「君までもうすぐ」5 

風、爽が高校3年、大学が決まった後の話。たった一日の話です。それなのに

5話ぐらいまで長くなってしまい・・・。(のはずが、収まらなかった〜!)


* 思わぬハプニングでホテルに泊まることになった爽子と風早。何もしない
  つもりが、嫉妬心から理性が吹っ飛んだ風早は、爽子を押し倒し・・・!?


こちらは、「君までもうすぐ」     の続きです。

以下からどうぞ↓


















「・・・・ごめんっ」


ガサッ


風早は爽子の顔を見ると、近づけた顔をさっと引いて、身体を起こした。そして、爽子に

背中を向けたまま、頭を抱え込んだ。


くしゃっ


(おれ・・・何やってんだ・・・・っ)


何もしないって話したばっかりなのに、意識ぶっ飛んでた。彼女は驚いて固まっている。


「あ"〜〜〜〜〜〜っ!!」


風早は後ろを見れないまま、自己嫌悪に陥っていた。


何でこんなに我慢できないんだろう・・・。何でこんなに独占欲が強いんだろう・・・って。

本当に情けなくなる。分かってんだ・・・こんな気持ち、俺だけだって。


その時だった、全く予想もしなかったことが起こった。

背中に感じた、柔らかい感覚。


(・・・えっ!)


風早の身体は後ろから爽子に抱きしめられていた。


「えっ・・・・くろ・・・ぬま?」


自分のお腹に回っている手が震えている。風早はそっと爽子の手に自分の手を当て、恐る

恐る、後ろを振り向いた。


「・・・・っ」


そこには恥ずかしそうに顔を自分の背中にくっつけて、耐えているような彼女の姿。でも

さすがによく見えない。・・・このままでは何も話せない。


その柔らかい感覚をこのまま感じていたいような気持ちになるが、風早はぐっと目を瞑る

と、爽子の手を振りほどき、身体から離した。そして、自分の身体を爽子の方に向ける。


「黒沼・・・?」


俯いたまま、耳まで真っ赤にしている彼女。俺の問いかけに、そろ〜〜〜っと顔をゆっくり

上げた。上目遣いの黒沼に心拍数が一気に上がった気がした。


ドクンッ


(ちょっ・・・・・かわいすぎるって・・・それ////)


「あ・・・あのっ・・・ちがうのっ////」

「えっ?・・・違うって・・・?」

「//////」


俺は訳が分からず、彼女を見つめた。すると、彼女は俺と目が合い、また恥ずかしそうに

俯いた。


「ご・・・ごめんなさいっ!下心ばっかりの私で・・・・/////」

「!」


(えっ・・・・?)


彼女が必死で自分の気持ちを言葉にしてようとしているのが分かった。


「私・・・風早くんと一緒にいると・・・・もっと近づきたくなって・・・」


そこまで言うと、彼女は大きな目からぽろぽろ涙を流した。


「・・・勝手に抱きついて・・・ごめんなさいっ」

「・・・・・・」


風早は呆然と爽子を見ていた。まるで夢の中にいるように・・・・。


「かぜ・・・っ・・んっ」


風早は気がつくと、爽子に口付けていた。


そんなこと言われて、我慢できるはずがなかった。そんなかわいいこと言われたら・・・っ!

風早は自分の身体がどんどん熱を帯びていくのが分かった。

そう・・・この感覚がずっと欲しかったんだ。


そして、ゆっくり顔を離して、爽子を見つめた。


「風早くん・・・」

「嫌・・・・じゃないんだよね?」


風早が言うと、爽子は顔を紅潮させて、目を見開いた。


「う・・うん。嬉しい・・よ/////」

「〜〜〜〜/////!」


風早は頭から湯気を出して俯くと、再び爽子を愛しそうに見つめて、そのままベッドに

押し倒した。


ドクン、ドクン


彼女の心臓の音と自分の音がシンクロして、身体に浸透していく。風早は再び、キスを

開始した。大切にしたい。だけど、もう止まらなかった。自分の中にこんな感情があると

知ったのは、黒沼を知ってから・・・・。

風早は欲情のまま、何回もキスを重ねた。そして自然に深いキスになっていく。その時、

爽子の身体がビクッとした。


分かってる・・・怖いんだって。でも、やっぱり止めらんなくて。俺はそのまま彼女の服

の上から、柔らかい部分に手を伸ばした。こんなこと初めてなのに、本能的に身体が

動いていく・・・。

その時、重ねていた唇からしょっぱい味がした。


「・・・・!」


俺は思わず、咄嗟に顔を離した。驚いた表情で自分を見つめている彼女。そして・・・


「ち、違うの・・・あのっ・・その緊張して・・・・」

「・・・・・・」


そう言った彼女の身体は震えて、大きな瞳から大粒の涙が溢れていた。


風早の手がピタッと止まった。そして、爽子の胸にあった手を涙で濡れた頬へと移動させる。


(・・・・ちがうっ・・・)


風早は、爽子を見つめるとそっとお互いの身体を起こした。


ぎゅっ


そして、華奢な身体を優しく抱きしめた。


「・・・・無理しないでいいんだ」

「・・・・・・」


爽子は複雑な感情に揺れながら、耳元で優しく響く風早の声を聞いていた。





<つづく>



「君までもうすぐ」  





あとがき↓

まだ、引っ張るかぁ〜〜〜って感じですね。はい。すみません。5話で終わりませんでした。
いつもの私の長くなるパターンですね。話の切れ目が・・・!やっぱヘタレ風早ですかね!?
というか、この先の展開になると18禁になっちゃうので、裏サイトでって感じです。そのギリ
ギリラインが結構好きです。こういうの結構ワンパターンに書いちゃいます。それでもよけれ
ば、また続きを見に来て下さいませ〜〜〜〜♪

※ 簡単ですが、コメレスさせてもらってます。(昨日分)