「I love you smile」7

あの写真が原因の風早と嘘をついたと罪悪感いっぱいの爽子は
お互いちゃんと向き合えず関係が悪くなっていきます。
この回はお互いの場面、目線で!
こちらは I love you smile       の続きです。
それでは以下からどうぞ↓

























あれから一週間たった。メールも電話もない。

あの時の風早くんの後ろ姿が忘れられない。

風早くんに会う勇気がない。だって、私、嘘ついたんだから。




「―子?」

「爽子!ってば」

「あっ沙紀ちゃん」

「大丈夫?さっきの講義も全く聞いてなかったでしょ」

「もしかして、風早くんと何かあった?」

「・・・ううん。何もないよ」



私は笑顔を作ろうとするとかなり無理があるらしい。



「うわぁ〜怖いって!なんだその顔!」

「ご、ごめんなさい〜〜〜」

「いやっいいんだけどさ、彼氏には見せない方がいいよ。〜ところで

 マスターに爽子を連れて来るように言われたんだけど、今夜空いてる?」


「えっあ・・あのあの店にはもう・・・・」

「やっぱ、何かあったんじゃないの?そのことで風早くんと」

「い、いや、別に何も!ど、どうして?マスター用事かな?」

「うん、何か、絶対連れてきてって」

「わかった。今夜、大丈夫だから・・・」




沙紀ちゃんに迷惑をかけるわけにはいかない。




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ガランッ

「おっ爽ちゃん!久しぶり!会えてうれしいよ」

「お久しぶりです」

「マスターなんか私と態度違うくない?」

「そんなことないって。あはははー」


沙紀ちゃんはすでにバイトに入っていた。



(やっぱり様になるな〜沙紀ちゃんは。)



「呼び出してごめんね。実はさ・・・・健人のことなんだけど」

「三浦くん?」

「あいつとなんかあった?」

「えっ? 何もないと思いますけど・・・」




三浦くんとはバイトの最後の日に送ってもらった後から会ってない。

二人で会うのは風早くんが気にするからって。三浦くんが。

風早くんと3人で会いたいと思ってたんだけど、それどころでもなく・・・。




「何かありましたか?」

「ふぅ〜ん。別に何もないんだけどね。あいつあれから来ないから
 ちょっと気になってね」


「ところで彼氏元気?ここでのバイトのことばれてない?」

「あ・・・は、はい!げげげ元気です」



「・・・・・」  「・・・・・」



「それじゃね〜気をつけて帰ってね。また大学で!爽」

「うん、沙紀ちゃんもバイト頑張って!マスターお元気で!」

「また来てね〜」



ガランッ



「沙紀・・・・やばいんじゃないの?」

「うん。多分・・・。あの子責任感強いからさ。何も言わないけど」

「もとはと言えばお前のせいだしな」

「・・・・・・」



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「やっと授業終わった、かったる〜」

「風早〜今日、飲み会行くでしょ?」

「うん」

「やった〜」

ワイワイ きゃあきゃあ



「・・・・なんか最近、風早付き合いよくね?」

「いつも出席率悪くて、女の子達がぶーたれてたのにな」

「まっ風早いると楽しくなっていいよな。女の子取られちゃうけどさ」


「風早くん・・・」

「あ・・・斎藤」

「私に話ない?」

「あ・・・うん。もういい」

「どうして!!彼女と別れないの?」

「えっ?」

「だってあんなことされてだよ」

「ごめん、今はそのこと考えたくないんだ。斎藤も飲み会行く?」

「あ・・うん」

「んじゃ楽しもうな!」



にっとしたいつもの爽やかな笑顔に胸がきゅんとなる女の子・・・

沢山いるんだよ。そして、彼女だけしか見てないその瞳に嫉妬

している女の子・・・沢山いるんだよ。気づいて。




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わいわいがやがや

「ほれ〜風早もっと飲めよ!」「風早酔ったとこ見たい!」

「風早のバイト先だと安くしてもらえてラッキー」

「あの教授さぁ〜」「2回生のアイツさっ」



俺・・・何してんだろ。こうやって皆といると忘れられるって

思ったんだろうか。逃げてばかりなんて俺らしくない。

ちゃんと話聞かなきゃって頭では分かっているのに、体が動かない。

今から考えたら、俺・・・・爽子が全てだったんだな。

いなくなることが怖くて一歩踏み出せないなんて・・・・。

本当に小さいよな。俺って・・・。



ぼーっとしている俺に女の子達が話しかける。


「風早〜彼女となんかあった?」

「えっ別に」

「ふ〜ん。そうだよね〜」

「えっ?なんで?」

「だってさ、風早がフリーになるの待ってる子多いんじゃない?」

「特に、さち(斎藤)なんて・・・・本気だと思うよ。

 見てて分かるでしょ?」

「・・・・・」


俺は思わず彼女を見ると、こちらを見ていたらしく目線が合う。

今更ながら、俺は全く周りを見ていなかったと気づく。

もし、爽子と別れて誰かと付き合うとしたら・・・。



「・・・・・!」  全く考えられない。


そん時、俺はハッとした。



「ごめん、俺、帰るわ」

「えっ?」

「店長!会計安くしといてくださいね!」

「仕方ね〜な。明日バイト入ってるからな!」

「はいよ!」

「風早ー!?」




答えなんて簡単じゃん。爽子以外の子とか考えると

全く考えられないんだから!



風早の目にもう迷いはなかった。


俺は勢いよく戸を開けて走り出した。












あとがき↓

やっと風早が爽子と向かい合う気になり、暗い所から脱出です。
やっとウブコントが書ける^^それからいよいよ別マ発売ですね!
ヤバイ!興奮状態です!それではよければ続きを見に来てください。

「I love you smile」