結婚ウブコントシリーズ 「ライバルは息子?」2


久々の結婚シリーズです。急に書いてみたくなりました。以前に書いた子どもの

名前は適当に考えただけだったのですが、そのままとりあえず使ってみました。

結婚して7年ぐらいの爽子×風早です。それでは以下からどうぞ↓












* * * * * *


息子のこーたは小学1年生になる。明るく元気に育ってくれた。息子はかわいい。

大好きな妻との間にかわいい子供までできて幸せな毎日だった。

たった一つの悩みを除いては・・・・。


「ママ!これ」

「え?何、こーたくん」


こーたは小学校から帰って来て、そっと道端に咲いていた花を爽子に差し出す。


「うわ〜〜〜っありがとう」


毎回恒例になっている花のプレゼントだが、その度に喜んでくれる母にこーた

は嬉しくて、くしゃくしゃな顔で笑った。



************


会社から帰ってきた翔太は、お風呂に入った後、リビングのソファーにどかっと

座った。そして、側の棚を見つめる。


(またあいつ、違う花を持ってきてる・・・)


テレビに夢中になっている息子を横目に台所で夕食の準備をしている爽子の元へ行く。


「きゃっ」


翔太がそっと爽子の腰に手を回すと、爽子は思いっきりびっくりしたような声を

出して、真っ赤になって振り向いた。


「し、翔太くん、危ないよ〜包丁使ってるのに」

「ごめん」


翔太は謝りながらも、手を離さずさらにぎゅっと抱きしめて爽子の肩に首を置いた。


「ねぇ、あいつマメだよね」

「え?何が」

「花。毎日だもんな。俺、負けそ」


拗ねたように言う翔太に爽子はくすっと笑った。


「翔太くんもよくお花をくれるじゃない。いつもすっごく嬉しいよ」

「爽子・・・・」


爽子に触れるといつも止められなくなる。翔太はそっと頬にキスを落として、手は

柔らかい身体をなでていく。


「ちょっ、翔太くん・・・ダメだよっ/////」

「う〜〜〜んっちょっとだけ。あいつテレビに夢中だし」

「だ、だめ!」

「だって、爽子かわいいんだもん」

「//////」

「「!!」」


その時、じ〜〜〜〜〜〜〜〜っと鋭い視線を感じた。


「あっ、こーたくん!お腹空いたよねっえ?翔太くん!?」


息子に見られていても離れない翔太に爽子がぎょっとすると、

こーたは、そんな翔太を睨みまくっていた。


「何?こーた」


翔太はにやっと意地悪そうに笑って、それでも爽子から離れない。


「ママが嫌って言ってる」


今にも泣きそうな息子に翔太は追い打ちを掛けるように言った。


「こーた。ママはダメと言っても嬉しいんだよ。こうされると」


そう言って翔太は爽子の身体全体を抱きしめ、頬にちゅっとキスをした。


「し、翔太くん!!/////」


こーたはキッと翔太を睨んだ後、目をごしごしとして、パタパタと2Fに上がって行った。


「翔太くん!」

「ごめん・・・ちょっとやりすぎた?」


今度は反省したようにしょぼんとした顔で爽子を見るから、爽子は一つため息をついて

くすっと笑った。


「もうっ・・・翔太くんたら・・んっ」


翔太は、今まで我慢していたのが弾けるように、爽子の唇を奪った。そしてどんどん

口内を掻きまわし、舌を絡ましていく。


「んっ・・・だめっ!!」


爽子に引き離され、翔太は熱くなった身体を必死で押さえた。


「ごめんっ・・・やばっ止まんね/////」

「翔太くん、御夕飯の支度があるのでっ」

「ん・・・わかった。じゃ続きは夜の約束だよ」

「///////」


(ふぅ〜〜〜っ)


