「I love you smile」5のパロディ?「暴走健人」

一応シーン5のお話なのですが、全く別物です。ほんとなんか健人が
悪い人になっちゃって、鬼畜系になったのでどうしようかと思いまし
たが、一応読みたいと言ってくれた方がいたのでUPします(汗)
皆暗いです。それから風早に爽子のバイトがばれているという設定。
それでよければ以下からどうぞ↓





























「貞子ちゃん。お疲れ様。3日間よく頑張ったね」

「あ、ありがとう。それに今日も送ってくれてありがとう」

「寒いのに〜」




そう言って、ふわっと笑う彼女。

思わず抱きしめたくなる。でも・・・この子は

俺のじゃない。どうして?何もしてないのに

あきらめないといけないのか?




「すっかり、自然に笑えるようになったね」

「えっ!本当ですか?し、師匠のおかげです!」

「あはは〜まだ師匠って呼んでくれるんだ?」




残念ながら俺のおかげなんかじゃない。

そうだったら、どんなにいいか・・・。

俺は女の子の幸せを願うのが趣味だ。それは高校の時からずっと

変わってない。でも俺自身の幸せはどうなる・・・?



「三浦くん・・・どうしたの?」

「・・・・。風早にやっと会えるね」

「う、うん!」

「嬉しい?」

「えっ//////う、うん。」



やっぱり真っ赤になる彼女。やっぱり面白くねー。




「・・・・・。」



黙り込んだ俺を心配したのか、



「なんか、大丈夫? 酔っちゃった?」

「・・・・・。」

「ねぇ・・・貞子ちゃん。」

「はい?」

「俺じゃダメ?」



そう言うと、俺は彼女の手を引っ張って、抱き寄せた。



「えっ??み、三浦くん??」


「俺、絶対風早より貞子ちゃんを幸せにする自信ある。」


そう言うと、さらにきつく彼女を抱きしめた。


「は、離して・・・下さい。」


さすがに鈍い貞子ちゃんも危険を感じたのか、ささやかな

抵抗を始めた。


「やだね。離さない。」


ああ・・・こんなに華奢なんだ。貞子ちゃんの匂い。ずっとこうやって

感じていたい。


「三浦くん!!やめて・・・!」


必死で抵抗する貞子ちゃん。男の力に勝てると思うの?


「どうして俺じゃだめなの?高校ん時からずっと好きだったのに」

「えっ?」

「なんで、風早なの?」



もう、その頃には俺は止まらなくなってた。こうやって君を感じて

ると、頭が煩悩で一杯になる。好きで好きでたまらない彼女。

熱い想いってこういうものなんだとはっきり分かった。

そう、今までの女なんか全く本気じゃなかった。



「貞子ちゃん、俺のこと好きになって?それじゃないと・・・」



「い、いや!やめて・・・!んっ」 



嫌がる貞子ちゃんの両方の手を抑え、唇を奪う。うわっとろけそう。

風早はこんな思いを何回もしてるかと思うと、たまらなくなる。


そのまま貞子ちゃんの服に手をかけようとしたその時、はっとした。

貞子ちゃんはガクガクに震え、立っていられないくらいになっていた。

そして・・・。悲しそうに涙いっぱいの目で俺を見ている。

俺はやっと彼女から手を離し、彼女の目の前でただ茫然と立っていた。



「・・・・好きなんだ。」

「・・・・・。」


もちろん、こんな状態で俺の気持ちが届くわけはない。

貞子ちゃんに表情はなかった。


「三浦くんの・・・好きが分からない。」

「なんでこんなことするのか分からない・・・。」



そのまま貞子ちゃんは廃人のようにただ立っていた。



すると、ガサッと何か音がした。



木の陰から現れた人物に二人は目を見開いた。


「!」  「!」


バシンッ

一瞬、スローモーションに感じた。その後、頬に鋭い痛み。

そして、気がつくと、地面に叩きつけられていた。



「―― 何してんだよっ!!」


「風早くん!!」


そう、俺は風早に殴られていた。風早の目はまるで野生の豹の

ように鋭い目をしていた。


「か、風早くん・・・。」


「爽子!」


風早は貞子ちゃんの手を引っ張り自身の後ろに隠した。そんなこと

しなくてもこれ以上襲わねーよ。



「なんで、ここに風早いんの?」

 

殴られて口を切ったようで血がぽたぽたと流れる。手で確認しながら

俺がそう言うと、風早は鋭い目を送り続けている。


「別にお前に言う必要ないだろ?」


「ふぅーん。お前見たの?」


「・・・・・・。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

風早Side


風早は爽子のバイトのことを知って、バイト先を探しに来たところ、

男女のカップルに通りすがりに出くわした。



(うわっ見ちゃった・・・早く行こ!)



足早に去ろうとしたその時、聞き覚えのある声に反応する。



”「い、いや!やめて・・・!んっ」”


振り返り、その姿をもう一度確認すると・・・・!

俺は全身の血が逆流するかのようにカーッと熱くなったのを感じた。

そして人生で初めての感情を知った。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「お前、見たんだ。アハハ〜かわいい爽子ちゃんが傷つけられちゃったね!」


「お前――――!!」


「やめて!!」



もう一度殴ろうとしかけた風早を貞子ちゃんは止める。


「・・・・・・・。」

「もう、二度と爽子の前に現れんな!!!」




投げ捨てるように言い、そのまま二人は去って行った。


どんっ


俺は後ろの木にもたれかかった。


「あ〜やっちまった。」


いつかやるんじゃないかって、高校の時から思ってた。

俺の欲望のままに。それももし状況が状況なら、彼女を

犯しちゃうんじゃないかって。



「アハハハハ〜〜!!」



あの二人はどうなるんだろう?ややこしいことになるかもね。

まっ俺はすっきりしたからいいや。



でも・・・。すっきりしたはずなのに、何だか心に鋭い痛みを感じる。

彼女ともう二度と会えない。

風早に殴られた頬を触ったまま、俺はずっと空を見上げていた。





<END>















あとがき↓
書いているうちに話が勝手に進んでいくという感じでした。まさに暴走健人!
でもやっぱり私は優しい健人が好きです。それではこのお話から離れて、次は
ショートなものを一本いってみま〜す。読んで下さった方有難うございます。
お気に召しましたら3本まとめて↓

web拍手