「I love you smile」11

ついに最終話です。風早に会って、自分の気持ちを伝えた健人。
やっと正直に前を向かって歩き出します。
こちらは I love you smile          10 の続きです。
それでは以下からどうぞ↓


























この日はびっくりするぐらいの青空だった。

太陽と目が合い、眩しくて手をかざす。


しばらくそうしていると、視界の横の方から一生懸命走ってくる貞子ちゃんの姿。

いいのに。俺が待ち合わせより早く来てるだけなのに。



「三浦くん!ごめんなさい!お待たせして」



はぁはぁと息を切らせてる貞子ちゃんがかわいくって・・・思わず見つめてしまう。

やっぱ好きだなぁ。



「あの・・・?三浦くん」


俺らしくなかったのか、黙っている俺を心配そうに見つめる貞子ちゃん。

さすがの俺もチャッとするカラ元気はない。自分を誤魔化すのはもうやめたんだ。



「俺に会うこと、風早に言った?」

「うんん。でも、びっくりした。沙紀ちゃんから連絡もらって・・・。」


そう、俺はやっぱり貞子ちゃんにメルアドを聞けなかったんだ。

風早に遠慮してるとかじゃないんだ。多分俺・・・。



「俺、貞子ちゃんと風早に幸せになってもらいとずっと思ってた。」

「えっ・・・・。」


憧れてたんだ。二人の関係に。高校ん時から見れば見るほどお似合いで。


「貞子ちゃ・・・爽子ちゃん!」

「は、はい?」

「好きだったんだ。ずっと」

「は・・・はい?」

「いや・・・正直言うと今も好きなんだ。恋愛感情でね」


やっぱ固まってるし。


「・・・・・・。」


「えっ?えっ?ええええええええええ!!」

「うわっ!反応おそっ!」


後ろずさりしてるし・・・。やっぱり全く考えたこともなかったんだろな。



「な〜んちゃって!なんて言わないよ。今度は。本気だよ」

「えっと あの・・・その・・・」



爽子ちゃんはどうしたら分からない様子でおろおろしている。



「分かってるから。風早が好きだろ?」

「う・・・うん」

「俺、爽子ちゃんを困らせるために言ったんじゃないよ。自分のためなんだ。

 だからそんな顔しないで?」



俺は、困ってる爽子ちゃんの気持ちを代弁する。

そして、トレードマークのチャッをする。今度は自然に出た。

そう、俺は君の悲しい顔なんかみたいんじゃない。





「爽子ちゃん、笑って!俺、これでやっと前に進めるんだ。ずっと

 好きだったんだ。爽子ちゃんのこと。こんなに好きだったって

 気付いたのは、爽子ちゃんに再会してからだけどね」


「・・・・・・・。」


「今度会う時は、本当に友達だよ」


「・・・・・・・。」

「それじゃね!風早によろしく!」



俺は爽子ちゃんに背を向け歩き出した。

正直、いくら俺でもこれ以上君といるのはつらいよ。

ふっまじ・・・俺らしくないな。



「み、三浦くん!!」



振り向くと、スカートを握りしめて、必死に笑ってくれる彼女がいた。

その笑顔は全く自然じゃなかったけど、必死に笑い続けている。



「・・・・・・。」


「それ!全然出来てないよ!ホラ教えたでしょ?俺がチャッとすると

 笑顔だよ!」


「あ・・ありがとう!!好きになってくれて!」



爽子ちゃんはいつまでもいつまでも俺の背中を見送ってくれた。

痛いほど君の気持ちが伝わった。


大好きだ。大好きだった。

君に出会えて本当によかった・・・・。

今度会う時は俺も心から笑えるように。


"I love you smile"


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



三浦くんを見送った後、私はただ茫然と帰り道を歩いていた。

すると、見たことのある人の姿。そう・・・愛しい人の。



「か、風早くん? どうして・・・?」

「うん・・・・。」


「何も言わなくていいよ。・・・おいで」


そう言って、優しい笑顔で手を広げてくれる。



ああ・・・なんでこの人はこんなに私を分かってくれるのだろう。



「ふぇっえっえっ〜〜〜〜ひっく」




風早くんはそれから何も言わず、優しく髪をなでてくれた。

私が泣き止むまでずっとずっと・・・・。


私には初めての経験過ぎて、どうしたらいいのか、このせつない

気持ちって何だろうって・・・。そんなことを考えて涙が止まらなかった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



