「Half moon」(11)
社会人の二人の物語。オリキャラ祭り。オリキャラ紹介⇒(1)をご覧ください。
風早目線で爽子LOVEを語る回っす。
こちらは「Half moon」1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 の続きです。
それではどうぞ↓
「爽子・・・・ちょっと座って」
「はい?」
風早は台所にいる爽子に声を掛けた。
真剣な声の風早に反応して、爽子は緊張な面持ちでこちらにやってきた。
風早はそんな爽子にふっと表情を緩め、ベッド下の収納箱に手を伸ばした。
「?」
そして、きょとんとしている爽子に身体を向き直した。お互いの瞳がぶつかる。
「爽子」
「は、はい」
爽子も思わずかしこまってしまう。
「これ・・・」
そう言って、風早は目の前に小さな箱を差し出した。そして中をパカッと開ける。
「え・・・」
爽子は目の前に出されたものを見て、目を見開いた。
「爽子に似合いそうだなと思って・・・・」
そう言って風早は少し照れながら優しく微笑んだ。
目の前に出されたもの・・・・それは爽子の誕生石であるラピスラズリの指輪だった。
「これ・・・・」
「爽子にだよ。もちろん」
「そんな・・・こんな高価なものもらえないよぉ〜〜」
手をぶんぶん振って必死で言う彼女。思った通りの反応に風早は笑った。
「あのね、爽子がもらってくれないと誰がもらってくれるんだよ。それにそんなに
高くないから。」
「でも・・・・誕生日でもないのに・・・」
爽子の目にはすでに涙が浮かんでいた。嬉しくて嬉しくて、次々に溢れ出る涙。
「離れているからさ・・・・。給料もらったら絶対買おうって決めてた。べ、別に
プロポーズとかじゃないから/////」
「・・・・・・」
そっと視線を爽子に移すと、嬉しそうに涙を流し、指輪を見ている彼女がいた。
風早はすでに言葉を発せられなくなった爽子の涙をそっと拭う。
こうやって泣き虫な君の涙を拭うことさえできなかった。ああ・・・本当に君は
ここにいるんだね。
そっと指にはめる。
「うわっぴったり。良かった・・・」
「ありがとう・・・・」
彼女の心からのありがとうに、温かい気持ちになる。
「矢野がいたらさ・・・・縛りたかったんでしょって言われそうだけどさ////」
「////////」
ずっと指輪を見て微笑んでいる彼女。そんな姿がいじらしくなる。
高校から付き合っている俺たちはいろいろな贈り物をし合ってきた。
指輪も初めてじゃないけど、そのたびに彼女の感動が伝わる。本当に喜んで
くれてるんだって。ああ・・・・どうして君はそんなに純粋なの?その涙はどうして
そんなにきれいなんだろう・・・・。本当に全てがきれいだ。
いつか、永遠の指輪を贈るから。それまで待っていてね。
「お父さんに・・・なんとか認めてもらったことだし、これからはもっと会おうな!」
「う、うん!!」
「でもさ・・・」
風早は照れながらぼりぼりと頭をかいた。
「?」
「いや・・・」
風早が目線を移すと、次の言葉を待っていたようで、自分の顔を覗きこんでいる
爽子がいた。
「うわっ///////」
風早が真っ赤になったのを見て、爽子も急に恥ずかしくなったように頬を染めた。
いつまでたっても二人の関係は変わらない。
風早はほんのり赤い爽子の頬に手を添えた。
「でもさ・・・北海道はこんな風に二人になれるところがない・・・ね////」
「あ・・・・//////」
「ごめん・・・下心ばっかりで」
きっと爽子は一緒にいられるだけで幸せな人だ。それは分かっている。いつも
ガツガツしてるのは自分。でも・・・こんなに愛しい彼女を前にして止められる
男がいたら教えて欲しい。それに、この3ヶ月、俺の我慢は限界に達していた。
「私も・・・ここがいいです」
「!//////」
そんな言葉を聞いてしまったら・・・止められるわけない。
部屋に入って、まだ30分も経たないうちに・・・・押し倒していた。
甘い甘い時間。このまま時間が止まったらいいのに・・・と祈りながら、
彼女の柔らかい肌を堪能した。ずっとこの感覚を夢見ていたんだ。
「夢みたい・・・」
彼女は俺の腕の中でふんわりと笑って涙を流した。
思っていることは同じ。彼女の温かい肌は、会えなかったつらさを全て
忘れてさせてくれる。ずっと離しはしない。
あとがき↓
どうしても風早目線ばかりになってしまうなぁ〜〜。正直、書きやすいんすよ。
だってどうしようもないほど好きなのは風早の方だから。こんなかわいい彼女
と遠恋は不安すぎる〜〜〜ということでまだラブイチャ続きます。
また、よければ遊びに来て下さい。