「あとの祭り?〜After curnival〜」(1)

ギャグありホットありのごちゃまぜな話。そんな長くないです(と思います)


* 明日は翔太と爽子の一周年の結婚記念日だった。二人はその日をとっても楽しみ
  にしていた。しかし・・・とんでもない事件が爽子に起こってしまう!!


以下からどうぞ↓


















* * * * *


(ど・・・どうしよう。)


爽子は部屋に正座しながら、手に汗を握っていた。


明日は結婚して1年目の結婚記念日。この日のプランは翔太にまかせて欲しいと言われ

爽子は期待に胸を膨らませていた。お互いがとても大切に思っていた日。毎日が夢のよ

うな生活。翔太くんと一緒にいられるだけで幸せなのに、翔太くんはいつも私を喜ばせて

くれる。そんな夢のような毎日が過ぎ、あっという間の一年だった。

そして、明日をとっても楽しみにしていたのに・・・・。


どうしてこんなことが起こったのか!?


(・・・・どうしよう)


爽子は眉を寄せ、化石のように固まっていた。そして、真っ白になった頭を振り絞るよう

に、昨日の記憶を辿った。

昨日は、高校のクラス会だった。久々に友人達に会え、はしゃいでしまった。

そう、はしゃいでしまい、翔太くんに心配されながら苦手なお酒もちょっと嗜んでしまった。

でも・・・記憶はあるのに。どうしてこんなことになってしまったのだろう。


爽子はぎゅっと目を瞑ると決心したように、すくっと立ち上がる。

その時爽子は、”あのこと”しか頭になかった。


「よしっ!!」


パンッと気合を入れるように自分のほっぺを叩くと、慌ててコートを羽織り、バタバタと

家を出て行った。

そのことが彼女にベタぼれの男を翻弄さすことになるとは知らずに・・・・。



* * * *



「ただいま〜〜♪」


がちゃっ


明日は休みを取っている翔太は仕事を終え、意気揚々とドアを開けた。


「爽子、帰ったよ・・・・爽?」


いつもと違う雰囲気にドクンッと心臓が大きく揺れた。元気

な声が段々と弱弱しくなる。

何が違うのか・・・。そう、いつも自分が帰ってくると必ず玄関に迎えてくれるかわいい

笑顔がないのだ。


「え・・・・?」


部屋の中はがら〜〜んとしていて、電気もついていなかった。


「爽・・・子?」


あちらこちらと部屋を覗いてみる。


「・・・爽子?」


しかし、どの部屋にもいない。翔太は捨て犬のように情けない顔をしているのに気づか

なかった。ソファーにゆっくりと腰掛けて冷静になってみる。しかし心臓の音は正直だ。


ドクン、ドクン


(・・・落ちつけ。何があったわけじゃないんだっ)


そして、翔太は現実に戻ったように、はっとすると、さっと立ち上がり、電話台に慌て

て走っていった。



* * *



『あらぁ〜千鶴ちゃんの家とかに遊びに行ったんじゃないの〜〜?翔太くんたら・・・

 もう結婚して1年なんだから家くらいたまには空けるわよ。うふっ』

「はぁ・・・」


チンッ


翔太は爽子ママのあっけらかんとした電話を切ると小さなため息をついた。爽子は何も

言わずに家を空けたことなんか今まで一回もなかったのだ。


「・・・そうだよ。まだ7時じゃん。それに・・・そうだっ!!携帯」


翔太は何より便利な手段がすっかりぶっ飛んでいて、爽子の実家に電話してしまった

ことに羞恥心と携帯を思い出したことで妙な安堵感を覚えた。


Plululu♪


「・・・ん?」

「あれ?」


そこに聞こえるのは翔太の携帯音じゃなかった。そう。それは自分が今かけた爽子の

携帯の音だった。


「・・・・マジ?」


その音の方へ引き寄せられるように向かうと、ダイニングテーブルの上に、爽子の携帯が・・・。

翔太の中で小さく保っていた安堵感がしゅるしゅる〜〜〜と消えていくように感じた。

みるみる青ざめていく翔太。


「爽子・・・!」


拳を握り締めた翔太は、もういても立ってもいられず、家をすごい勢いで出て行った。





<つづく>




「あとの祭り?〜After curnival〜」 (2) へ





あとがき↓

ちょっとギャグ系かも。爽子の家出が書きたかっただけなんだけど、こんな風になって
しまいました(汗)よくあるお話ですみません。他サイト様とかぶっているかもしれま
せん。でも私なりに書きますのでよければ最後まで見てくださいね。