「瞳は知っている」2
※ 前書きから読んでください。こちら⇒前書き
※ 風早×爽子カップルではありません。オリキャラ登場します。
このお話は 「瞳は知っている」1 の続きです。
あらすじ*風早目線で進んでいきます。大学に入って仲良くなった友人ハルに
彼女を紹介された風早。ハルとの出会いや関係を思い出しています。
それでは以下からどうぞ↓
「瞳は知っている」 episode 2
「いや〜〜北海道って結構、東京弁に近いなぁ〜!びっくりしたわ。」
「東京弁!?」
いきなり関西弁バリバリで話すハルに出会ったオリエンテーション。関西人というだけで強烈
なイメージがあったがそうではなかった。
「やめてや〜関西人かて繊細なんやで!」
ハルの明るい性格は人を楽しくさせるムードメーカーのような存在だった。一方風早も、持ち前
の爽やかさと統率力で風早とハルは何かとクラスの中心になることが多く、いつも人に囲まれて
いた。また、ビジュアル的にも目立つ二人はいつのまにか大学内で注目の的になっていた。
「いや〜〜今日もおもろかったなぁ〜!夏休みは皆で海でも行きたいよな!」
「そ―だね!ジョーも言ってた。海行ってナンパするんだって」
「あはは〜〜〜翔太いたら釣れるんちゃう?」
「俺、そーいうの苦手だから」
風早に彼女がいないことをハルはいつも”もったいないなぁ〜いい男やのに”とからかうように
言っていた。実際風早狙いの女の子は沢山いた。でもどうしても付き合う気になれなかった。
「翔太は意外と俺と似とんのかも」
「え?」
「俺も彼女と会うまで全く興味なかったし。そりゃかわいい娘やスケベなことも興味あるで〜
でも、彼女と会って、”この娘や!”って思ってん」
風早は、嬉しそうに話すハルの横顔を少し羨ましそうに眺めた。
「ごちそー様でしたっ」
「いやっ////そんなんちゃうねんけどなっ照れんな〜」
そう言って、ハルは頭をぼりぼりと掻いた。
「まっ今度、良かったら彼女と会って。翔太のことはよく話してんねん。彼女も
会いたいって」
「うん。楽しみにしてる」
「けっこー人見知りタイプかもしれん。まぁ、俺が8割話してるしな」
あははは〜〜っ
「ハル、ベタボレなんだな」
「えっ//////」
ハルを前から知っているわけではないけど、明らかに普段見ない顔をした。彼女のことを
聞くたびに、そんな彼を夢中にさせる女の子ってどんな娘だろう?って気になっていった。
*********
ふぅ〜〜〜〜〜〜っ
「なんか、悩んでる?」
「あっ翔太!講義ちゃうの?」
学内のカフェでハルがため息をついているのを翔太は後ろから見て声を掛けた。
「なんか、教授の都合で休講になって・・・」
「あ〜そうなんや」
翔太はコーヒーを持って、ハルの隣にどかっと座った。そして苦笑いをして言った。
「ハル・・・分かりやす過ぎたから。俺でよければ相談に乗るよ」
「翔太・・・・・」
うるうるとした風なハルにふっと翔太は優しく微笑んだ。
「彼女のことだろ?」
「う・・・・ん」
ハルは彼女のことになるといつもの誤魔化した感じや人を笑わせる雰囲気がなくなる。
だからとっても分かりやすい。どうもハルの悩みとはありがちだが、ハルらしくないと
いうか、ハルらしいというのか??という悩みだった。
それは”彼女に手が出せない”というもの。
「ふぅ〜ん。それでハルは手を出したくないの?」
「そ、そんなわけないやろっ!////」
結構、手が早そうに見えたハルがそれだけ長い付き合いの彼女に手を出してないというが
意外だった。キス以上の関係にどうしてもなれないというのだ。
他の女子には平気でスキンシップするくせに。
「いやっ・・・彼女さ、なんっつーか、きれいすぎて、そんな俺の欲望とか
嫌ちゃうかなとか・・・」
いつもクラスの中心で皆を笑わせてるハルがどんどん小さくなっていった。
(一体、どんな彼女なんだろう・・・??)
「彼女を知らないからなんとも言えないな・・・」
「翔太はそういうと思った。あ"〜〜〜〜っ」
ハルはそれからも頭を悩ませていた。
ハルと会うと、いつの間にか彼女の話しになる。彼女はいないのに自然に3人でいる気分
になるから不思議だ。
だからかな。彼女と会った時、初めて会った気がしなかった。
あとがき↓
ちょっと分かりにくい描写ですみません(汗)次に爽子と会った場面に戻ります。
ずっとオリキャラに出したかった関西人。爽子のイメージとは正反対なタイプで
静と動という感じ。でも意外と繊細という設定で。それでなければきっとあまり
にも合わない二人となりそうなので。それではまた続きを楽しみにしてもらえる
と嬉しいです♪
「瞳は知っている」 3 UPしました