「あとの祭り?〜After curnival〜」(2)


ギャグありホットありのごちゃまぜな話。そんな長くないです(と思います)


* 結婚記念日の前の日、爽子が急にいなくなった。爽子は翔太に言えない大きな失敗

  を犯してしまったのだった・・・(笑)さてさて二人はどうなるのか?

  「あとの祭り?〜After curnival〜」 (1) の続きです。



以下からどうぞ↓



















**********




「昨日楽しかったよな〜〜〜。でもマジ風早変わってなくて笑えた」

「そうなのよ。アイツずっと爽子を独り占めしてるんだから」


健人とあやねは会社が近くということでたまにこうやって休憩時間にランチやお茶を

している。この日もたまたま時間があったのでランチをしていた。


「この1年ラブラブなんだなぁ〜」

「そうね・・・・」


あやねは健人の少し寂しげな、でも温かみのある顔を優しい表情で眺めた。


「でも、昨日はいっぱい貞子ちゃんと話せて楽しかった。高校ん時は風早との仲を

 ジャマしたくなかったからさ〜」

「・・・爽子も嬉しそうだったしね」

「うん・・・」


健人はあやねの言葉に嬉しそうに頷きながら、かばんの中の携帯電話を確認する。


「・・・ん?」


がさがさっ


「何?」


かばんの中に手を突っ込んだ健人が不思議そうな顔をしている。あやねは食事をしな

がら何気なくその様子を見ていた。


「あれ!?」

「だから、何?」


健人がそ〜っとかばんから手を出すと、健人の手のひらに握られていたものに、二人は

唖然とした。

なんとそれは・・・・!?



*********




「マジ?昨日?」

「う・・・うん。知らないよね?」


爽子は千鶴を尋ねると、玄関先で真っ青な顔で聞いた。


「店にはなかったの?」

「うん・・・まず初めに行ってみたんだけど、やはりそういう届け物はないらしくて・・・」


爽子を悩ませているもの・・・・それは結婚指輪だった。昨日からいくら探してもないのだ。

薬指にあるものだと思っていた指輪だったので、全く心当たりがなかった。


「うわぁ〜それは悩むよね。でもど〜したんだろ?龍、知らないよね?」

「・・・知らない」


千鶴は後ろにいる夫、龍に声を掛けた。言葉はそっけないが、龍も心配してるのが分かる。


「翔太に話したら?」

「いやっ・・・それは・・・」


爽子はとにかく探してからと頭をぷるぷると振った。さすがに話すわけにはいかない。

しかも明日は結婚記念日だというのに。

とりあえず昨日関わったことのある人たちのところを回ることにした。


「・・・それじゃ、今度あやねちゃんのところに行ってみるね」

「連絡してみたの?」

「それが・・・思い立ってすぐに店に直接行ったの・・・。気がすっかり動転してしま

 っていて、携帯を持ってきていないことに気がついたの・・・」


がぁ〜〜〜んっという表情で爽子が言うと、千鶴が励ますように明るい顔をした。


「私が連絡してあげるよ。他の奴らにもね。まかせてっ!」

「う、うん。ありがとう〜〜〜」


爽子はうるうるとすでに涙で目が潤み始めた。


チャラッ〜チャラッ〜♪


ところが・・・・。


「出ないわ。今仕事中か・・・。メールをとりあえず入れとくね」

「ありがとう。今から直接あやねちゃんの会社に行ってみる」

「う〜〜!私も探したいけど・・・・」

「ううん、そんなの無理だよ。赤ちゃんがいるのに。それじゃ・・・何かあったら知らせて

 もらっていいかな?あっ・・・それと」


爽子はそこまで言うと、申し訳なさそうに言った。


「こんなこと頼むのは忍びないのですが・・・・。翔太くんにはこのことを黙っていてもら

 えるかな」

「え?アイツに。そんなこと気にすることないよっ!」

「うん・・・でも自分が許せなくて・・・」

「そっか・・・だろな。爽子は。分かったよ」


千鶴はそう言って苦笑いすると、心配そうに爽子を見送った。


爽子は今にも大声で泣き出したい気持ちをぐっと抑えた。自分の責任なのだから

自分が何とかするしかないのだ。


爽子はあやねの元へと走っていった。





<つづく>




「あとの祭り?〜After curnival〜」(3)




あとがき↓

指輪を持っている人がいたらすぐ連絡くるだろうとツッこまないで下さいませ(笑)
それではまた続きを見に来てください〜〜〜♪