「はつこい」6 

※ パラレル、オールメンバーは同じ。もちろんオリキャラ沢山出ます( ̄ー ̄)ニヤリ
※ 爽子と千鶴、あやねは同じクラス。風早は別クラスで交流がなかったという設定。
※ 爽子は高2の時に東京に転校してしまう。


初めて目にしたアダルトDVDに動揺した爽子はコードに引っかかって転んでしまった。
その時、棚に頭をぶつけて意識を失う。たまたま遊びに来ていた本城に人工呼吸が
必要だと言われて、思わず目を伏せた翔太だが・・・?


こちらは 「はつこい」       の続きです。


興味のある方は以下からどうぞ↓

























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「あ・・・あれ?」

「え・・・・?」


指の隙間から見ると、彼女がきょとんとした顔で座っていた。俺が目を瞑っていた間に

人工呼吸が行われたのか?それにしては早いような・・・。


「あの・・・本城さん、や、やったの?」

「やったって?」


本城は動揺している翔太に不屈の笑みを浮かべて言った。


「いや・・・そのっ・・とにかく良かった!!黒沼っ大丈夫?」

「あ・・・風早くん、私・・・・えっと」

「コードに引っかかってこけたんだよ」

「わわっ・・・・お恥ずかしいところを」

「ははっ大丈夫だよ」


爽子は翔太の笑顔を見るとほっとしたように安堵の表情を浮かべた。そして横に座って

いる本城を不思議そうに見つめた。


「あ、俺?たまたま来てたの。一応医者の卵だからさ」

「助けて頂いたんですか?あ・・ありがとうございますっ!!本当にご迷惑お掛けして

 ・・・すみませんっ」

「軽い脳震盪だから大丈夫だよ」

「は、はいっすみません・・・・」


爽子は本城にぺこぺこっと頭を下げた。そして頭を上げると風早と目が合った。翔太は

それだけでボッと身体が熱くなるのを感じてさっと咄嗟に俯いた。


(や・・・やばっ顔に出てるかもっ////)


本城はドアの隙間に立っているアキに気づくと手招きした。


「お〜〜いアキ。こっちにこーい。お前やりすぎだよ。」

「す・・・・みませんっ」


アキは本城に言われるとぐーの音も出ず、しょぼんとした。


「い、いえっ。免疫がなさすぎる私が悪いので、仕事だというのに・・・こんなことで倒れて

 本当に・・・失格です」

「じゃ・・・・」


本城はにやっと笑って翔太を見ると爽子の耳の近くまで顔を近づける。その姿を翔太は

呆気にとられて見ていた。


ドクンッッ


「わっ////」

「俺がこれからゆっくり教えてあげるね♪手取り足と・・・「−本城さんっ」」

「ん?」


本城がゆっくりと顔を上げると、翔太が鋭い目をして本城を睨んでいた。


「ふふ・・・んっ」


その姿に本城は再び不屈な笑みを浮かべると、そのまま立ち上がって今度は翔太の耳元

まで顔を持っていき囁くように何かを告げた。


「ーなっ!!」


翔太は本城が言ったことに眉を顰める。


「こえ〜〜〜そんじゃ退散しよっ。彼女待ってるし。それじゃ爽子ちゃん、またね」

「は、はいっ。ありがとうございました」


バタンッ


本城は後姿で手を振ると休憩室を出て行った。そのあと、本城が我慢していたように

声を上げて笑っていたことを翔太は知らない。



「・・・・・」


”『・・・もしかして彼女、ファーストキスはまだだったかな?』”


翔太は初めて感じた憎悪に似た感情に戸惑っていた。恋をするということは嬉しいこと

ばかりではない。でもこんなに苦しいなんて・・・。

翔太はいつの間にか痛みも分からないほど拳を強く握りしめていた。


「さわこちゃ〜〜〜ん、ほんまごめんなっ」

「い、いえっこちらこそ、ご迷惑をお掛けして・・・」


アキに言われ爽子はぶんぶんと手を振った。


「いや〜〜まじこんな純情な子が現存してるとはなぁ。カブトガニよりすごいで」

「はぁ・・・」

「なぁ〜〜〜翔太!翔太??」


アキが翔太に振ると翔太はすでに部屋から出ていっていた。背中が小さく見える。


「って、なんやねん、あいつ。何も言わんと。なぁさわこちゃん」

「・・・・迷惑を掛けたので」


どくんっ


爽子はショックを隠せなかった。さっきまで笑っていた翔太の笑顔が消えていた。


(なんでだろう・・・呆れられちゃった??)


翔太の行動を理解できずに爽子は泣きそうになるのを必死で堪えた。これ以上アキに

迷惑を掛けるわけにはいかないのだ。


(・・・だめ泣いちゃ)


「あいつさ、ここだけの話やけど・・・・」

「え・・・!?」


そんな爽子にお構いなしでアキは耳元でごにょごにょと内緒話を始めた。

その内容に爽子は今のショックも忘れ、固まってしまった。それはショックにさらなる

ショックを重ねる内容だった。





「はつこい」  へ 












あとがき↓

久々の更新です。ここでの翔太は初めての恋に右往左往する翔太を書きたいのです。
かっこよくもしたいなぁ・・・。でも翔太君、ライバルは他にいるのですよ!!爽子with
イケメンパラダイスを引き続きお楽しみください。それから前の話などに拍手下さった方、
ありがとうございます。拍手コメントのお返事も遅れていて申し訳ありません。いつも遊
びに来て下さる皆様感謝です♪