「おれとさわこ」
風早家弟のお話です。かなりショートでラブってないですが、
こちらからどうぞ↓
おれにとって、兄ちゃん、しょうーたは憧れの存在だ。
野球は上手いし、かっこいいし、友達もいっぱいだ。
いつもおれとも遊んでくれる。しょーたと遊ぶ時が一番楽しい。
でも・・・最近、あんまり遊んでくれなくなった。
高校んになって、野球もやめたというのに!
「ねぇ〜かあちゃん!しょーたがあんまり遊んでくれない!」
おれは台所のかあちゃんに思わず愚痴る。
「うふふっそれはさすがにね〜♪」
「なんで!なんで!ちょっと前までそんなじゃなかったじゃん!」
「まぁね〜透太に構ってる暇はなくなったわよね〜」
なんだか、嬉しそうなかあちゃん。一体何なんだろう。
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今日は、リトルリーグの練習だ。最近はここにもしょうーたは
あまり顔を出してくれなくなった。
「おっ透太、頑張ってるか!」
「ピンじゃーん!珍しいな。ピンも。」
「オレも?ってなんだよ。ちょっと通りがかっただけだけど?」
「しょーたが最近遊んでくれない」
ピンはジュースを買ってくれて、休憩に入った。
「あっはは!お前、兄ちゃん子だよな、相変わらず!」
ピンはがははは笑ったかと思うと、ニヤッとして・・・
「まっ。ーんじゃよ〜これをあいつにやってやれ!」
「ん?」
コソコソコソコソ・・・・・
ふーん?意味がよく分からん。
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「しょーた!」
「ん?なんだ透太?」
部屋に入ったしょうたを追いかける。そして服の裾を掴んで、
ピンの言った通り目をつぶって5秒数える。そして
「!」
「下心なしで風早くんのこと見られません!」
ピンに言うようにいわれたセリフを言う。
「ん?」
「えっおまっ〜〜〜〜〜〜///////それっ!」
んん?真っ赤だしょうた。なんだろう??
下心ってなんだろう?
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今日は、朝からしょうたの様子が変だ。そわそわして、部屋を何回も見回したり、
鏡ばっかりみていたり・・・・。
「かーちゃん、しょうた変だ!」
「あっ知らなかったっけ?透太。今日、お客さん来るのよ」
「えっだれだれ?龍?」
「やだぁ〜透太。龍くんであんなにそわそわするわけないでしょ!」
「?」
ピーンポーン そこに呼び鈴が!
「あっ来た!」
しょーたが急いで玄関に行く!でも玄関に近かった俺が前を阻む!
「お、おい、なんだよ!」
がちゃっ
戸を開けると、そこに長い髪をした女の人が立っていた。
「あ、あの、こんにちわっ」
女の人は顔を赤らめて必死に頭を下げていた。
「・・・・?」
「黒沼!いらっしゃい!これは俺の弟、透太。」
入って入って!としょーたは女の人を中に入れる。
かあちゃんの嬉しそうな声!
「えっ〜〜〜〜!!しょうたの彼女?」と指をさした。
「!!!!」
「//////////」
おれがそういうと二人は茹でタコみたいに真っ赤になってしまった。
だからかーちゃんが嬉しそうだったのか。
どうして、最近しょーたが遊んでくれなくなったのかやっと分かった。
なんか・・・・一発文句言おうと思ったんだけど何も言えなかった。
何でだろう・・・?
後から女の人は「はじめまして、と、透太くん!黒沼爽子です。」
と丁寧に挨拶してくれた。きれいな髪。
おれは思わず、女の人の髪を引っ張ってみた。
「こらっ!透太!何するーっ!」
「さわこ!よろしく!」
すると、さわこは真っ赤になり嬉しそうにほほ笑んだ。
「よ、よろしくです!」
おれの背の高さまでしゃがんでくれてそう言った。それと同時になんかふわっといい匂いがした。うちにはない匂いだ。
そっかぁ・・・うちにこんな人はいなかったな。姉ちゃんか・・・
いいもんだなぁ。なんて思った。ん?ねえちゃん?
後ろの方ですごい顔をしていたしょーたを後から知った。
「さわこ」って呼ぶたびに怒るし。
それが、さわことの出会いだった。
それからはしょーたよりさわこに遊んでもらう方が嬉しい。
さわこがウチに遊びに来てくれないかなぁーっていつも思ってた。
13歳になった今から考えると・・・・あの時、俺は恋に落ちてたんだなぁ。
<END>
あとがき↓
弟もきっと風早同様、爽子を初めて見ても怖いより好印象かな?という感じで書きました。このお話の続編もあります。またいつかUPしますね。
さて、次回はちょっと長編モノをUPしようかなと。よければ見に来てください。
それではお気に召しましたら↓