「 I love you smile 9」 の補完
風早視点でこのシーンを書いてみました。たいして面白くない
と思いますが、ちょっと補完してみたくなりました。
よければ以下からどうぞ↓
久々に会った三浦に連れられて行ったバーは落ち着きのある
大人のバーだった。
「おっ〜はじめまして!ここのマスターです。」
(へっ?)
「えっ何で・・・爽子のこと御存じですか?」
「まぁ〜そのつもりで健人が連れてきたんだろうし。意外とコイツ真面目だから。
フェアーじゃないもんね。爽ちゃん、ここで3日間働いてくれてたんです。」
「△▲#%○☆★〜〜!!」
何ぃ〜〜〜??ここでこのマスターと働いていたと?
「それもかわいい格好してくれてさ、お客さんに大人気だったよ」
思考が一瞬停止した。その後爽子が働いている姿を思い浮かべ、カッと
身体や頭が熱くなるのを感じた。
「うわっ変わってね〜風早。アハッハ〜」
「へぇ〜爽ちゃんの彼氏、会いたかったから嬉しいよ」
「えっ?」
「あんなかわいい子を一人占めする男は幸せだなって思ってね」
「えっ・・・・・・」
ちょっちょっと・・・・!
「ぷっ風早、顔にモロ出てるから!マジ変わってね〜!がはは〜」
くそっやっぱこいつも変わってないし。
俺の中の独占欲が爽子だけには異様に出てしまう。やっぱ俺に言わなくて
正解かも。はぁ〜〜〜! 俺は思わず机にうつ伏せた。
「俺・・・・貞子ちゃん 好きだよ」
「!」
俺は、三浦の言葉にがばっと顔を上げた。
「何で・・・今更」
「認めなくなかったんだ。認めると、自分が自分でなくなりそうでさ。
でも・・・ここで再会して、今も、その想いを引きづっていることが
分かった。ごめん。俺・・・まだ貞子ちゃんのこと好きだわ」
コイツと本音で喋るのは初めてかもしれない。俺・・・知ってた。コイツの
気持ち。でも知らないフリをしてたんだ。だって、本気以外の何物でもない
って分かってたから。
「・・・100%可能性がないことなんてないんじゃない?俺・・・
今も、爽子に対して余裕なんてないよ。いつも不安だよ。俺の前から
いつかいなくなるんじゃないかって。他の男にさらわれるんじゃないかって
いつまでたっても俺のものだって思える時が来ないと思う。」
「・・・・・」
「俺に了解を取ることなんてないよ」
思わず、そう言った。不安がないといったら嘘になる。でもこうやって
真剣に俺に向き合おうとしてくれた三浦を止めることなんてできない。
それに決めるのは俺ではなく爽子だ。俺は爽子を信じるしかない。
いつも不安だった。あまりにも好きすぎて。愛しすぎて。
だからこそ、爽子を好きになる奴の気持ち・・・・分かるんだ。
これから何回こんな想いをしていくんだろう。
どんどんきれいになっていく爽子。愛しい気持ちはこれからも
あせることなく溢れていくだろう。
せつない想いを残しながら、寒空の中、思いっきり白い息を吐いた。
<END>
あとがき↓
ちょっとせつない風早も書いてみました。次も番外編でこの
お話の最後で健人から写メを送ってもらった後の補完話。
よかったら見に来て下さい。