私達は海に行った。冬の海は寒いはずなのに、風早くんとつないだ手

から温かさが伝わり、全然寒くない。風早くんといるといつも温かい。



「俺さ・・・爽子に好きな人が出来たと思った時・・・」

「えっ??風早くん以外に?」

「あの時、嘘つかれていた時さ!」

「あわわわ〜〜〜〜〜ごめんなさい!!」



私がそーっと風早くんに目を移すと


嬉しそうに笑っている風早くん?



「いや―俺って意地悪。これで当分爽子を独占しようと
 思っちゃうもんな」


「////////」



あまりにも嬉しそうに私を見るからドキドキが止まらない。




「爽子に好きな人が出来たと思った時・・・・俺、狂いそうだった。

 絶対無理だと思った。離したくないと思った。」



真っ直ぐ、いつも真っ直ぐ私を見て、ちゃんと言葉で伝えてくれる

風早くん。私の想いはちゃんと言えてるかな。ちゃんと届いている

のかな。風早くんに。



「俺・・・・爽子しかいないから。」 「多分・・・一生」



そう言うと、風早くんは俯いた。耳が赤い?



私は、風早くんに会わなかったら、どんな人生を送っていたのかな。

こんな感情にきっと出合えなかったね。

この気持ちを私からもちゃんと伝えないといけないよね?



「あの・・・・私も・・・・し、し、しょうたくん・・だけです。」



「えっ?」


風早くんがぱっと顔を上げる。


「今、何て?」



「ごめんなさい!もう言えません。」



初めて、名前で呼んだ。き、きんちょーする!!!


がっちがっちに真っ赤になった私は風早くんの顔を見られないで

手で顔を伏せていると・・・アレ

身体がふわっと浮き上がる。



「ぎゃっ!!」



私は風早くんに抱きあげられていた。



「爽子を抱っこ!えへっ////」




「うわっわわわ〜風早くん!私、重いから〜〜!」


「もう一回呼んで?それじゃないとずっと下ろさないよ♪」




「し、し、し、しょうたくん!!」



なんか、ぶすっとした顔ですとんっと地面に私を優しく置いてくれる。

そして私をぎゅっと抱きしめてくれた。



「俺・・・三浦の気持ちずっと知ってたよ。高校ん時から」


「えっ??」


「爽子って・・・・本当に自分には鈍感だもんな。俺が

 どんなに爽子のこと好きかって知ってる?」



おでこをコツンってつけて話すから、やっぱりドキドキが

止まらなくて・・・。



「わ、私も・・・んっ!」



喋り終わらないうちに風早くんに唇を塞がれていた。



「ん・・・知ってる」



そう言って、風早くんはにこっと笑った。


神様、どうかずっと風早くんのそばに居られますように・・・・。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



後日談




PiPiPi〜〜〜〜〜

風早の携帯が鳴った。


「ん?・・・!三浦から?」


件名 プレゼント

本文

俺だけの秘密にしようかと思ったけど、
しゃーねーからあげるわ!
待ち受けにしたら(笑)

後、マスターがバーで働かないかって
誘われていたよ風早!
んじゃなっ♪




「!!!△×●$◎〜〜〜!!」



「何ぃぃいいいいい〜〜〜!」


添付写真を見て風早は卒倒するのであった。



そう、写真は爽子のバイトの時の写真でした〜!


<END>



















あとがき↓
はい!やっと終わりました。健人と爽子いえば、やはり笑顔というイメージが
あります。そんなこともこのお話のテーマにしました。このお話の番外編もある
ので次にUPします。
それでは読んで下さった方、ありがとうございました。

web拍手


お詫び ※ 君に届けランキング参加を脱退しました。いきなりすみません。
      もし、そこから入って頂いていていた方がこのサイトを探して
      もらったとするとすみません。趣味サイトなのであんまり広げる
      と自分が疲れそうなので、そうさせてもらいました。こんな自分
      勝手なサイトでよければこれからもよろしくお願いします。