「愛合月」


このお話は知り合いのサイト様、翠様が作って下さったお話です。

ここを訪問して頂いてる方はきっとご存じのサイト様ですよね?

実は翠様は私がブログを始めて一番最初に感想を下さった方で、

ずっと変わらず応援して支えて頂いています。その翠様が、私の

Half moon」というお話から考えて下さったお話・・・。「愛合月」

幻想的・・・。さすが翠様。こんな言葉があるんですね。ドキドキ

しました。とても素晴らしいお話で、私だけではもったいないので、

翠様の了解を得て、こちらにもUPさせて頂けることになりました。

よければ感想は翠様の方に^^!

翠様、本当に素敵なお話をありがとうございました。



以下からどうぞ↓












離れる事がこんなに辛い事だとは思って無かったかも知れない


逢いたい・・・と想う胸がこんなに痛いだなんて・・・





『愛合月』





逢いたい

逢いたい・・・


そして、


愛し合いたい


そう思っているのは俺だけだろうか?



ずっと一緒にいたいと・・・


ずっと傍で守って行きたいと願ったけれど


まだ若く、子供な俺たちには

超えなければならないものがあるのだと思う


そして今、それが・・・

俺たちに課せられた試練なんだとしたら


二人で――――――超えたい


そして彼女をちゃんと

この腕で抱き締めたいと思った




「風早くん」


電話越しに聞こえる彼女の声

聞くたびに逢いたい想いが募る

電話じゃなくて顔がみたい

触れ合いたい

そう思うのは仕方ないよな



だけどそれを言ってしまうと彼女を困らせてしまうだけ


きっと、

彼女も会いたいと思ってくれているだろうから・・・


だけど・・・


時々は聞きたいなあ・・・と思う



遠距離恋愛になって

今まで会えていたのが会えなくなった分

少しでも彼女のわがままを聞きたいとも思うようになった



「会いたい・・・」

「え?」

「あ・・・ご・ごめんなさい!私ったら!」

「爽子!謝らないで・・・嬉しい」



滅多に聞けない彼女の本音


言って欲しいと思っていた矢先だけに驚いた


嬉しい

その反面、もどかしい


直ぐに会いに行けるわけじゃない



「・・・・・・・・風早くん・・・・会いたいよ・・・」



きゅっと胸が締め付けられる

今、爽子はどんな表情をしている?

搾り出すように紡いだ言葉は、きっと彼女の精一杯の



――――――わがまま




「愛合月」

「めで・・・あい・・つき?」

「うん・・・・この前さ、大学の講義で習ったんだ・・・・・
漢字は・・・・愛し合う月」

「愛し合う月・・・・・」

「七月はさ、きっと七夕からだろうね、
そう言う言い方もあるんだって・・・」

「来月・・・仙台の七夕祭りだね」

「うん・・・八月だけど・・・俺たちには愛合月だよ」

「うん・・・うん・・・そう・・だね、風早くん・・・」


少し涙声になった彼女



「泣かないで・・・爽子・・・
泣くなら・・・俺の傍で泣いてよ」



ほら、俺まで泣けてきちゃうじゃん



時々言う本音は涙を誘ってしまう


逢えない悲しみも

逢った時の喜びも

全て共に感じたいんだ



「そうだね・・・・ごめんね」

「ははっ!俺、情けないな!」

「大好き・・・情けなくても、風早くんが大好き」

「//////////うん!!俺だって大好きだよ!!」



逢えないときはさ、

二人で恥ずかしくなるくらい愛を語ろう


泣くのは逢ってからでもいいじゃん!



抱き締める事が出来る距離で泣いて欲しい

一人で泣かないで・・・



来月には逢えるんだから



俺たちが愛し合う月



愛合月はもうすぐだから





♪pipipipi♪



切ったはずの電話が小さく音を立てる



「?爽子?」



切ってすぐにメールだなんて珍しい


しかも写メ付き?




“北海道の愛合月です”



懐かしい故郷

彼女からの月が逢いたいと言っている様だった


だから俺も送るよ


俺も早く逢いたいよ・・・と