつなげよう!
企画です。どんな話になっていくのか今から楽しみです。 


題名は最後に決めましょう!


<設定> 

パラレル、風早大学生、爽子の年齢層は他の方が決めて下さい。物語の始まりで二人
はまだ出会っていません。設定はそれだけです。(・・・が一話目でだいたい設定が
決まっちゃってますね(汗))目線は書き手の方の好き好きでどうぞ!オリキャラ
かも何でもOKで〜す。


第一回目 書き手  sawalove

以下からどうぞ↓





















高校の制服を脱ぐと、いきなり色めきだつ男女。彼氏・彼女がいないと世間から置いて

行かれる感覚に陥るらしい。大学に入ってから初めて行った合コン。高校までは普通に

出会って友達になるのが自然だった。だから、”出会い”が作られる合コンが俺には理解

できなかった。そんな俺は世間の波に乗れていないのだろう。

そして俺と正反対に最も世間の波に乗ろうと必死な男・・・。


「かっぜはや〜〜〜〜!」

「ジョーおはよっ」


向こうからテンション高く手を振っているのは高校からの友人、城ノ内ことジョー

だ。ジョーは風早を見るとにんまり微笑んだ。その微笑みに風早は悪寒が走る。


「もしかしてまた?」

「お願いだからさっ!〜〜〜風早が来ると女の子のレベル上がんだよぉ〜」


ジョーは懇願するように顔の前で手を合わせた。合コンに風早を巻き込む主犯者だ。

これが毎朝の光景。


「だからさ・・・もう行かないって」

「最近付き合い悪いよなぁ。風早も彼女いないじゃんっ!!」

「風早とお前を一緒にすんなよ」

「あっアンディ!おっはよ」


そこにもう一人の高校からの友人、安藤ことアンディが加わる。他にも大学で新しい

仲間も出来、風早は順調な大学生活を送っていた。しかし、恋愛に関しては風早のこ

とをよく知らずに風貌だけで近づいてくる女の子たちに辟易して、段々女の子に対し

て壁を作ってしまっている自分がいた。そしてその壁はどんどん厚くなっているよう

な気がしている。


「風早は作ろうと思ったらいくらでも作れんの。あえて作ってないだけ」

「なんだよぅ〜〜アンディ。アンディもいないじゃんっ」

「俺は別れたばっかなのっ!!ちゃんと彼女いたもんな〜ジョーと一緒にすんな」

「くっそ〜〜〜!俺だって前の合コンでいいとこまでいったんだからなっ」


ぷぅぅ〜っと頬を膨らませて”彼女ほし〜〜〜っ”と叫んでいる。相変わらずのジョー

に二人はぷっと吹き出した。ぞろぞろと話しながら3人は一講時目の教室に向かう。

風早は歩きながらふと青い空を見上げた。


”この先、恋をすることはあるのだろうか・・・”と。


彼女は作るものなのだろうか?恋をしたくないなんて思っていない。だけど恋をしよ

うとも思っていない。それよりやりたいことは沢山ある。優先順位をつけるとしたら

今、恋愛は低いところにある。でも・・・本当は違う。心のどこかで信じてる。


本気の恋にいつか出会えると・・・。



「風早〜〜遅刻すんぞ〜〜っ!」

「あっ・・うん。今行く!」


風早は上に向けていた視線を戻すと、元気よく仲間達の元へ走って行った。


そんな風早に”本気の恋”はすぐ近くまでやってきていたのである。



* * *



「かっぜはや〜〜〜こっち!」

「あぁ・・・」


ある天気の良い日曜日、風早は町でジョーと待ち合わせをしていた。平日と変わらな

い光景に思わず顔を歪ませる。どうもジョーはこの間の合コンで出会った女の子とい

い感じらしく最近さらにテンションが高い。そして彼女をデートを誘う前にシミレー

ションをしたいと風早を呼び出したのだ。うっきうきのジョーを横目に風早は思った。


(週末に男二人で出掛けるとさすがに彼女欲しくなるわ・・・)


「なんかさぁ〜〜その子が○○町のこの店とこのカフェがお気に入りなんだって」


そこは電車で2駅先の隣町であまり行かない場所だった。最初はいきなりの呼び出し

に乗り気じゃなかった風早だが、歩いていると町がまるで別世界のように新鮮に感じ、

ワクワクしていた。


「不思議だな・・・なんか旅行している気分になる」

「何それ?あっ!!あそこっあそこ。彼女が言ってたカフェ」

「え?」


テンションを上げて騒ぎ立てるジョーの指差す方向を見ると、沢山の店に並列して、

一軒のカフェがあった。特別オシャレでもない小さなカフェがなぜだか一際光って見

えた。その時不思議に思った輝きは本物だったらしく、このあたりでは雰囲気が良い

と老若男女問わず人気店だったことが後で分かった。


からんっ


「いらっしゃいませ〜」


(・・・なるほど)


店の中はこじんまりとしていて意外と狭いが、落ち着いたインテリアで女の子同士は

もちろん、男一人や高齢の客もいて、幅広い年齢層が思い思いに休日を楽しんでいた。


「その合コンで会った彼女は趣味がいいんだな」

「趣味?そうなのかな〜〜っあ、風早、あの子かわいくね?」

「・・・ジョー」


店の中をきょろきょろ見渡し、客や従業員の女の子に目移りしているジョーを風早は

呆れ気味に見つめた。


「いらっしゃいませ」

「え〜〜と、俺カフェオレ。君かわいいね!」


近くの席に案内されて座った後、ジョーはやってきた従業員にデレデレとなっている。

風早はここまで恋愛にはまれるジョーを少々羨ましいと思いながら、頬杖を突きながら

店の中をぼーっと眺めていた。風早が何気なく見ていた視線の先に長い黒髪を一つに束

ねた従業員の女性がいた。黒いワンピースに白いエプロンが、この店にしっくりくる。

彼女はカウンターの中でコーヒーを入れているらしい。


(・・・よく働くなぁ)


右に行ったり左に行ったり、他の従業員よりよく働いているのが分かる。俺は心地良

いBGMを聞きながら何気なく目の前の光景を見ていた。


そう、何気なく見ていたんだ。


その時、今まで俯いていたその女性が顔を上げた。長い髪がさらっと揺れ、真正面に

彼女の顔を捉える。


(あっ・・・)



ジリ・・・ッ


その瞬間、俺の中の時間が止まった。

生まれて初めて自分の耳が赤くなっていく音を聞いた。



俺は知ることになる。恋をするつもりなんかこれぽっちもない時に限って恋はやって

くるものだと・・・。



でも、これが恋の始まりなんて・・・この時はまだ思ってもみなかったんだ。



 < へつづく >



















あとがき↓

さぁ、リレー小説一発目。勝手に構想を決めてしまいましたが、この後どういう展開
になっていくのか楽しみでなりませんが・・・この風早は爽やかじゃない( ̄○ ̄;)
この話は大分昔のマッキーの”モンタージュ”という歌から取りました。次に書きにく
かったらすみませんっ!!でももう書いちゃった〜〜〜!
2話目は何と ”風待ちジェット”の梶浦ぴろさまです〜!!以前から大好きで勝手に
コメントしておりました。今回名乗り出て頂いてめちゃくちゃ嬉しかったです。本当
にありがとうございます。この後の方も続々すごい方々が・・・!!昨日書き忘れた
のですが、2周年記念にお話を頂いた翠さまも参加してくださいます♪お楽しみに。
それではバトンを渡しますね〜〜〜!よろしくお願いします。明日は別マ感想書けた
ら書きます・・・。