「OVER the TEARS」(8)

ピンの言葉に不安になった爽子は・・・。途中から風早目線で。
これは OVER the TEARS         の続きです。
それでは以下からどうぞ♪
















私は、しばらく携帯とにらめっこした後、意を決して

ボタンを押した。


ピロロロ〜ン〜♪


「あっあやねちゃん!ごめんね、遅くに」

「全然いいよ〜!珍しいね。爽子からって。あっ今日ごめんね〜」

「ううん!全然!」

「・・・・・・。」

「どうしたの?」

「う・・・ん。あのっ先生の最後言ったことが気になって・・・」

「あっアレ?気にしないでいいって!」

「うん、でも・・・風早くん、どこかへ行っちゃうのかなって。

 何か、あやねちゃん知ってたら教えてほしいなって・・・。」


自分のことに必死で周りが見えてなかったことを反省する。


「へっ??」


がく―っと思わず椅子から落ちそうになるあやね。


「あーあのさ・・・。う〜ん まぁどこも行かないから風早」

「えっでも・・・。」

「ちょっとこれは説明難しいわ。う・・・ん 爽子さ、風早の

 気持ちとかちゃんと聞いてみたことある?」

「気持ち?」

「うん、爽子に言えてないことあるかもしれないよ。男と女って

 違うからさ。ちゃんと色々話ししてみな」


私はさらに失意のどん底に落ちていった・・・。


「わ、私が悪いの!!」

「え?」

「最近、家庭教師のバイトに夢中で・・・ああぁぁぁ〜〜〜〜!」

「あ、あのね、爽子!落ち着いて。違うから。だから〜風早も男

 だってことよ。」

「?? え〜と・・・」

「う〜〜ん。とにかく男と女は話さないと分かり合えないっつーことよ」

「うん・・・分かった。ありがとう、あやねちゃん」


ピッ


「悪い・・・言えなかった。あわれ風早」


何年経ってもこの状態に、さすがに風早を憐れむあやねであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今日は、彼女が家に来てご飯を作ってくれる。俺は、朝から

ウキウキで部屋の掃除をする。そして、ヤバイ雰囲気にならない

ように夜には彼女を帰そうとランチをご馳走になることにした。



そして、待ち合わせ場所で待っている彼女。

会う度に、かわいいって思う彼女だけど、今日は特にかわいくって・・・。


「き、今日、なんか違うね。////」

「あっ髪をね、少し切りに行ったら美容師さんがなんか

 セットしてくれて・・・。変じゃないかな?」

「ぜ、全然!!」



髪をアップにして上でお団子をしてる彼女。おくれ毛がクルクルしてる。

う、うなじがヤバイ。



「そ、そーいえば、最近アイツはどう?家庭教師」


思わず、俺はうなじを見ないようにそらを見ながら話を変える。


「うん。最近はいい感じだよ。いろいろ話をしてくれるようになったよ」


なんかのっけからヤバイ感じする。俺・・・止められるかな。



ガチャ


「ど、どうぞ」

「うわ〜きれいだね。風早くんのお部屋」

「そっか、久しぶりだね。ウチ来るの」

「うん、お互い忙しかったもんね。一日ゆっくり会えるの久しぶりだね」


嬉しそうに微笑む爽子になんだか優しい気持ちになる。


「うん。俺も嬉しい」


高校の時からずっと変わらない気持ち。これからも変わらない。

爽子のペースでゆっくり進んでいきたい。

一緒にいられるだけで幸せなんだから。



・・・・と思っていたのに。何分か前までは!!!


部屋に案内して、お茶をしばらく飲んでくつろいでいた爽子だが、

いきなり沈黙になった。


「? 爽子?」

「・・・・・。」

「あ、あの・・・。風早くん・・・ごめんなさい!!」

「え??」


目に涙を浮かべて謝る爽子。訳を聞いてみて、俺は顔から

火が出そうになった!


「・・・だから、風早くんがどこかへ行っちゃったら私・・・どうしようって。

 最近、ちゃんとお話してなかったって。ごめんなさい!!」


(ピ、ピンの野郎!!)


「お願い!風早くん。ちゃんと話してください。」


(話してって・・・それは無理だろ!!)


爽子は俺がどこかへ行くと本気で思っていたようで、真剣

な顔でじりじりと近づいてくる。心が見透かされそうで

焦った俺は、思わず身体を横にかわしてしまった!



「きゃっ〜〜!」

「うわっ!!」


その瞬間、爽子がバランスを崩し、俺に抱きつく形になった。

自然に爽子を抱きとめる。


「ご、ごめんなさい!!」

「こ、こちらこそごめん!」


あせって、爽子の身体を離そうとした時、ふっと香る爽子の甘い香り。

そして、白いうなじが目に入った。


「・・・・・。」


俺の頭ん中で何かがブチって切れが気がした。


「か、風早く・・・? あっ」


俺は、身体が熱くなるのを感じた。もう一度爽子をぎゅっと抱きしめ直して、

爽子のうなじに唇を近付けていった。


「ん・・・か、風早くん!?」


真っ赤なうなじがかわいくてかわいくて・・・


「ごめん・・・俺もう止まんない」


そして、彼女の唇に角度を変えて何回も自分の唇を重ねた。


「ん・・・あ・・・・だめっ!」

「だから、止まんないって」


そして、風早の右手は爽子を抱き、もう一つの手は爽子のブラウスの

ボタンをはずし始めていた。



風早は爽子の甘い香りに包まれながら、本能のままに走り出してしまった。












あとがき↓

ちっとエロくなってきました。一応、これが本題ですね。ここから話が
やっと進みます。次は爽子目線も入れて。よければまた見に来て下さい。
OVER the TEARS