「永遠の片思い」(3)

 

好きな妄想投票箱 第一位 ”新婚SWEET爽風”
のテーマで書いてみたのですが。3回ぐらいになると思います。(・・ならなかった
4回になりそうです)あくまで妄想なのであしからず♪興味ある方は以下からどうぞ。


爽子が悪い夢を見た原因は翔太の浮気にあった??どんどん向き合えなくなった二人
はどうなるのか?


この話は「永遠の片思い」   の続きです。




























「翔太くんを好きすぎて・・・・・どんどん欲張りになってしまっていたみたい」


そう言うと、爽子はばっと手で顔を覆いはらはらと再び泣き出した。あやねは結婚し

てもなお、片思いをしているような純粋な爽子に内心笑ってしまう。


(こりゃ・・・どう考えても誤解だな)


「このままじゃ風早はその女のとこに行っちゃうかもね〜〜〜」

「・・・・・」


あやねはさらに暗くなった爽子を横目でちらっと見てにやっとした。そして容赦なく

続ける。


「風早をあっさりその女に渡すんだ?爽子の気持ちはそんなもの?何でもちゃんと向

 き合うって言ってなかったっけ?」

「・・・・・・・」


爽子はぷるぷると身体を震わせると、勢いよく顔を上げる。あやねは爽子の強い瞳を

見てにっこりすると、机にあった爽子の携帯を取って渡す。


「はい。んじゃ私帰るわ。ピンが待ってるし」

「え・・・・?」


あやねはさらっと言うと背中を向けて風早家を出て行った。そんなあやねをぽかんと

見ていた爽子はハッとしたように携帯に目をやった。


(翔太くん・・・・・っ)


そして気合を入れて携帯のボタンを押すと、ぎゅっと目を瞑って呼び出しコールを聞

いていた。


* * *


「・・・・それで?」

「え?それでって・・・・」

「爽子ちゃんは何て?」


マスターに聞かれて翔太は無言になる。マスターは ”ん?”と返事を促した。


「・・・・聞けなくて」

「・・・・・・」


しぃ〜〜〜〜〜〜ん


「はぁ?」


マスターは思わずズッコケそうになる。結婚して何を今さら言っているのかと・・・。

しかし目の前の翔太は真剣そのものだ。


「怖くて・・・。爽子にもし ”他に好きな人ができた” とか言われたら・・・・っ」


そして ”あ”〜〜〜〜〜〜っ”と唸ってまたカウンターに臥せる。そんな翔太の姿に

マスターは何か誤解があったことを確信していた。


(なんじゃコイツ・・・いまだ片思い??)


「電話しろ」

「え・・・・何、そのいきなりの命令形」

「あほかっ!爽子ちゃんが本当にいなくなっていいの?」

「・・・・・・」

「風早くんが悶々している間に周りの男がほっとかないよね」

「・・・・・・」

「他の男にあんなコト・・こんなコト・・・かわいい姿見られちゃうかもね〜」


がさっっ


固まっていた翔太は今度は焦ったようにカバンに手を突っ込んだ。


ピロロ〜〜ンッ♪


「わっっ!!」


翔太は表示を見て固まった。


* * *


「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・ごめん、いきなり出て行って」

「う、ううんっ・・・私が悪いので」

「違うよっ俺が・・・・」


二人はベンチに座り、お互いぎこちなく俯いた。爽子から電話がかかってきた翔太は

あれからものすごい勢いで家に向かった。そして今、家の前の公園に二人はいる。


「しょっ・・「爽っ・・」」

「「あ・・・・・」」


二人は声が合って一瞬きょとんっと見つめ合った。そしてどちらともなくクスクスと

笑い合う。


「翔太くん・・・私が先に言っていい?」

「う・・・うん」


爽子が緊張した顔で言うと、翔太はごくっと唾を飲み込んだ。


「今までごめんなさい・・・ちゃんと向き合えませんでしたっ!」

「え・・・・?」


翔太はばっと頭を下げる爽子を呆気に取られて見ていた。そして爽子の誤解を知るの

である。爽子は先日会社の前で翔太が女性と抱き合っているのを見たことを話した。


「えっ・・・あれっ見たんだ・・・・」

「う・・うん」


翔太の焦った様子に爽子は不安になった。


どくんっ


(どうしよう・・・あの夢のようになっちゃうのかなっ。そんなの嫌だ・・・)


「爽子・・・・」


翔太は声を殺して泣いている爽子を見て、思わず言葉が出なかった。そして堪らず抱

きしめる。


(・・・・・えっ?)


「なんで泣くの・・?爽子が泣くことなんて何もない。こんなにも好きなのに・・・。

 爽子以外の人をどうやって好きになれっていうの?」

「・・・・・!」


翔太の自分を抱きしめる手に力が籠る。全ての想いが込められるかのような強さに爽子

は感情があふれ出す。


「だって・・・ひっく・・・翔太くん、いつもと違う気がした・・・し、いなくなっ

 たらって思ったら何も聞けなくて・・・・」


震える爽子の身体を翔太はさらに強く抱きしめる。


「翔太くんが・・・・ひっく・・・・好きすぎて・・・本当にごめんなさいっ」

「え・・・・?」


そして爽子の言葉を聞いて、翔太はばっと身体を離す。


「え・・・・??」


二人の視線がばちっと合う。翔太の頭の中では今の爽子の言葉がリフレインしていた。




<つづく>




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あとがき↓

次回最終回です。最後はやっぱ企画通りSWEETでいきたいですね♪さてさて、明
日は2周年企画、リレー小説の一話めです。楽しんでこの企画進めていきたいと思い
ます。本当に2年もの間、この趣味に没頭できて幸せです♪そして訪問してくださる
皆様に感謝をしたいと思います。それからもうすぐ別マですねぇ。楽しみ楽しみ!