「ひとりじめ」

結婚シリーズじゃないけど、ショートなウブコント話です。
設定は大学入ってしばらくした頃。Sweetです。
それではどうぞ↓























「ふえー汗かいた!ちょっと休憩」

「身体動かすと気持ちいー!」

「風早、経験者?」

「いや〜特にしたことないけど?楽しーな」

「へぇーうまいな!お前」


今日は、大学の講義がいきなり休講になり、空き時間ができたので、友達と

3on3(バスケ)で遊んでた。

話はやはり女の子の話になり・・・・


「女の子ってさーちょっと見ないうちにぐっときれいになってるってことあるよな」

「えっ?」


大学に入って、週末しか会えない彼女だが、確かに一週間ぶりに見ると、

ドキドキすることが多くて・・・・。


「風早も高校ん時からの彼女がいるんだろ?結構会えんの?」

「いや・・・3週間会ってなくて」

「気をつけろよ!お前のいないところできれいになってるかもな〜」

「どーいう意味だよ」 俺は思わずむっとする。

「お、怒るなって!冗談、冗談!」


アハハハ〜〜〜!!


そう、今月は俺のゼミ合宿があったり、彼女の用事でもう3週間も会ってない。マジ限界!

俺のいないところできれいにだって!?そんなこと信じたくない。

ああ!早く会いたい。後、1週間の我慢だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そして、待ちに待った、3週間ぶりの爽子!

朝からそわそわして、待ち合わせの時間より30分も早く着いてしまった。

そこで見た光景に愕然する!


「ねぇ、いいじゃん?おいしいもんでも食べようよ!」

「あのっ・・・?」

「ねっ行こ!「―ちょっと!」」


「―何か用?」 


俺より前に爽子は来ていたようで、男二人に手を掴まれて、どこかへ連れて

行かれようとしていた。

俺は煮えたぎる思いを抱えながら、爽子を後ろへ隠す。


「げっ!男いんのか!ちぇッ行こ」


ちょっとヤンキー風な男たちは睨みながらずらずらと去って行った。


「か、風早くん・・・」


後ろを振り向くと、怯えたような顔をした爽子。

ちょっとすごみすぎた?でも俺の怒りは収まらない。


「爽子。どのぐらい前からあいつら居たの?」

「ちょっと前だよ。あの人達、誰かと間違ってたんじゃないかな?知らない人だと思うんだけど・・・」


がくっ――――


「あのさっ!あれナンパだから!」

「ナンパ?」


きょとっとした顔の爽子。上から下まで爽子をゆっくりと見てみる。

あっ・・・・/////


”「女の子ってさーちょっと見ないうちにぐっときれい
 になってるってことあるよな」”


いつもよりミニのスカートをはいて、髪を上げている彼女にドキドキが止まらない。そして、

白い肌にほんのりピンクのほっぺ。それからぷるるんした赤い唇。ちょっとメイクしてる?

うわっ・・・・ヤバイ。3週間ぶりの彼女はかなりやばかった


「爽子は無防備過ぎるって!いつも言ってるじゃん。き、今日だって

そんな格好じゃ男が寄ってくるって!」


俺は直視できずそっぽ向きながら話していた。すると・・・


「・・・っ」

「えっ?」


彼女を見ると・・・身体を震わせて泣いていた。

えっ?えっ?


「ご、ごめんなさい・・・一生懸命おしゃれしたんだけど、変だよね・・・ 似合わないのに

〜〜〜〜ひっく」

「ち、ちがっ!」


うわっ〜〜〜〜誤解させちゃった。でもその泣いている姿がやっぱりかわいくって、

しばらくボーっと見てしまった。

それから


ぎゅっ


彼女を俺の腕の中に収める。すぽっと入っちゃって俺に隠れちゃう彼女。


「えっ??か、風早くん?」

「違うよ・・・。かわいいから誰にも見せたくないんだ。俺と会わなかった3週間の

間にまたきれいになっちゃったから許せなくて」
  

と俺は舌をちょろっと出し、意地悪そうに言う。


「えっえっ??」


ほーらやっぱり分かってない。

彼女の瞳から大粒の涙がぽろっと落ちそうになるのを、俺の口で受け止める。チュッ


「きゃっ!」


きょとっとして真っ赤になっている爽子に俺はにっと笑い掛ける。


「会いたかったよ。爽子」


そう言うとほっとしたのか、ふんわり笑ってまた、涙を一粒流した。


「私も・・・・。」


愛しくて愛しくて、たまらない彼女。俺の知らないところで、きれいにならないで。

俺の側で俺だけにその笑顔を向けてね。

今日も・・・・・”ひとりじめ”



<END>











あとがき↓
はいっ!かゆいですね!でもこれやっぱ楽しい♪です。
息抜きという感じで!どんどん書きたいです。このお話、お気に召しましたら↓

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