「OVER the TEARS」(3)

家庭教師のバイトに燃えている爽子。お互い忙しくてなかなか
会えない二人だが・・・・。
これは OVER the TEARS    の続きです。以下からどうぞ↓











あれから俺は気になりながらもバイトやレポート提出などに追われて

爽子に会えない日が続いていた。



「あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」



俺は思わず頭を抱える。


「爽子に会いたい・・・。」


ピンポーン


(ん?こんな時間に誰だ?)



ガチャッ「はい?」



「えっ??爽子?」

「と、突然ごめんなさい!忙しいと聞いていたのだけれど、

 勉強の合間にと思って・・・。」


そう言って、クッキーを焼いてきて差し出してくれた。


「まじで?ありがと〜〜〜!」


うわっ嬉しすぎる。ずっと俺の頭の中から離れない彼女の

突然の訪問。


「入って!」

「ごめんなさい!勉強の途中・・・「いーの!」」



俺はぐいっと爽子を抱き寄せて部屋に入れる。



「か、風早くん!私・・」

「だまって・・・!」



俺は爽子を強く抱きしめる。ああ・・・爽子が足りなかったんだ。



「やばっ・・・」

「えっ?」



爽子の匂いにクラクラする。

やらしー気持ちになってきた。これ以上密着するとやばい。

俺はぐいっと爽子の身体を離した。



「ごめんっ!久々に会ったから止まんなくて。」

「う、ううん!私もずっと風早くんに会いたかったから・・・。」


だからそんなかわいいこと言ったら止まんなくなるからってば!


「でも・・・今からバイトなんだ。ごめんね、勉強の邪魔して」

「えっ・・・バイトって」



あいつのとこ?あれから部屋に入れてもらえるようになったって

嬉しそうに言う爽子に何も言えなかったけど、やっぱ心配で・・・。



「そいつ・・・ちゃんと勉強やってんの?」

「あ・・・まだできてないかな。」

「えっ?それじゃ何しに行ってんの?」

「道哉くんが夢中のゲームを一緒にやったり?かな」

「へっ!?」

「うん・・・なかなか心を開いてくれないから。私じゃ役不足で。

 でも、ゲームを一緒にやらせてもらえるようになって嬉しいの!!」


そう言って目をキラキラさせる爽子。

う〜ん。とことん前向きだからなぁ〜爽子は。まっ大丈夫か。大きな家で

お手伝いさんもいるっていうしな。



「ん。じゃがんばれ!」

「ありがとう。それじゃ・・・」




なんか、あっさり去ろうとする爽子に面白くなくて。



「・・・。俺にも頑張れして!」


ちょっと意地悪そうに上目づかいで言ってみる。



「えっ?」


ちゅっ


俺は、振り向いたかわいい爽子の唇を奪う。


「充電!」

「//////」




真っ赤になった爽子にもう一回、もっと長くて深いキスを

して俺たちは別れた。


「あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」


充電してもらったので、元気もりもりでレポートを仕上げる

はずが・・・逆に悶々して一向に進まなくなった風早くんでした。











あとがき↓

お決まりのウブコントでした。やっぱりこういうのを入れないと楽しく
ない。そして書いていてニヤニヤする変に奴なのです。
次回は道哉くんの家庭事情のお話かな。よろしければ見に来て下さい。
OVER the TEARS