「とっておきなプレゼント」


あるバレンタインデーの二人の一日。バレンタインには興味はないと言いながら今日も

UPしてしまいました(汗)なぜかというと・・・あとがきで!


* 大学生の二人。バレンタインデー当日、お互い休日だったため二人で過ごすことに

   なったのだが・・・?短編です。





















「とっておきなプレゼント」 




今年のバレンタインは何もらえるんだろう・・・と正直期待してしまっている自分がいる。

爽子と過ごす4度目の大学2年生のバレンタインデー。毎年、手作りを一生懸命作って

くれる彼女に嬉しさが隠せない。


ピ〜ンポンッ


「は、は〜いっ」


思わず声が上ずる。2月14日。二人とも大学が休みだったため、一日一緒に過ごせる

ことになった。一人暮らしをしてから、こうやって二人で過ごせることが夢のようだとまだ

実感が湧かなかったりする。


「こ・・こんにちわ」

「寒かったろ?さっ入って!」


ドアの前には紅潮した彼女の顔。寒かっただけだろうけど、それだけで体中の熱が帯び

るのを感じる。大学に入ってお互いに忙しくなって、毎週会えなかったりするから余計に

久しぶりに会った彼女にドキドキしてしまうんだ。二人で過ごす時間が夢のようでありな

がらも、二人っきりの空間に自分の思いが暴走しないかと焦ったりもしている。


また、きれいになった?


風早は横の髪を少し結っている爽子の横顔をぼーっと眺める。


「あっあのね。実は年末に商店街の抽選会でこれが当たって・・・・」

「え?」


爽子はそう言うと、紙袋の中からチョコレートファンテンを出した。これはチョコが上から

噴水のように出てきて、色々な果物やお菓子などをチョコに絡めて食べる道具だ。


「手作りとは言えないのだけれど・・・風早くんと一緒に食べれたらっと思って」

「うわっすっげー。やってみたかったんだ、これっ!」

「ほ、ほんと?良かった〜。食材は全部用意してきたので」


風早が目を輝かせると、爽子は嬉しそうにパックから色々なものを準備し始めた。

果物、パン、マシュマロや沢山の食材がきれいに並んでいる。

二人はにっこり笑いあって、なごやかな雰囲気でチョコファウンテンを楽しんだ。

事件はその後に起こる。


「あ〜うまかった!ありがとっ」

「こちらこそ、一緒に食べてくれてありがとう・・・あっもう片付けるね」

「俺も手伝うっ!」

「大丈夫だよっ。散らかしたので片付けさせて」

「だめ、持ってきてくれたんだから。爽子の気持ちが十分伝わったから今度は俺がお返し

 する番。せめて片付けさせて」

「そ、そんな大丈夫だよっほんとにありがとっ――」

「あっ―――――っ!」


その時だった。お互い器具を取り合いながら風早は下のコードに足を引っ掛けてしまった。

二人の目が合う。こういう時はスローモーションになるから不思議だ。


がっしゃ〜〜〜〜〜んっ


「・・・・・・」

「・・・・・・」


器具は無残にも床に落とされ、中に残ったチョコが爽子の全身にかかる。

風早ははっとして、真っ青になった。


「ご・・・ごめんっ!!」

「あっ・・だ、大丈夫・・・っ」


チョコレートまみれになった爽子に濡れタオルを用意して、必死で拭こうと爽子に触れた。


どきんっ


「あっ・・・風早くん、自分で拭けるので・・・////」

「はっ・・・!そ、そうだね////」


風早は爽子に言われて必死で行動していた自分にハッとした。爽子は風早が至近距離に

いるので、大きく心臓が脈打った。お互いの心臓の音がシンクロしていくその時だった。


ぺろっ


「・・・・・」


(・・・・・ん?)


爽子は何が起こったのか理解できず、一瞬目が点になった。


「・・・え?」


しばらくのタイムラグの後、爽子はハッとしたように目を見開いた。


「えっえええええええ!!」

「あっ・・・ごめんっ。舐めちゃった。甘い・・・・」


爽子は風早に頬を舐められたことに気づいて、あわあわ〜〜〜っと頬を押さえて顔を

真っ赤に染めた。


「甘い・・・ね。爽子って////」

「そ・・それはチョコがかかってしまったからでして・・・」

「ううん、全部甘い」

「え?」


爽子は意味が分からず、相変わらずおろおろとしていたが、風早の熱い目を捉えると、

視線を外せなくなった。お互いの瞳がぶつかる。


どくん、どくん、どくん


風早は固くなった爽子の顔に手を優しく手を添えると、そっと爽子の唇に自分のを重ね

た。暫く重なった後、風早は唇を離した。爽子は恥ずかしくなり、さっと顔を見られない

ように俯いた。


「・・・ここも甘いや///」

「あっ・・・////」


風早も自分の言動に恥ずかしくなり俯く。二人はお互いの顔を見れず、背中を向けた

まま、片づけを始めた。


「か・・風早くん」

「え?」


ぺろっ


「・・・・・」


振り向いた風早は時間が止まったようにその場に固まった。


「お・・・お返しです////」

「えっ・・・・えええっ〜〜〜!!」


頬を舐められた風早は腕まで真っ赤になって、さらに動けなくなった。風早にとっては

こんなオマケつきのとっておきなバレンタインデーとなった。


(うわっ・・・////)


そして、チョコがかかった爽子を見て、またまた真っ赤になる。

その時心に浮かんだ下心を必死でかき消そうとしたのである。




そう、その下心とは”爽子自身がチョコ”だということ。



いつか”食べられる”日が来るのでしょうか・・・。




Happy Valentinday!




<END>








あとがき↓

いや〜〜チョコファウンテンでマジでやってしまったんですよ。友達とやっていて

最後にひっくり返したんですよ。それでチョコまみれになっていつまでも匂いって

取れないんですね。気分悪くなってきて・・・(;;;´Д`) 自分にとっては最悪だった

けどその時思いついてしまいまして・・・(o^-^o)またまた横道それて怒られそう(汗)

このまま初体験とかありだと思ったけど、伸ばすわけにもいかず・・・。

読んでくださってありがとうございました!今度こそ続き書きます!!

※ コメレス遅くなりましたが、その日の欄に書かせて頂きました!

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