「はつこい」16

※ パラレル、オールメンバーは同じ。もちろんオリキャラ沢山出ます( ̄ー ̄)ニヤリ
※ 爽子と千鶴、あやねは同じクラス。風早は別クラスで交流がなかったという設定。
※ 爽子は高2の時に東京に転校してしまう。


永遠と食事に行くことになった爽子。バイクで出かける二人を見て複雑な風早だが・・・?


こちらは 「はつこい」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 の続きです。


興味のある方は以下からどうぞ↓  





























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「お・・おいしいっ」

「そう?良かった!」


永遠は爽子をお気に入りのハンバーグの店に誘った。爽子は一口食べると目を輝かせた。


「やっと笑顔見れた」

「あ・・・」


永遠にそう言われて爽子は顔を赤らめた。そして俯いて口を一文字にすると、勢いよく

頭を下げた。


「今日は本当にすみませんでしたっ!ちゃんと対応できなくて・・・・助けてもらって

 ありがとうございました」

「え・・・?」


爽子の行動に永遠はぽかん・・・となった。そして”あ〜あのこと?”と思い出すように

言った。


「私・・・本当にこの仕事失格で・・・っ」


俯いたまま身体を震わせる爽子を見て永遠はふっと笑った。


「そんなのいいんだよ。逆に上手く対応できる女の子の方が好みじゃないし」

「え・・・?」

「もしかしてあんなDVD見たの初めて?」

「あ・・・前に一回」

「アキさんの時?」

「ご・・・・ご存じで。お恥ずかしい・・・・っ」


真っ赤になって手で顔を覆っている爽子を見て、永遠はポンポンッと爽子の頭を撫でた。


「たっまんないなぁ〜〜〜。会って間もないのにやばいな。俺」

「え・・・・?」


爽子はそろ〜〜っと手の隙間から顔を覗かせる。


「黒沼さん・・・・あ、爽子ちゃんって呼んでいい?」

「え・・・は、はい」


(わわっ・・・////)


爽子はどきんっとする。大学生になってから名前で呼ばれることが多くなった。その

度になかなか慣れずに焦ってしまう。

永遠は頬杖をついて爽子を嬉しそうに見ていた。


「かっわいいよなぁ・・・・」

「え??あのっ・・・?」

「俺、ずっと爽子ちゃんみたいな子を探してた気がする」

「??あ・・あの?怒ってないんですか?」


爽子は永遠の態度がよく分からず恐る恐る聞いた。


「なんで怒んの?男だったら逆に守ってやりたくなるけど?」

「・・・・・?」


恋愛経験のない爽子にはよく分からなかった。転校した高校でも友達はできた。しかし

男子でこのように親しく関わってくれる友人はいなかった。女同士は”友情”だけだが

男女間では”友情”以外に”恋愛感情”が入ることは知識ではもちろん知っているが、

その分野に異様に疎い爽子は相手の恋愛感情に気づけない。そして自分の無意識

の行動が、男の保護欲や征服欲をかきたてることに全く以て気付いていなかった。


「あの店長うるさいしなぁ〜〜。でも、俺多分肉食だからさ、思いのまま行動するタイプ」

「は・・・はぁ?」


永遠はにっこり笑って爽子を見つめた。


「あ・・・あの?」


永遠の目が真剣で爽子は目が離せなかった。誤魔化すことや空気を変えることも爽子

にはできない。しばらくして、永遠ははっきりとした口調で言った。


「会う前から爽子ちゃんのこと気になっていた。会ったらもっと気になった。俺・・・君を

 堂々と守れる存在になりたいんだけど」

「・・・・??」

「もしかして、好きなヤツとかいる?」

「えっと・・・・??」


とくんっ


”好き”・・・という感情はどういうものを言うのか分からないけれど・・・・。


爽子は頭に翔太の笑顔が浮かんできてハッとする。


(わ・・・わたし何を考えてっ////柏木くんはそんなこと言ってないのに)


爽子は” 好き ”という言葉で咄嗟に翔太を思い浮かべたことが異様に恥ずかしく

なった。そして激しい心臓の音を感じると、戸惑い気味に目を泳がせる。


「まっい〜〜や。もしいても俺は俺で頑張るし」


永遠は焦った様子の爽子をちらっと見て大きく深呼吸をすると、爽子に向き合って

はっきりと言った。


「俺と付き合ってください」


爽子はきょとん・・・として永遠を見つめた。



* * *



「・・・・・」


レンタルを返そうと店にやってきた翔太は、この日爽子がバイトに入っていることは

知らなかった。たまたまやって来ただけなのだが、さきほどの場面に遭遇する。


二人がバイクで去った後も翔太はその場に佇んでいた。


ドクン ドクン・・・


さっきから動悸のような胸の大きな音が止まらない。


なぜ二人が?


用事があっただけかもしれない。でも・・・。


翔太は歓迎会の時の永遠の様子を思い浮かべた。


「翔太、なんかあった?」

「え・・・いえ」


とりあえずレンタルDVDを返却しに行った。カウンターにはシンと神楽がいた。

シンは去って行こうとする翔太に声を掛けた。


「翔太!バイト終わるまで待てるか?今日短いからさ」

「え?」

「メシ食いに行こうぜ。久々に付き合えよ」

「う・・ん」


翔太は躊躇しながらもシンの誘いに断りきれずにその辺のカフェで待つことにした。

待っている間も思い浮かぶのはさっきの光景。


「ふぅ〜〜〜っ」


本を読んでいても全く頭に入らない。永遠の性格を知っている。行動に迷いのない

ところはいつもすごいと思っていた。恋愛に関しては今まで話したことはなかった。

でも、きっとこれも迷いがないような気がする。だとすると・・・。


逆に彼女のことが好きなのに上手く接することができない自分がもどかしくなる。

ちゃんと気持ちを表せないのはどうしてだろう・・・。自分の気持ちは決まっている。

でも今、” 好き ”だと言えないような気がする。


彼女に振られるのが怖いからだろうか・・・?


「よ、お待たせ!」

「シンさん」

「場所変えようぜ」


翔太は自分のことが分からず、釈然としない顔でシンの後について行った。











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あとがき↓

この話もう忘れましたよね(´ρ`)ここの翔太は悩みまくりですね。もっと強い翔太
が書きたい。そしてこの話の爽子さんもまた鈍すぎる・・・(汗)
しかし・・・ブログを変えたいっ!飽き性の私はこのブログのデザインに飽きまくり。
デザイン変えすぎと言われそうですが、飽きるんですもの。でも引っ越しは面倒そ
うだ。ご存知の方、引っ越し大変ですか??それではまた〜〜!レスも遅くなって
ますが必ず書きますからね〜〜♪

P・S bさま〜〜〜いつもながら感謝ですっ(*´д`*)またお返事書きますっ!!