新婚ウブコントシリーズ(5) 「紹介できないワケ」<中編>

久々の新婚シリーズ。ずぅ〜〜〜っと前に書いたものです。3つに分けます。
このお話は「紹介できないワケ」 前編 の続きです。
それではどうぞ↓













☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


翔太の会社創立祭当日―――

パーティ会場の前に着いた爽子は前をうろうろしていた。仕事の翔太とは現地で

会うことになっていた。


(どーしよう・・・緊張する・・)


「あの・・・○○会社のパーティーに参加する人ですよね?」

爽子がどきどきして会場の前で入るのを躊躇っていると、後ろからスーツを着た男の人が

声を掛けてきた。


(えっ?私?)


爽子が指を自分に指してジェスチャーをすると、男の人は笑って頷いた。


「あ・・・・はい」

「女の人一人じゃ入りにくいよね」

「えっ」

「俺、ここの会社の招待客なんだけど、よかったら一緒に行きませんか?俺も一人なんで」

「あ・・は、はい!ありがとうございます」


(うわぁ〜親切な人だ。怖がられないで良かった〜!)


「緊張するなぁ〜こんなきれいな人をエスコートするの」

「はっ? き、きれい?(誰のこと??)」


爽子は思いっきり驚いたような顔をして言うと、


「ははっ面白い人だね〜!!実はさ・・・このパーティーに出るの、気が重かったんだよね。
 でも今はラッキーと思えてきたよ」


・・・と男の人は良く分からないことを言った。


(ん?どういう意味・・・?)


「えっと?それはどういう・・・?「―爽!!」


爽子が首を傾げているその時だった、後ろからあの人の声が!


「し、翔太くん!!」


向こうの方から走って来る翔太の姿を見つけて、固かった表情が一気に緩んだ。


「あっ!」


翔太は爽子を直視すると、いきなり目を逸らして俯いた。


「??翔太くん?」

「あの?うちの奥さんに何か御用ですか?」


そして、側にいた男性に低い声で睨むように言った。その顔はちょっと怖かった。

(し、・・・翔太くん!?)

そう言えば、こんな翔太くん、お付き合いをしている時も何回かみたような・・・・。


「えっ奥さん?」


男の人は舌打ちをしてその場から去って行った。アレ?一緒に行ってくれない

のだろうか?


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」


翔太はその場にうづくまる。


「危なかった・・・・。だから嫌だったんだ・・・。」

「えっ?」

「今日、何回あるんだろうと思うと、頭が痛い。俺はずっとつけないしな・・・。」


うずくまったままぶつぶつ言っている翔太を爽子を覗きこんだ。


「えっどうしたの?翔太くん?」

「爽!」

「は、はい!」

「今日、なるべく俺の側に居て!」

「う、うん!」

「それから・・・今日、めっちゃかわいい//////」

「!//////」


翔太は顔を手で覆いながら照れながら言った。そう言われた爽子も顔を真っ赤にして

両頬を両手で包みこんで言った。


「ほ、ほんと?良かった〜恥ずかしくないかな?私、翔太くんに恥ずかしくないかな?」

「何で恥ずかしいの?俺の自慢の奥さんなのに」

「で、でも人に会わせるの恥ずかしいんじゃ・・・」

「イ、イヤそれは////!」


”プルルル〜〜〜〜”その時、翔太の携帯が鳴った。


「あ、俺戻らなきゃ。行こ。すごい沢山人がいるから、とりあえず、職場の人に紹介するね。」

そう言って、手を繋いでくれる翔太くん。


「う、うん・・・」


どきどきどき


(うわぁ・・・緊張する。大丈夫かな。)


「爽?緊張してる?」

「う、うん」

「大丈夫だよ!俺が側に居るから!」


ニコッと爽やかに笑う翔太くん。

私、あなたの奥さんにふさわしいかな?嫌な思いをさせてないかな?

私なりにかわいくなりたいっていつも思うの。翔太くんといると・・・。

だから・・・今日は翔太くんの奥さんとして、頑張りたいの。


「うん!私頑張るよ!」


しかし・・・・!この爽子の頑張りが裏目に出るのであった。



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「風早!お前の奥さんかわいいな!」

「ほんと!だから家に連れていってくれないんだな?」

「そーだよ!料理も上手いって言うしな〜」

「いいなぁ〜新婚ラブラブ♪」

「えっ!いや・・・」


以下 ↓ 翔太の呟き


だから嫌だったんだよ・・・。爽子を紹介した時、ちゃっかり家に

招待してくれるように話している同僚もいたし・・・。

爽子も嬉しそうに「遊びに来てください!」なんて言ってるし・・・・。

ああ・・・・だっていつもかわいいけど、今日の爽子、かわいすぎる!!

くそっ仕事じゃなければ誰にも見せないのに・・・・。

ん? 爽子誰と喋ってるんだろ?


「風早!○○商社の方いらしたぞ!」

「あ・・・はい!」


(くそっ〜〜〜〜っ!)


俺は、ヤキモキしながら仕事をしないといけないという最悪な状況だった!

翔太の苦悩はつづく。




<つづく>






あとがき↓

爽子って絶対きれいだと思う。ちょっとお洒落するとクラスのみんなも驚くと思うな。
そんなシーン出てこないかなぁ。風早はひ〜こらするけど。ひっひっひっ
さて、このお話も次で終わりです。よければ続き見てください〜〜〜♪

「紹介できないワケ」 後編 UPしました!