「分かってる?」

今月号別マから妄想した話。なのでネタバレ含んでいます。コミック読者は読まない
でくださいね♪ あの二人の距離に萌えたのです。爽子の家の場面です。以下からどーぞ!↓



























”『笑わないよ・・・真剣にお互い見てるんだなと思ったよ』”


一生懸命言ってくれた。純粋な目で、素直な心で。
そんな風に思ったことなかった。黒沼はいつも俺に新しい世界を見せてくれる。いつも
知らなかった自分を知るんだ。


「あのな・・・ありがと」


そう言った俺に黒沼は嬉しそうに笑う。その笑顔をほんとに一人占めしたいと思って
しまう。


とくんっ・・・


俺の中の尖った部分、黒沼がほぐしてくれてほっとしたのかな。いきなりまったく違
うことを考えてしまった。いや、本来の俺に戻ったというか。
ドキドキと高鳴り、加速する心臓の音。


「風早くん?」


二人きりの部屋の中、横に座って顔を向き合わせたまま黙り込んだ俺の顔を黒沼が覗
き込んだ。一瞬でかぁ〜〜〜って体中が熱くなる。俺はその顔を見られたくなくて手
で顔を覆って俯いたまま聞いた。


「・・あのさ、ところで今日家の人は?」

「あ、お母さんは買い物に行ってるみたい」

「そっか」


黒沼は俺のいろいろなところが知りたいと思うけど、こんな俺も知りたいんだろか?
純粋な黒沼の目に俺が映る。俺の邪悪なココロ?
今までこの距離が俺は怖くてしかたなかった。手に届くところに黒沼はいて、好きで
たまらない彼女が側にいて・・・簡単に崩れさる理性。


「黒沼」

「え?」

「俺のこと信用してる?」

「信用?もちろん、してるよっ!」


一生懸命言ってくれる彼女にほっこりするけど、信用の意味が分ってないだろうな。
一つ一つの表情が、仕草が、ふっと感じるいい匂いが・・・距離なんか全部なくして
俺のタガを外させること。


「・・信用しちゃだめだよ」

「!」


俺はちょっと彼女と距離を開けて言った。黒沼の顔が真顔になる。


「ちがっ・・そーいう意味じゃなくて、俺がダメだから」

「ダ・・メ?」


(ったく疑ってないし・・・)


きょとんと不思議そうに俺を見る純粋な彼女に少し意地悪したくなった。

俺は再び彼女との距離を近づける。そして・・・


ちゅっ


「−っ!」

「こーいうこと!」

「えっ////」


いきなりのキスに真っ赤になってあたふたしている彼女がかわいくって・・・ほんと
に一人占めしたいって思う。彼女の全部俺だけが見ていたいって思う。


「誰もいない家に男を上げたらいけません!」

「えっえっ」

「・・・あんま信用しないで///分かってる?」

「/////ハイ」



俺も真っ赤だろうな。そう言って恥ずかしそうに俺が笑うと黒沼も真っ赤な顔で笑った。


(分かってないだろうなぁ・・・)


俺は黒沼が思うよりずっとスケベだってこと。制御効かなくて本能のまま動いてしまう

こと・・・

ずっと一緒に居たい気持ちと闘う理性。これからも自分の中で葛藤していくんだろうな。

でもそれは幸せな葛藤だということを知っている。


「よし、頑張れる!」

「ー私もっ」


その笑顔に、その優しさに、俺はこれからも救われていくんだろう。

大好きな君と一緒にいるかぎり・・・





<おわり>


web拍手 by FC2












あとがき↓

今月号の別マに萌えてちょっとそちら方面の妄想に走った話でした。進路の話を真剣に
しているのにね、なんて下劣なんだ!私。あの二人の距離に萌えてしまった。
しかし、風早家を見るだけでたまらんほど萌えるのは私だけ??