「お父さんと風早くん」

爽子父と風早くんのショートなお話。めちゃ短いです。
以下からどうぞ↓


















今日は、黒沼家にお呼ばれされて、夕食を黒沼の家族と囲んでいる。

高校2年から付き合い始めた俺は、すでに挨拶には行っているのだが

まだ、3回目ぐらいの御対面で・・・・。


(き、きんちょーする・・・)



「風早くんは、○○大学だったわね。お家から遠いみたいだけど、

 一人暮らしするの?」

「はい。今探し中なんです。」



お母さんはいつも話しやすくて、俺たちのこともすごく応援してくれる

んだけど、さっきからずっと鋭く見ている人が・・・・。



「一人暮らしして、まさか爽子を・・・」

「お父さん!!何言ってんの?」



俺の言ったことに、お父さんからマイナス発言が出て、お母さんが

茶々を入れる会話が続いている。

あ〜あ俺、やっぱ認められてないのな。

黒沼は横でにこにこして聞いているけど・・・。



「俺、お父さんに嫌われてるんだろうな。」



黒沼家の帰り、「二人きりになって何をするつもりだ!!」とこそこそ

お母さんの耳元で喋ってるお父さんをなんとか振り切って、黒沼が近く

まで送りに出てくれる。何するって・・・そりゃお父さん。俺も男です

から、いつかは・・・!って思いますよ。



「そ、そんなことないよ!!風早くんを嫌う人なんているわけないよ!!」



彼女は力説してくれるけど、どう考えても、大事な娘をさらっていこうと

する俺は面白くない存在だろう。


「俺も、娘とかできたら束縛しそーだもんな」

「ふふっ」

「何?」

「なんかその子、うらやましいな〜って風早くんがお父さんなんて!」



いかにも他人事のように言うのが面白くなくて・・・。



「なんで?俺の娘ってことは黒沼の子どもかもしれないだろ?」

「??」



きょっとっと理解不能のような顔をしているから、いつもはっきり

言う、羽目になる。



「も〜!黒沼と俺の子どもってこと!//////」

「えっ??」



やっと気付いたのか、黒沼は真っ赤になってほっぺに手を当てて、俯いた。



「黒沼みたいな娘だと、やっぱ絶対離したくないって思うもん」

「そ、そんな・・・」


ますます真っ赤になった黒沼がかわいくて・・・。



「春から離れ離れになるけど、何も変わらない。俺の気持ちはずっと

 変わらないから」

「わ、私もだよ!!」

「好きだよ」

「私も・・・。」


街頭に照らされた、二つの影はそーっと近づいて重なった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「お父さん!!あんな態度じゃ、風早くんが傷つくでしょ!」

「だって、だって、かわいい爽子に彼氏が!まだ信じられないんだ・・・。」

「やだぁ〜もう何年もたってるのに。あんなかっこいい彼氏がいることに

 喜んだらいいのに・・・。」

「もしかしてやっぱり騙されてるかも!!さわこぉぉ〜〜」



(ああ・・・いつまでこんな感じなのかしら・・・。やれやれ)



それは二人が結婚しても続いていくのでした・・・。



<END>









あとがき↓

ちょっとギャグっぽくしてみました。父は誰であろうと嫌だという想像。
早く、風早家の人々も見たいなぁ〜〜!

web拍手