「OVER the TEARS」(4)

この回は道哉くんの家庭事情についてです。短いです。
これは OVER the TEARS     の続きです。
それでは以下からどうぞ♪










あれから道哉くんとの距離は少しずつ縮まったかな〜って

おこがましくも思うのだけど。



「せんせー。彼氏と会ってきたでしょ?」

「えっ!!!」

「あはは〜〜モロばれ!分かりやすいね〜アンタ」

「な、なんで??」

「いや〜なんとなく?」



す、するどい!!道哉くんてホント時々鋭いと思う。私より

しっかりしてるのでは?と思えることもある。

こういう会話も多くて、私としてはあせるというか。慣れて

ないので。道哉くんの年齢を疑うこともある。


「実は見たんだよね〜。外で抱き合っているとこ」

「えっ!あわわわ〜〜〜〜」

「!? 何その反応。あんた大学生でしょ?」

「は、はい」

「顔、真っ赤だけど?」


思わず、私は火照った顔を手で覆った。


「付き合って何年?」

「えと・・・3年です。/////」

「まさか??ヤッてないの?まだ」

「は??」


(まじ、分かってないコイツ・・・それやばいっしょ。今時)



「がははは〜〜〜〜!相手の男地獄〜〜!」

「??」

「いや〜調子狂うわ」


よく分からないけど、そう言って、いつまでも笑いつづけている道哉くん。

こんなに笑った道哉くんを見るのは初めてかも。嬉しいな。


「み、道哉くんは好きな子とかいないの?」


(聞いちゃっていいかな・・・どきどき)


「ヤルだけの子ならいくらでもいるけどさ〜」


(やる?)


「なんか、面倒くさいじゃん。ずっと続く関係なんてあるわけ

 ないんだしな」

「・・・・。」




先日お母様と会った。


”「あの子、全く学校に通ってなくて。私も仕事が忙しいから 

 構ってあげれなくて・・・」”


その言葉を聞いて、ちゃんと愛情を持ったお母さんなんだと思った。

でも次の言葉を聞いて私は凍りついてしまった。


”「とにかく、瀬戸家に恥じないようにしてもらいたいの。うちの

 跡取りは長男がいるので、道哉には特に期待はしていないわ。

 先生には道哉が学校にさえ通わせてもらえたらそれでいいの。

 もちろんそれなりの謝礼はさせてもらうつもりです。」”



着飾って、とてもきれいなお母様でした。でも・・・。



あれから私は紹介してくれた友達に事情を詳しく聞いてみた。

その友達は瀬戸家のまたいとこに当たる人で、事情を知って、

私に紹介してくれた。


彼の両親は二人とも、大企業の社長で忙しいそうだ。そして二人

とも不倫してるって。そんなことってあるんだ。

私の周囲には全くない環境だったので、私が道哉くんの気持ちを

分かるのだろうか・・・。改めて不安がよぎった。


道哉くんが長く続く温かい関係があるということを否定して

当たり前なんだって、そう思う。


でもきっとあるんだよ。ずっと続く関係は。私はそう信じたい。












あとがき↓
道哉くんとの関係も良くなってきた爽子ですが、彼の家庭環境の悪さ
に傷ついていきます。次回は風早場面で。なかなか二人を絡められな
い〜〜〜。それも暗い方向へ行くし・・・・。それでもよければまた
見に来て下さい。
OVER the TEARS    


いつも拍手、コメントありがとうございます。拍手ページにコメントを下さった方、
(お名前を出していいのか分からないので)ありがとうございます。嬉しかったです。
自己満足な妄想にこれからもよければお付き合いください。