「手当」

かなりショートなお話です。あほか〜〜風早って感じ。すんません
では以下からどうぞ↓



















「おっ黒沼じゃねーか」


花壇で水遣りをしている爽子に、担任ピンが声を掛けた。


「あ・・・荒井先生」

「旦那、どこ行ったか知ってるか?」

「だ・・・?誰ですか?」

「あ〜そうだな。お前には伝わんねーか。翔太」

「えと・・・教室に居ると思います」

「ふんっ。今日も一緒に帰るのか。相変わらずストロベリーだな」


ピンは呆れたように言った。その時だった、


「あ!」 「あ!」


「うわぁ〜〜〜〜〜〜!!」



****************



風早は、なかなか戻ってこない爽子を心配して、花壇まで見に行った。


「あれ?いない」


周囲を見渡して、近くにクラスメイトがいたので、聞いてみる。


「あ〜貞子ならピンと保健室に入って行くのを見たよ」


(え!!なんで?)


風早は慌てて、保健室に走った。


ガラッ


勢いよく、保健室のドアを開けると目に飛び込んだのは!


「−何してんだよっ!!」


風早は、ベッドに横たわっているピンに覆いかぶさるように爽子が密着

している姿を見て、全身がカッとなった。そして、ピンの身体を押した。


「おっ翔太。何だよ!」

「か、風早くん!」


じぃ〜〜〜〜〜っとピンは翔太を見つめて言った。


「何だお前。妬いてんのか?」

「なっ///////」

「がはははは〜〜〜!小せーなぁ〜お前!がははっ」

「くっ〜〜〜〜〜!」


風早は、お腹を抱えて笑っているピンに腹わたが煮えくりかえっていた。

そして、その様子をはらはらして見ている爽子を自分の方にぐいっと引っ張った。


「ご、ごめんなさい〜っ連絡もせずに!」

「いや、それはいいんだけど、何で二人でいんの?」


俺が、怒ってると思った黒沼は必死で今の状況を説明してくれた。

どうも、黒沼が花壇に水を遣っている時にピンが通りかかって、地面に

あったビニール袋に足を滑らせてピンが転んだと。

それに責任を感じた黒沼が付き添ってると。


「ピンがどんくさいだけじゃんっ」


そう言って、風早は頬をぷっと膨らませた。


「なんだよ。お前も手当てしてもらいたかったのか?がはは〜〜っ」


(ム、ムカツク〜〜〜!)


「黒沼、こんな奴に責任を感じなくていいから。行こっ!」

「ほ〜〜っお前そんなこと言っていいのか。黒沼に言えない話し・・・」

「わぁ〜〜〜〜っ!」


(くそ〜〜〜〜〜っ!)


「そう言うわけで、黒沼、最後まで手当してくれるか?お前上手いもんな」

「はい!させて下さい」

「俺、やる!」


と、包帯や薬を奪った風早だったが、上手くできず結局爽子がすることに

なって、その様子を側でやきもきしながら見るしかなかったのであった。



***************



「はぁ〜〜〜〜っ」

「ごめんなさい〜〜。お待たせして」


帰り道、ため息をつく風早に爽子は申し訳なさそうにぺこぺこ頭を下げた。


「あ・・・違うんだ!」

「え?」

「気にしないで・・・ああっ」


そう言って、頭を抱えている風早。そんな風早を爽子はそっと覗きこんだ。


「うわっ!//////何?」

「あ、あの・・・・」


爽子は言いにくそうに頬を赤くして、両頬を手で覆って言った。


「な、何でもないです////」

「黒沼?」


そう言って、翔太は爽子の肩を抱き、こちらに向かせた。


「ちゃんと言って。黒沼が考えていること知りたいんだ」

「あ・・・あの、嫌わないでね」

「嫌わないよ!!」


爽子は恥ずかしそうに、もじもじしながら言った。


「いつか・・・風早くんの手当てもしてみたいなって!ご、ごめんなさいっ!

 下心ばっかりの私で!!」


「・・・・・・」


「か、風早くん!?」


いきなり爽子の視界から下に消えてしまった風早は、ゆっくり立ち上がって

俯いたまま一本指を爽子の前に差し出した。その顔は真っ赤だった。


「これ・・・今日壁ですった」

「?」


その傷は目を近づけないと分からない程だった。が、必死でそう言う風早

に爽子は嬉しくなって、カバンからクマの柄のバンドエイドを取りだした。


「こ、これ・・・恥ずかしいかな?」

「/////////」



次の日、クラスメイトや担任教師に人差し指を嬉しそうにからかわれる風早

の姿を呆れて見ていた、ちづ&あやねでした。




<END>








あとがき↓

あほ風早でした。きっと指を触られてどきどきしながらバンソコーを貼って
もらっていたことでしょう。さて、明日はUPできませんが、あさってなん
かまた載せますね。いつもありがとうございます。

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