「風早ヘタレの旅」

ある方の二次小説から連想してしまいました。短くてバカらしいお話
なのでどうかあしからず・・・・・。
以下からどうぞ↓












「え・・・・・!!」




気がついたら、黒沼が俺の背中に抱きついていた。

えと・・・今はどういう状況なんだっけ?



☆★☆ ☆★☆ ☆★☆ ☆★☆


大学に入ってすぐ、大学近くのアパートを借りて一人暮らしを

始めた。高校の時から付き合っている大事な彼女は、時々この

部屋に来て、掃除をしてくれたり、料理を作ってくれたり、奥さん

(ボンッ/////)みたいなことをしてくれる。

一応遠慮しても、『やらせてもらえると私が嬉しいので』とかわいい

答えが返ってくる。そんな彼女を見ているだけで幸せになる。

それに、なんと言っても、この部屋にいると誰に邪魔されることも

なく、二人っきりになれるわけで・・・・。

でも、彼女を知れば知るほど、また大切に思えば思うほど、キス

以上の関係には進めない。

きっと矢野から言わせれば、”ヘタレ”なんだろうけどさ・・・・。


この日も黒沼は俺のために台所に立って、せっせと俺のために

料理をしてくれている。そんな黒沼の側に行き、”今日のごはんは何?”

なんて覗きこむ。こんな新婚のような風景にお互い赤くなった。


・・・・で今の状況。



「く、黒沼/////??」


声も出さずに、いきなり背中に抱きついてきた彼女。

う・・そ?黒沼から?? いやっありえないだろう。


「・・・どうした?」

「・・・・・・ゴッ」

「ご?」


ご?ごめんなさい? こんなことしてごめんなさい??いや、まったく

謝る必要ないし?

彼女はどんどん強い力で抱きついてきた。


どくんっ


身体全体が熱くなっていくのが分かった。。心臓の鼓動はどんどんと

加速していく。ねぇ、本当にいいの?もう止まらないよ。

こんな風にさせたのは黒沼なんだから。

好きな子にこんなことされて我慢できる男がいると思う?




「黒沼・・・こっち向いて」

「ねぇ、黒沼?」



俺はとにかく抱きしめたくて、彼女の腕を横から掴んで前を向かそうとした。

すると彼女からの悲鳴。え?


「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

「え?」


やっと彼女を前に持ってきて、顔を覗くと目には瞳いっぱいの涙。そして

視線は俺ではなく、台所の収納下。へ?


「う、動いた〜〜〜〜〜〜っ!」



なぜか赤いと思っていた黒沼の顔は青かった。え?動いた?



「ゴ、ゴキブリ〜〜〜〜〜〜ッ!!」

「ゴキ・・・・ブリ?」


えぇ・・・・と。


「・・・・・・・」



し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん





知らなかった。彼女は大のゴキブリ嫌いだったのだ。それも声も出せ

なかったほど・・・・。


期待が大きかっただけに、その後の俺の落ち込みは言うまでもない。

そんな俺を心配してくれる彼女に何も言えず、そのまま押し倒すこと

も出来ず、ただゴキブリ退治をして彼女に尊敬されたのであった。




風早ヘタレの旅は続く。(乞うご期待?←またシリーズにしようかしら)

<END>









あとがき↓

北海道はきっとゴキブリがいませんよね?それに爽子は何となくこんなものに
怖がらないような気がするのですが。まぁ楽しかったからいいか!?シリーズ
化するかも?風早葬りたい病になったら書きます(笑)それではまた何か書き
ます〜〜〜〜♪よければ遊びに来て下さい。

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