「Half moon」番外編 ➑ Epi87 補足〜「今日こそ君を閉じ込めよう！」

こちらは「Half moon」Epi８７の補足話です。それもかなり崩した話ですので風早暴走が
嫌な方は見ないように！！しょーもなくて短いです。

再会した空港でかわいい恰好をした爽子を見た風早は？以下からどうぞ↓

２ヶ月ぶりの爽子。それもいろいろな覚悟を決めた。爽子が仙台に会いに来てくれたと知

った時から会いたい気持ちばかりが先立っていた。飛行機から飛び降りたい気持ちにもな

った。とにかく触れたい、感じたい・・・・。

それなのに・・・・

ドクンッ

俺は到着ゲートを出た後、目の前の光景に茫然と佇んだ。そこにはいつの日も自分の頭の

中に住み着いて離れない愛しの彼女と野郎が二人。それもなぜに爽子の手を掴んでる！？

以前空港で見た光景がフラッシュバックする。

風早の身体がふるふると小刻みに震える。手に汗握る。

思わず爽子の手を引っ張る。そして心の声を叫ぶ！

「彼女に触れるなっ！！」

「その彼氏・・・だからっあんた達が言う。彼女に触れられるの俺だけ」

あ・・・・・

彼女の手が震えているのが分かった。そうだった・・・。俺、”彼氏”・・・じゃなかったっけ。

別れようと言われたままだった。

「・・・・・・」

思わず頭が真っ白になった。薄汚い野郎どもが爽子に触れるのを見てぶっとんでいた。

しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん

でもっっ・・・！でも何のためにここに来た？　そうだっ！爽子に会うためだ。

とにかくあいつらを追い払って、爽子と話したい。色々なことがあったからにはまずは話

さないと始まらない。

決意を固め、爽子に向き合った俺に、彼女は爆弾を落とす。

「け・・・権利あります////」

しゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

撃沈。

そんなかわいいことを言うもんだから・・・・俺の必死で押さえていた理性は一気に爆発する。

どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ

早くっ早くっ〜〜〜〜触れないと死んでしまうっ！

がばっ

まだ何の誤解も解いてないけど・・・・っ抱きしめずにはいられない。

爽子の柔らかい身体をぎゅっと抱きしめる。ぎゅ・・・っと。もう吸い込まれそう。スポンジみた

い。そして爽子の匂い。その瞬間、”帰ってきた・・・”って思った。押し倒したい気持ちを必死で

押さえて、目の前の爽子をまじまじ見つめる。

うわぁっ・・・！！

涙で大きな瞳を濡らしながら、頬を紅潮させている爽子。いつもはストレートの髪がくるんっと

カールされていて、かわいい髪留め、そして白いフリルがついた水色のワンピース。全てが

かわいすぎる。・・・どー考えてもだめだろう？？存在だけでかわいいのにっ！！

かわいんだから・・・かわいんだから・・・っ！！

爽子の存在自体がかわいいのに、それに手を加えたらだめだろうっ！！

ほら、今通った男も見ている。

よし、隠そう。

「か・・・風早くん！？・・・髪がっ」

爽子を包むように隠した風早は爽子の声も聞かずに強く抱きしめ続けた。すると、しばらく

して爽子のしくしく泣く声にハっとしたように気付く。

「あ・・・ごめんっきつかった？？」

「ちがっ・・・」

目の前の爽子は髪留めを押さえながら、さらに瞳に涙を浮かべている。

しまった！！泣かせてしまった。

感情のまま、力の加減をするのを忘れていた。やばいやばいっ。爽子を潰してしまうじゃないか！

でも・・・

潰してしまったら俺の中に吸収されたりして。そしたら俺がずっと望んでいた、誰にも見られ

ないように閉じ込められるのか？

・・・などと訳の分からないことを頭に浮かべていると爽子がぽつりと言った。

「あ・・・昌さんにセットしてもらった髪なので・・・・っ」

よく見ると少し髪がくしゃっとなっていた。どんな爽子でもかわいいから気付かなかったけど、

爽子はそれを気にして泣いていたらしい。謝ろうと思ったら爽子がうるうる目でさっきよりも

大きな爆弾を落としてきた。

「風早くんに・・・少しでもかわいく思われたくて・・・」

シュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ

俺は完全に燃え尽きた。爽子はいつか俺を殺してしまう。そのかわいさで。俺は簡単に塵

と消えるだろう。爽子に殺されたら本望だ。

でもその前にやっておくことがある。

俺の中に閉じ込めておこう。誰にも触れさせないように。ず〜〜〜っと俺ん中に。

風早は爽子を抱きしめながら、心に強く誓ったのであった。

＜おわり＞

あとがき↓

heidoさま・・・お許しを。普通に書くつもりがギャグ系になっちゃった。自分でも書いていて、
こりゃだめだ・・というのもあれば、これはちょっとイケたかも！？つぅーのがあるんですよ。
こちらに遊びに来て下さる皆様・・・ご訪問・感想をいつもありがとうございます。お返事は
もうしばらく待って下さいね〜〜！それからなぜか蓮にこだわる皆様！私が書きたいから
書く！それだけです。二次なんて気分乗らないと妄想湧きませ〜〜ん！余計なことを考え
ずに面白かったら読む、面白くなかったら読まない。それでいいんじゃないですか？