「Squall」 中編


爽×風×ケントの話です。ちょっとキャラ違うかも。高二設定です。前編後編に
分けます。(・・・のつもりが3つに分けます。いつもてきとーですみません)


* 爽子を待たせていた教室で風早が見た光景とは・・・・??


これは 「Squall」 前編 の続きです。

以下からどうぞ↓
















「squall」(スコール)2







「・・・何してんの?」


風早は完全に目が据わっていた。普段の風早からは想像出来ないほど、爽やかさのかけらも

ないほど、闘争心がむき出しの顔をしていた。


「・・・・・。貞子ちゃん、寝てたから」

「・・・・・。」


健人は風早を見ていた目を逸らして言った。それはいつもの軽い様子の健人ではなかった。


「寝ている彼女を見ていたら・・・・思わずたまらなくなって・・・」

「・・・ったまらなくなったらキスするのかよっ!!」


ぐいっ

ドスンッ


風早は気がついたら健人の胸倉を掴んで殴っていた。後ろに倒れた健人は信じられないと

いう表情で頬を手で押さえながら風早を見つめた。


俺はこの時、完全に理性が吹っ飛んでいたと思う。


そう・・・風早が教室で見た光景とは、うたた寝していた爽子の唇にキスをしていた

健人の姿だった。


「・・・くっ」


健人は唇を手で拭って、血が出ていることを確認すると、キッと風早を睨んで勢いよく

立ち上がった。


「お前さ・・・!貞子ちゃんが彼女になったからって、貞子ちゃんは全部、お前のもの

 じゃね〜んだよっ!」


バシッ―――ッ


健人もお返しとばかりに風早を殴った。


「だからって、お前が彼女に触れる権利はないだろっ!!」


バシッ―――ッ


「お前だけが貞子ちゃんを見つけたと思ったら大間違いなんだよっ!俺だって、彼女を

 最初から分かってたんだよ〜っ。ばかやろっ!」


バシッ―――ッ


はぁはぁはぁ――っ


二人はしばらく殴り合った後、仰向けに倒れた。大の男が二人、大の字になって青空の

下、激しい呼吸をしている。


「―はぁ、はぁっ・・・なんでこんな年で青春ドラマみたいなことしなきゃなん

 ね〜んだよっ・・・・」


健人は両腕で顔を隠しながら、息を荒くして言った。


「はぁはぁ・・・もう二度と黒沼に触れるな。そうじゃないと俺・・・どうなる

 か分からない」


風早は爽子に出会ってから初めて発見する自分自身に驚くことが多かった。

こんなに独占欲の塊で、短気で、自己中で・・・・そして、言葉で言い表せないほど、

彼女が好きだということ・・・。その気持ちがどんどん膨れ上がっている。自分だけ

のものにしたいと、狂おしいほど願ってしまう貪欲な心。


時々・・・・自分でも止められない感情に怖くなるんだ。


「お前・・・・自滅すんなよな〜」

「三浦が何もしなけりゃな」

「・・・・。もうしないよ。こんな思い・・・二度とごめんだ」


そう言って健人はせつない目をすると、ふらっと立ち上がり、その場を去ろうとした。

その後ろ姿をしばらく見つめていた風早は、静かに凄みのある声で言った。


「絶対・・・・譲れないから」


健人は表情を見られないように、振り向かずに答えた。


「・・・ってるよ。最初から。・・・悪かった」


それだけ言うと、健人は後ろ姿のまま手だけ振って、去って行った。

その場に残された風早は、身体を起こすと膝を抱え込んだ。そしてぼーっと一点を見つめる。


「・・・・あいつ」


自分以外の男が彼女に触れたことがこんなにつらいなんて思わなかった。

そして思った以上に健人が爽子のことを好きだと実感したのだ。


「・・・・・っ」


風早は再び空を見上げる。空はいつも以上に青く感じた。曇りのない空。

それは今の自分の心と正反対すぎて、思わず苦笑いする。そして、また表情を曇らせた。


「・・・くそっ!」


風早は脳裏から離れない光景を必死で頭から追い払おうと頭をぶるぶると振った。




<つづく>









あとがき↓

また引き伸ばしてすんません。(いつもながら・・・)さて、風早はケントが爽子にキスする
ところを見てしまったんですね〜。はいっ!ギラギラ風早を書きたかっただけなんですっ!
というか、男同士の戦いを妄想したのです。「ケンカを止めて〜♪」的な。でもまず、風早は
殴ったりしないだろうけど(笑) 最後は爽子によって癒される風早くんです。ふふっ。


※やっぱり、あまりにも字が見にくいのでまたテンプレートを変えてみました。
 なんか、書いていてストレスたまったので・・・・(汗)いいのがないなぁ〜このブログ。
 ころころ変わってすみません!!ほんと私って・・・っそれではまた遊びに来てください。