爽子はちょっと悩んでいた。水面下に感じる、息子と夫の毎日のバトルに・・・。


**************


「え??」


翔太は寝室に入ると、ベッドの上の光景に目をまん丸くさせた。

小学1年生になり、息子に部屋を与えた。一人で寝て欲しいのだが、まだ母親が

恋しくて爽子は毎日添い寝をしている。いつもは10分ぐらいで下に降りてくる

爽子が来ないので、子ども部屋を見に行くと息子はおらず、夫婦の寝室をちらっと

覗くと、爽子に抱きつくように自分達のベッドで寝ているこ―たがいた。


「え・・・なんで??」

「あっ・・・翔太くん、ごめんなさい。こーたくんが珍しく離れなくて・・・」


爽子が必死で引き剥がそうとしても、眠っているはずのこーたは全く離れる気配

がなかった。


「でも、なんでこのベッドに?」

「今日はここで寝たいって、譲らなくて」

「・・・・・」


爽子は決して甘い親ではなくケジメはしっかりつける方である。その爽子が許した

という事は、ただのわがままではないと察したようだ。きっと彼が傷ついていると

感じたからだろう。


翔太は今日の出来事を思い浮かべる。夕食前のことに気付いて、あっと声を上げた。


(ちょっと意地悪しすぎたかな・・・でも困るっ!!)


翔太は、こーたを引き離しにかかった。しかし、こーたの力もすごく、ぎゅっと

爽子に抱きついて離れない。そのうち眠りから覚めてしまったこーたは、わんわん

と泣き出して、さらに爽子から離れなくなった。


「ちょっと・・・今日は無理みたい」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」


翔太は悔しい気持ちをぐっとこらえながら、その日は川の字で寝ることにした。

しかし・・・・それが1日で終わらなかったのであった。


3日後―――


ついに翔太は爆発した。


「もう我慢できない!!〜〜〜」


寝室のベッドを前に翔太は真っ赤になって爆発した。


「ほらっこーた、お前の部屋は向こうだろ。」


そう言って、力づくで爽子から引き離した。いやいやと言いながらわんわん泣く

息子にもう騙されない。そう言いながらも爽子の胸に顔を刷りつけるのが許せない。


「翔太のばかぁ〜〜〜〜キライ〜〜!!」

「ばかで結構!」


さすがにこーたも翔太の力にはかなわない。軽く抱っこされて部屋に連れて行かれた。


「ママと寝たいんだよぉ〜〜〜!!いいじゃん、パパはいつもママと寝てるんだから」

「それはね、当たり前なんだよ。パパはママを愛してるんだから」


こ―たを布団に入れ、泣きじゃくる息子に翔太は優しく言った。


「パパはね・・・ママを抱っこして寝ないと死んじゃうんだ」

「え?死んじゃうの・・・・・??」


こーたは翔太の言葉に急に真剣な顔になった。


「うん。だからママと二人で寝かせて」


こーたはしばらく考えた後、翔太を見上げて言った。


「・・・・。うん。じゃ、ママを困らせないって約束してくれる?」

「え?困らす?」

「うん・・・だって知ってるもん。時々ママの声がお部屋から聞こえるもん。ママが

 ”いや”って言ってるもん」

「///////」


翔太は夜の情事を思い浮かべて真っ赤になった。夜だけじゃないかも。爽子と居れば、

ところ構わず欲情している自分自身を恥じた。


「わ、わかった。なるべくそうする////(できないだろうけど)ママが嫌がることは

 しないようにするね」

「約束だよ!!男の」

「う、うん」


翔太が頷くと、こ―たは安心したように今まで睡魔と闘っていた目がすーっと閉じられた。

翔太は優しくその寝顔を見つめて、髪をなでた。



************



「大丈夫だった?ごめんね、翔太くん」


寝室で、引き離せなかった自分自身を恥じて、爽子が申し訳なさそうに言った。


「うん。大丈夫だよ・・・って!??」


改めてベッドの上の爽子を直視して、翔太は大きく目を見開いた。


「あっや、やっぱり恥ずかしいかな・・・・//////」

「・・・・・・」


思わず無言になる翔太に爽子は顔を真っ赤にした。


「さ、爽子・・・それ?/////」

「あっ・・えと、最近こーたくんに構ってばっかりだったから・・・・こんなの

 目を汚すだけだよね、き、着替えますっ!!」

「あ"〜〜〜〜〜〜っ!!ダメっ!」


必死で翔太が止めるのを爽子はきょとんとした目で見つめた。


そこにはピンクのスケスケのキャミソール姿で恥ずかしそうに座っている爽子がいた。


(こ、こんなの反則だよな・・・・っこ、こーたごめんっ!!!)



こーたとの約束をした10分後・・・・翔太が約束を破ったのは言うまでもない。



<END>







あとがき↓

シリアスなものを書いていると、急にこういうのが書きたくなる。こういうがっつく翔太
も好きなんです。楽しんでもらえたら嬉しいです。

web拍手 by FC2