「Half moon」(36)

社会人の二人の物語。オリキャラ祭り。オリキャラ紹介⇒(1)をご覧ください。
長い爽子の夏休み中、風早のアパートで過ごす二人。そこでは終始ウブコントが
繰り広げられていた!?
こちらはHalf moon         10 11 12 13 14 15 16 17  18  19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29  30 31  32 33 34 35 の続きです。
それではどうぞ↓
















毎日、二人でいられる幸せ。一緒に生活しながら風早と爽子は何気ない場面々に

幸せを感じていた。そして新婚もどき生活のため、ウブコントも健在であった!


「爽子?」


部屋から気配を消した爽子を心配して風早が探しに行くと、洗濯機の前で真っ赤になって

いる爽子の姿があった。


「ど、どした?」

「・・・////////」

「え?」


爽子の慌てぶりに風早は近寄って洗濯機を覗くと・・・・・!?


「あっ!!ごめっ/////」


自分の下着を見つけて真っ赤になっていることが分かった風早はぱっと洗濯機から下着を

取り出して、後ろに隠した。


「ご・・・ごめんなさい〜〜〜〜!!」

「い、いや//////」


そう言いながら風早はふっとある疑問を思い浮かべた。


「そう言えば・・・あの、そのさ・・・爽子のし、下着どこ干してるの?////」

「あっ/////そのっ・・・だ、大丈夫!!」

「えっ・・・でもさ・・・困るだろ?干してある部屋見ないようにするからちゃんと干して

 って・・・そんなに部屋ないんだけどさ」

「だ、大丈夫なので!!」


そう言うと、爽子はさらに真っ赤になってタッタタ〜〜〜と部屋から出て行ってしまった。

その後ろ姿を見て、風早は髪をくしゃっとして赤くなって俯いた。


「・・・・それって反則だってば/////」


風早のアパートの一角ではこのようなぎこちない甘い空気が終始流れていたのであった。

正直、爽子にとっても風早にとってもこれだけ長く一緒に生活したのは初めてだった。色々

な場面で、恥ずかしそうにしている爽子を見て、風早も赤くなるというウブコントを繰り返

していた。



* * * * *



二人でいるとあっという間に時間が過ぎる。一人で戦っている毎日とは真逆の生活に風早は

幸せと不安を感じずにいられなかった。だからこそ、一緒にいたい。一分一秒・・・・・。


この日も、散歩したり、買い物をしたりとしているうちに夕方になっていた。


毎日、嬉しそうに食事を作ってくれる爽子の後ろ姿をぼーっと眺める。風早はテレビより

どうしても爽子に視線がいき、目が離せなかった。


「風早くん・・・!?」


振り向いた爽子は風早がこちらを向いていることに気付いてぎょっとした表情をした。


「あわわっ!!どうしたかな?」

「いや。ん?何?」


風早は目を逸らす様子もなくにっこりして答えた。


「あ、あの、ゴーヤは食べられるかな?」

「うん、大好き♪」

「良かった・・」


爽子は嬉しそうに微笑んだ。風早は爽子を見ながら、幸せのため息を漏らした。

後、何日かしたら爽子はここからいなくなる。こんな生活をしていて元の生活に戻れる

んだろうか。今からリハビリした方がいいんだろうか・・・。


「何か手伝えることある?」

「大丈夫!!ゆっくりしていて下さい」

「ん・・・・」


風早は一緒にいる時間が長くなればなるほど辛くなることが分かっていた。こんなささやかな

会話の中に幸せが溢れだす。幸せを感じれば感じるほど・・・・・・。

風早は胸をぎゅっと押さえた。


「お待たせしました・・・・」


だけど今は・・・・この瞬間だけは・・・彼女に浸りたい。幸せを噛みしめたいんだ。

風早は遠目にぱたぱたと働いている爽子の姿を見つめて優しい笑みを浮かべた。



「うわぁ〜〜〜〜相変わらず美味しそう!!いっただきま〜〜す!」

「うまっ!!」

「・・・よかった」


爽子はいつも目を輝かせて、美味しそうな表情でぱくぱく食べる風早を見て、嬉しそうに

微笑んだ。


「明日と明後日・・・ごめんな、仕事出ないといけなくて・・・」

「そんなの仕方ないよ!仕事だから」


爽子が拳を握りしめ必死でそう言うと、風早は切なそうに苦笑いした。


「・・・そうなんだよな。上手く休みを合わせたのに。やっぱり外せない日があってさ」


あまりにもしょんぼりしている風早に爽子はそっとビールを注いだ。


「ど・・どうぞ」

「あっありがと//////」


二人は目を合わせてお互い照れて俯いた。そんな些細な場面でさえ新鮮に感じてしまう。


「な、何する?その日」

「街を歩いていろいろなお店とか行きたいなと思って・・・」

「そっか。爽子の好きそうな店いっぱいあるよ。それじゃ、地図用意しとくね」

「ありがとう。後、仙台支社に挨拶に行こうかと・・・・」

「え!?」


なぜか固まっている風早に爽子は逆にえ?と目を見開いた。


「田口くんが働いてるのを見て来てって部署の人から言われてるし、後、いつも電話で

 しかお話していない取引先の方に挨拶を・・・・アレ?風早くん?」

「あっ・・・いや、そうなんだ!ははっ」

「??」


(田口・・・・と会うんだ)


「その日、夕食は一緒に食べれるかな?お仕事は遅いかな・・」

「―え!?」


風早は爽子の言葉にぱっと顔を上げた。てっきり会社の人達と食事などに行くと思っていた

風早は思いっきり嬉しそうな顔で言った。


「もちろん!!(ってか何があっても早く終わらすしさ)」

「それじゃ・・・またなんか作っておくね」

「マジ??やった〜〜〜!!」


そんな風早の姿を見て、爽子は嬉しそうに頬を染めた。


”爽子を信じよう。自分を信じよう。”風早は自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。










あとがき↓

ウブコントは書いていて一番楽しすぎる。風早は絶対相手に強要とかしない人だと思うので
爽子のことを管理はしないですよね。だからこそ苦しんでいくのかなっと。勝手な解釈。
「ついてこい!」タイプじゃないですよね。だけど思いのまま行動するというか。そこは
ストレートな性格かなっと。だからやっぱ肉食だと思うのですが。草食じゃないと思う。
それではまた遊びに来て下さ〜〜〜い♪

Half moon 37