「あとの祭り?〜After curnival〜」(3)


ギャグありホットありのごちゃまぜな話。そんな長くないです(と思います)


* 結婚記念日の前の日、爽子が急にいなくなった。実は結婚指輪を失くしたのだった。

  それを探しにあやねのところに行った爽子だが・・・?くるみも出てきます。

  「あとの祭り?〜After curnival〜」 (1) (2) の続きです。



以下からどうぞ↓



















「爽子―!!」


あやねは驚いた表情で会社の前で待っていた爽子に声を上げた。


「よかった!!」

「え??」


あやねは爽子を見つけると小走りに走り寄ってきた。


「待ってたよ。」

「ちづちゃんの連絡見てくれたんだね・・・急にごめんねっ」


爽子は申し訳なさそにあやねに謝った。

そんな爽子に優しく微笑むとあやねは近くの喫茶店に爽子を誘った。


「それで・・・・こういうわけで・・・」

「ったく、寒いのにわざわざ皆のところ駆け回ってたら風邪引くよ〜〜」

「そんな・・・私のしたことなので」


あまりの爽子の落ち込みにあやねは苦笑いしながら小さなため息をついた。


「あ〜あ・・・爽子にも黙っておこうかと思ったけど、やっぱ爽子にそんな顔をさせる

 のは無理だわ」

「・・・え?」


あやねはびっくりしたような表情を浮かべている爽子をじっと見つめると、小悪魔のよ

うに笑った。


「・・・実はさぁ、爽子」

「―え??」


爽子はあやねの口から次に出た言葉に目が点になった。



* * * *



さて、その頃翔太は――


街中で真っ青な顔をして突っ立っていた。


知り合いには全部電話をかけた。しかし爽子は見つからなかった。

いてもたってもいられなかった翔太は爽子が行きそうな場所を手当たり次第探した。


「もう・・・8時」


翔太の顔から血の気が引いていく。マイナス方向へ思考が進んできたからだ。


「今日の仕事帰りに何かあった・・・?事故とか・・・?」


翔太は急いで警察に向かった。



* * *



先ほどから引き下がらない翔太に警察官は半ば呆れながら、うっとおしい顔をして

言った。


「・・・まぁ、探しておきますよ」

「まぁって?まぁって何ですか?もっと本腰入れてくださいよ。もしかして事故とか

 に遭遇しているかもしれないんですよ」


翔太は警察の対応に怒り心頭していた。ぷるぷると震える拳。


「あのね・・・1日帰って来なかったわけでもないんですよね?この周辺で大きな事故

 は聞いてないし、捜索願なんてもっと深刻なものが山ほどあるんですよ」

「もっと深刻って、こちらも深刻ですよっ!!」

「とにかく、捜索願を出しておきますので、お引取りください」


ポイッ


翔太は犬のように外に出されてしまった。


「・・・・なんて奴だ。国家の仕事なのに・・・」


翔太は悔しさを全身で表しながら歩いていた。もう警察なんて頼らない。自分で探すの

が一番だ。さっき、あやねに電話した時に言われた爽子がお気に入りの商店街があると

言っていたので、そこが心当たりのある最後だった。翔太は急ぎ足にその商店街の店へ

向かった。


その辺りを必死になって捜し歩いている翔太の背後に人影が一つ。



「・・・・風早?」

「?」


後ろから聞こえた自分の名前を呼ぶ声に反応するように後ろを向く。すると、そこには

栗色の長い髪を揺らした愛らしい女性が立っていた。


「胡桃沢・・・?」

「やっぱり風早!びっくりしたぁ〜〜〜」


久々に会った、クラスメイトに翔太は驚いたように目を見開いた。


「久しぶり!どうしたの?」

「いや・・・」


相変わらず女の子らしい笑顔は健在だ。翔太は懐かしんでゆっくりと話している余裕

なんて今はなかった。


「ごめん・・・今、爽子を探してて・・・」

「え〜〜〜〜?爽子ちゃん?いなくなっちゃったの?」


くるみは大きな目をくるっとさせて大きな声を上げた。


「今まで何も言わずに家を空けることなかったから・・・」


落ち込んでいる翔太にくるみはにこっと微笑む。そして、影でほくそ笑んだ。


「もしかして・・・家出かもね」

「え!!」


翔太はくるみの言葉に大きく身体を仰け反らせた。


「風早〜〜〜何かしたんじゃないのぉ」

「・・・・・・」

「独占しすぎたとか・・・?」

「・・・・・・」


くるみの言葉に翔太の顔がみるみる青ざめていく。くるみは翔太の姿に笑いを必死で堪えた。


(やばい・・・・べたべたしすぎたかも・・・。爽子が側にいると我慢できなくて・・・)


「とにかく私も何か情報があったらすぐに連絡するね」

「あ・・・ああ。ありがとう」


くるみはかわいらしく手を振ってすっかり肩が下がった風早の背中を見送った。







<つづく>



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あとがき↓

このしょうもない話によければ最後までお付き合いくださいませ〜〜〜!