「I love you smile」8

やっと爽子と向き合おうと走り出した風早に爽子の友達の沙紀が待ち伏せしていて・・・。
こちらは I love you smile        の続きです。
それでは以下からどうぞ↓






























とにかく爽子に会いたくて、店を出て走り出そうとした時、

勢い余って、人とぶつかった。


ドンッ



「わっすみません!!」

「あっ風早くん!?」

「えっ?あの?・・・えっと」


「あの、私、爽子の大学の友達で沙紀です。」

「あ、ああ〜びっくり。久しぶり!」

「ごめんね、いきなり。前に爽子に風早くんの働いてる居酒屋のこと

 思い出して。よかった!会えて〜」


「?」


「爽子のことで話があるんで、ちょっと時間をもらえるかな」

「えっ、う・・・ん?」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



遅くまでやっている喫茶店の中に客はいなかった。

話があると言われ、風早は近くの店に沙紀を案内した。

変な沈黙が続いた後、お互いコーヒーを一口含み、沙紀が

口火を切った。



「もしかして、何かあった?爽子と」

「・・・・・」

「ごめんなさい!!!」

「!」


沙紀ちゃんが土下座に近い形で俺に頭を下げてきた。


「えっ?」

「えっ?だってばれちゃったんでしょ?」

「・・・ばれたって?」

「バイトのこと」

「え?え?なんのこと?」

「あ、あれ?」



えっと・・・なんかこういうことらしい。どうもこの3日間、爽子は沙紀ちゃん

が風邪で休んでいたため、沙紀ちゃんのバイト先の助っ人をしていたと。

そのことを俺に内緒にするように爽子に言ったと。



「えーっと、どうして内緒に?」

「あっまぁ・・(汗)あれ?でもどうしてばれてなかったのに気まずくなってんの?」


「・・・・・」

「爽子と抱き合っている男の写真を見せられて・・・」



そう言って、俺はボロボロになった写真を彼女の前に出す。



「・・・・。 誰に?もらったの?」

「大学のゼミ仲間の子に・・・」



(はは〜ん。その子絶対風早くんのこと好きなんだな。でも何でそんなことに?

爽子って何にも言わないからな・・・。)



「とにかく、爽子はやましいことないから誤解だと思うよ。だって爽子が風早

 くん以外の男を好きになると思う?二人の絆ってそんなもん?」


「!」


「じっくり話し合ってみなよ。もちろん、爽子のことは風早くんが一番知ってると

 思うけど、嘘をついたのは全部私のためだよ。その嘘にどれだけ苦しんでたのか

 と思うと、本当に申し訳ない。そして、言い訳もしないのが爽子だから」



そうだ。爽子は誰のせいにもしない。それは自分の意志でやっていること

だからだ。でもそれが結果的に俺に嘘をつくことになり苦しんだんだ。

そんな爽子の話をどうして聞かなかったのか。俺はただ単に怖かったんだ。

俺から離れていく恐怖にただ、押しつぶされそうになってたんだ。

まだ何も話していないのに・・・。



「・・・ありがとう。話してみるよ」


「だけど・・・くすっ。ホント風早くんって爽子ベタボレだよねっ」


「////////」




俺は清々しい気持ちになり、早く爽子に会いたいと思った。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



俺の気持ちと一緒で清々しい天気の日、やっと爽子に会えた。

最近の天気はまるで俺の気持ちを代弁してくれてるようだ。


でも久々に会えた爽子は俯き加減で俺を見てくれない。



「爽子! こっち見て」

「!」

「もう、長いこと爽子の顔を見てなかったんだから」



そう言うと、恥ずかしそうに彼女は顔を上げて俺を見た。



「////////」


うわっ〜かわいい。早く爽子を感じたくなる。



「全部、沙紀ちゃんから聞いたよ」

「えっ?沙紀ちゃんに!!あっ」

「ごめんなさい〜〜〜〜!!」



また俯いて泣き出した彼女の涙をそっと拭う。



「ほらっこっち見てっていってるでしょ?」

「嘘ついてごめんなさい」

「友達のためだったんでしょ?もういいよ。それより・・・」

「これ・・・・」


俺は一枚の写真を取りだした。


「大学の友達に渡されたんだ」

「えっ・・!」

「これ、あっあの時の!」

「あの時?」

「実は・・・・」



この写真は三浦だということが分かった。何となく見たことがある

って思ったけど、まさか三浦なんて。それはそれで大ショックだ。

そのバイト先に三浦がたまたま来てといういことだったが。



「それでね、バイトの帰りに送ってもらっちゃって、たまたま三浦くん

 がつまづいちゃって、この写真になったんだと思う。」


「風早くんのところにこんな写真がいくなんて、やっぱり神様が嘘は

 だめだよって教えてくれたんだね。・・・本当にごめんなさい」



変に感心している爽子。



「いや・・・それはいいんだけど」



爽子の様子を見ていると、本当にそれだけだったんだろうけど、

奴は分からないよな。


(うっ・・・。知ったら知ったで複雑じゃん!!)


「それで三浦は?」

「バイトの間は来てくれてたんだけど、それからは会ってないよ。風早くん

 に早く言いたかったんだけど!」


「・・・・・」


 3日間通い続けたと?俺の知らないところで?



「風早くん・・・怒ってるよね?」

「怒ってるよ」


「・・・・・」



そう言うと、段々爽子は暗くなり、目に涙をいっぱいためて必死で

落とさないようにこらえてた。その姿がまた愛しくて・・・・。

ついつい意地悪してしまう。



「俺のこと好き?」

「も、もちろん!す、すきだよ!」

「三浦よりも?」

「えっ?何で三浦くん?」

「どうしよっかな。爽子に嘘つかれるなんて思ってなかったからな〜」

「あわわわ〜〜ど、どうすれば!!」



必死に青くなってる爽子は高校の時から全く変わってない。自分のこと

になると鈍感なんだから・・・。俺がどれだけ爽子のことを好きなのか

いつまでたっても分かってくれない。



「キスして!」

「えっええええええええええええ〜〜〜〜!!」

「爽子からしてくれないと許してあげない」

「うぅ・・・・・」



目に涙をいっぱいためながら上目使いに俺を見る爽子。

思わず、押し倒したくなるのを必死で押さえて。



「ん!」



爽子に口を近づける。

やっと観念した爽子は真っ赤な顔で目をぎゅっとつむりながら、
 
顔を近づけてくれた。



そして、俺たちの影は重なり、いつまでもいつまでもそれは離れなかった。














あとがき↓
はい!やっとウブコントまで辿りつきました。ここまで読んでくださった方
ありがとうございます。別マ3月号はちょっと一息という内容でしたね。
やっぱり爽×風のカップルは素敵だな〜って思います。
それではまだ続きます。やっと主人公が動き出します。明日はちょっとUP
できませんが、あさってUPできると思います。よければ見に来て下さい。

それでは久々にお気に召しましたら↓

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