「風早家の人々」<前編>

風早家をちょっとギャグっぽくしてみました。来月あたりに風早家が出てきそう
な気がして、妄想が変わる前に!ちょっと変な風早家をお楽しみください。
以下からどうぞ↓


















Pulululu〜♪

 Pulululu〜♪


「・・・・・もしかしてまた??」


新婚2ヵ月目の風早翔太は社会人3年目の期待のホープだ。

会社では営業を担当していた。仕事はやりがいがあるし、

待遇面も満足していたのだが、唯一の不満は出張が多い

ことだ。少しでも長く妻といたい翔太には大きな悩みだった。

そして、もう一つの悩み・・・・。



「くそっ!!」


長い呼び出し音の後、留守番電話になった妻の携帯に、翔太は

がくっとうなだれて、メッセージを入れずに携帯をパタンッと

閉じた。そして、勢いよく、ベッドにダイブする。



どすんっ



「−また爽子を取られた!!」


行き先が分かっていた翔太だったが、あえて掛け直さなかった。

掛けたところで、イライラするからである。それはもちろん妻

にではなく、その他の人達に・・・・。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「ほらっ!爽子ちゃんもっと食べて〜〜〜♪」

「あ・・・ありがとうございます。すごくおいしいですっ」

「やったな〜翔太。また出張なんだ!」

「あらあら、そんなはっきり喜んじゃって。透太たら。爽子ちゃんが

 来るっていうと、早く帰ってくるんだから。いつも遅いくせに」

わははは〜〜〜〜っ


「爽子ちゃん、今日は泊って行けるだろ?」


その輪に当たり前のように早く帰って来て、入っている翔太父。


「え・・・!でもそんな、悪いです」

「いいんだよ!家族なんだから。女性一人は危ないしね」

「そ・・・それではお言葉に甘えて・・・」

「「やった〜!!」」 喜ぶ家族。



翔太の出張になると、必ず風早家は動き出す。普段は父親らしく威厳が

ある翔太父だが、嫁の爽子には二人が付き合っている頃からメロメロで

娘のようにかわいがっているのである。なので、翔太の出張を調査し、

誘うのは父親であった。もちろん、爽子好きは父親だけでなく、母親、

高校生の弟、透太も爽子好きは異常なほど。結婚してからさらに翔太

の爽子一人占めぶりに許せず、闘争心を燃やす風早家であった。


「ところで、次の翔太の出張は決まってるのかな?」


いつものように爽子に探りを入れる父。


「あ・・・来月なんですけど、今度は1週間らしくて・・・」

「え〜〜〜〜!そんなに長いの初めてだね!」


弟は嬉しそうに言った。

そして、家族全員にんまり微笑み合う。


「え〜と爽子ちゃんはその間、仕事かな?」

「はい。ずっとではありませんが」

「ふぅ〜ん。ところで来月のいつ?」

「えと・・・ちょっとスケジュール帳見てみます」


爽子はぺらぺら〜とめくって日を告げると、父は言った。


「あっ!!その日は、うちが温泉旅行に行く日だ!」

「あ、そうなんですか?いいですね。楽しんで来てください。」

「いや〜それがさ、うちの家族以外に私の弟も行くはずだったんだけど

 急に行けなくなってね〜。爽子ちゃん、なんとか調整して行ってもらえ

 ないかな?」

「え??」



結婚してから、翔太だけでなく、風早家の皆に優しくされ、毎日幸せを

かみしめていた爽子であったが、来月の旅行に関してはまだ返事を渋っ

ていた。というのは翔太が仕事をしているのに、自分だけ遊ぶわけには

いかないと言う理由だ。しかしそれに対して、翔太父はもうキャンセル

出来ず、お金が無駄になると言われる。それに翔太は爽子が楽しいと喜ぶ

と言われる。確かに、いつもそう言ってくれる翔太であったが、爽子はもう

一つ引っかかることがあった。それは翔太には内緒にして欲しいと言われ

たことだ。今回は日をずらせないないので翔太に言うとかわいそうという

ことだった。


(そうだよね・・・。でも内緒ってやだなぁ〜どうしよう!!)


爽子は風早家で布団に入った後も、悶々と悩み続けた。



(つづく〜〜)







あとがき↓

翔太父ってどんな人なんだろう?とにかく、爽子にはメロメロがいいな〜
そんなイメージで書きました。続きをよければ見に来てください。

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