「Squall」 後編

爽×風×ケントの話です。ちょっとキャラ違うかも。高二設定です。前編後編に
分けます。(・・・のつもりが3つに分けます。いつもてきとーですみません)


* 爽子にキスをしている健人を目の当たりにし、すっかり自分を見失った風早は健人と
  ケンカをしてしまうが・・・?短いです。最後です。


これは 「Squall」 前編 中編 の続きです。

以下からどうぞ↓












「squall」(スコール)3







************



ぎゅっ


黒沼の手が微かに震えているのを感じた。

優しく背中に回された黒沼の手から癒されていくような気がする。こうやって自分から恥ず

かしがらずに抱きしめ返してくれることが今まであっただろうか。ああ・・・・君はいつもこう

やって俺の心の中を満たしてくれるんだ。


「風早・・・くん・・・」


爽子は心配そうに風早の顔を覗き込んだ。


「黒沼・・・・消毒するから」

「え?消毒?」


爽子が不思議そうな表情をして、意味を聞き出そうとしたと同時に爽子の口が風早に塞がれた。


「―っ!!」


ゆっくりと顔を離すと、黒沼はいきなりのキスに驚いたように手を口にあてて、大きな目を揺ら

している。


「か・・・ぜはやくん!?////」


初めてではないけど、数えるほどしかしたことがないキス。この柔らかい感覚に酔いそうになる。


風早はこのまま世界が終ったらいいのに・・・。と本能的に思った。ずっと彼女といたい。

誰に邪魔もされず。そんな感情に支配される自分自身が健人の言った通り、”自滅”に追い込ま

れるかもしれない。でも、止められないんだ。

その時、そっと風早のほっぺに爽子の手が添えられた。


「・・・風早くん」


ぎゅっと目を瞑っていた風早はそっと目を開ける。


「こっち見て」


もう一つの手も風早のほっぺに添えられ、優しく包み込んだ。


「そんな顔・・・しないで」

「え・・・・」

「哀しい顔してる・・・」


爽子の瞳には涙が溢れていた。一滴落ちるたびにその涙が自分の醜いものを浄化していくか

のように、心を癒していった。その時、やっといつもの自分を取り戻した風早は、暴走していた

ことを自覚した。


「ご、ごめっ!!/////教室でこんなこと」

「ううん・・・」


黒沼は恥ずかしそうに俯くと、少しの間の後、気持ちを言ってくれる。それは嘘のない本当

の気持ち。君の言葉はいつも俺に魔法をかける。”恋”という魔法。


「恥ずかしいけど・・・・う、嬉しいよ」


大好きで大好きで・・・この気持ちをどう表現したらいいのだろう・・・って時々思う。嬉しい

はずなのに、せつなくなって、すごく、不安になるんだ。


「傷・・・大丈夫?」

「あっ・・うん。手当て、ありがと」


そこにはいつもの笑顔の風早がいた。その笑顔に爽子はほっとして笑い返した。

風早はその笑顔にまた救われる思いがした。


こんなに人を好きになったことはない。そして、同じような気持ちを持っている奴が他にも

いる。人を好きになると言うことはきれいな感情だけじゃないことを強く知ることになる。

でも、それも自分自身なのだと・・・・。


「帰ろっか」

「うん」


いつものように手を差し出すと、恥ずかしそうにそっと優しく手を重ねてくれる。

この手を守るためならどんなことでもできると思える。

ずっと側に彼女がいてくれるなら・・・・。


また新しい自分を知った、そんな日。




<END>









あとがき↓

「squall」という言葉から連想しました。まあ、二次でしかこんな二人ありえないって
感じですが、これはこれで面白かったです。でも、風早よりケントの方が平和主義
ですよね?さてシリアス系が続いたので、次はちょっと、ギャグ系でいきましょうか??
それでは、また遊びに来てくださ〜い♪

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