「あとの祭り?〜After curnival〜」(4)


ギャグありホットありのごちゃまぜな話。そんな長くないです(と思います)


* 結婚記念日の前の日、爽子が急にいなくなった。実は結婚指輪を失くしたのだった。

  必死で捜す風早はくるみと会って、「爽子が家出したのではないか?」と言われ焦るが!?

  「あとの祭り?〜After curnival〜」 (1) (2) (3) の続きです。



以下からどうぞ↓

















チャラチャラ〜〜〜ッ♪


「―はい。あっあやねちゃん?」


くるみは携帯をカバンから取り出しボタンを押すと、にっこりと微笑んで言った。


「やっぱり居たわよ。うふふっ上手くいったと思うわ。あんな落ち込んだ風早見た

 ことないもん。うん、うん。分かった。じゃっね」


ピッ


「うっふっふ」

「あやねちゃん?誰かに電話?」

「あ〜〜ううん、ふふっ爽子、今日も懐かしい人に会えるかもよ」

「・・・え?」


爽子はにやにや笑っているあやねを不思議そうにしていた。そして、正座をしている

膝の上に置いた手をぎゅっと握りしめた。


「貞子ちゃんさ〜〜〜そんなかしこまらないでっ!!さっこれ飲んで」


すると後ろから健人が温かいコーヒー持ってきて、爽子に渡した。


「あ・・・ありがとう。師匠」

「さっ一口飲んで!身体温まるから。ほらっあやねも」

「サンキュ〜」


3人はにっこりと微笑み合った。


そう、ここは三浦健人の家だった。仕事を終えて自宅に戻ったという連絡を受け、あやね

と爽子は健人の家に向かった。


「それから・・・早く出して欲しいよね?」

「あ・・・・」


健人は爽子にニコッと微笑むと、かばんから丁寧に布に包まれた物を取り出した。そして、

手のひらをぱっと開き、爽子の前に差し出した。

爽子はそれを見ると言葉を失い、うるうると目を潤ませた。


「あ・・りがとう。師匠・・・本当に」


爽子の心を今日ずっと悩ませていたもの・・・・。それは結婚指輪。その指輪がまさに

健人の手のひらの中にあった。あやねから健人が持っていると聞いて、すぐに二人で

健人の家を訪ねることになったのだ。


「ほんと驚いたよ〜〜〜まさか俺のかばんの中にこんなものが入ってるなんてさ」

「ほんとよね〜。昨日隣だったから知らない間に抜けちゃって入ってたんだね。だって

 さ・・・昨日から気になってたんだけど、爽子痩せたよね?」

「う・・・ん。実は」


実は指輪がゆるくなっていたのだ。それでもまさか指から抜ける思っていなかった爽子

は、こんな事件が起こるとは考えもしなかったのだ。


「でも・・・本当に・・ありがとう。」


涙でいっぱいになっている爽子にあやねはからかうような顔で言った。


「もしかして風早に痩せた原因があるんじゃないのぉ〜〜〜」

「そ、そんなことあるわけないよ!!」


爽子は驚いた表情で大きく否定すると今度は健人がにやにやして言った。


「アイツ、貞子ちゃんのこと離さないからねぇ〜」

「違うっ・・・違うよ!!」


そこまで言うと、爽子の大きな目から大粒の涙がこぼれた。


「本当に仕事が忙しかっただけで・・・・」

「あはは〜〜〜分かった分かった。冗談だってば。爽子を苛めるのはつらいわ。」

「だねっ」


健人とあやねは優しく微笑むとあやねは爽子の頭をなでた。


「結局、二人とも片思いっぽいよね〜まだ継続してるっつーか。高校ん時から」

「ほんと、いつまで高校生日記やってるんだか」


あはは〜〜〜〜〜っ


二人のあっけらかんとした様子を爽子は不思議そうに見ていた。


「でも、本当に良かったね。指輪があって」

「うん・・・ありがとう。」


爽子は指輪を握りしめると、目を瞑り再び一滴の涙を落とした。


「やっと・・・翔太くんに堂々と会える・・・。あっ!!」


爽子はハッと思い出したように閉じていた目を見開いた。


「ふふっやっと気がついたんだ。爽子」

「え?」

「風早置き去りなんだって?」

「アイツ、爽子が家出したと思ってるかもね」

「え?えええええええええっ!!」


爽子は慌てて腕時計を確認した。時刻は21時になっていた。たら〜〜んと真っ青に

なった爽子は、指輪のことしか考えてなかったことに気づいた。そして、翔太側の大きな

問題にやっとたどり着いたのであった。





<つづく>




「あとの祭り?〜After curnival〜」 (5) へ





あとがき↓

このお話はみんな仲良し〜〜って感じで書いてます。高校の時の仲間って結構続きますよね。
それではまた〜〜多分明日。よければ続きを見に来てください。