「瞳は知っている」1 


※ 前書きから読んでください。こちら⇒前書き
※ 風早×爽子カップルではありません。オリキャラ登場します。


それでもよければこちらからどうぞ↓









5月の海。まだ北海道では肌寒い。

しかしもう冬の色ではない海が次の季節を待ち構えていた。

この海に来るとあの夏を思い出す。


叶わぬ恋を


秘密の夏を・・・。



初めて会った時、俺の瞳は君を捉えて離さなかった。

あの時から瞳は正直だったんだね。同じ瞳を持つ君。

そして、最後までお互いの瞳には嘘をついたまま・・・。






「瞳は知っている」 episode 1







7年前― 君に出会った。まだ夏になる前の頃だったね。

今も目を瞑ると、出会った頃の君の笑顔が浮かんでくる。


その時はまだ何も知らなかった。あんなにつらい夏がやってくることを―――



「翔太、俺の彼女。黒沼爽子さん」

「あ・・・どうも風早翔太です」

「く、黒沼爽子です。お噂はかねがね・・・・」

「あっ俺もお噂はかねがね・・・」


あははは〜〜〜〜っ


大学に入って仲良くなった野島ハル。大阪出身のバリバリの関西人だ。クラスが

一緒で遊んでいるうちに気のいい奴でいつの間にか親友と呼べるまでに心許せる

友人になっていた。ハルには高校の時から付き合っている彼女がいる。

仲良くなっていくうちに、彼女の話を楽しそうにするハル。本当に嬉しそうに話す

ハルを微笑ましく思っていた。

あの気持ちに気付くまでは・・・・。



「関西出身じゃないんだ?」

「あ〜彼女?転校生やったからなぁ。高校1年の時」

「へぇ〜そうなんだ」


ある日、彼女の出身は俺と同じ北海道ということを知った。父親の転勤であちこち転校

していたらしい。

現在二人は違う大学だが、希望の大学が同じ道内だったので遠恋にはならなかった。

爽子は祖父母の家から通い、ハルは大阪を離れて一人暮らしをしていた。


いつの間にか想像していた、彼女の姿を。今日も楽しそうに彼女の話をするハル。


そうか・・・・この娘なんだ。

漆黒の長い髪に白い肌。切れ長だけど大きな瞳。長い睫毛。あいつの横でふんわりと微笑む彼女。

いつの間にか目を離せなくなっていた。そんなこと許されるはずはないのに・・・・。


今年の夏、恋というものがこんなにつらいものだということを初めて知った。








あとがき↓

さわりだけの1回目になっちゃった。(切り目が・・・汗)このお話は最後まで風早目線
でいこうかと思います。あえて爽子ちゃんの気持ちはあまり書かないでおこうかと。
どれぐらいの長さになるか分からないけど、またよければお付き合いください。
今後の予定は・・・自分の中の萌えベクトルの向くお話からUPしていきます〜〜〜〜!
(今はこのお話に向いてる!?)それではまた明日!

 「瞳は知っている」  UPしました!