「OVER the TEARS」(2)

とりあえず続きです。家庭教師先に通う爽子がやっと家にいれてもらえて・・・。
これは OVER the TEARS   の続きです。
それでは以下からどうぞ↓











それから、道哉くんの家庭教師をさせてもらえるまで、毎日大学帰りに

通った。でもやっぱり部屋までも上げてもらえなくて。インターホン

を押したら帰らされる日々。そんな日が2週間続いたある日・・・。

いつものように呼び鈴を押すと、インターホン越しから聞こえて

きたのは・・・!



「・・・今日は来ないかと思ったよ」

「あ・・・大学の講義が長引いて・・・。」

「ふぅーん」



そう言ったかと思うと、インターホンから彼の声は聞こえなくなった。


(やっぱり今日も・・・・。)


すると、今度はお手伝いさんの声がして、耳を疑った。

「どうぞ、お入りになってください。」

「は、はい!」
 

(あわわわっ・・・・!)


恐る恐る玄関の中に入ると、お手伝いさんはスリッパを出してくれた。

初めて、中に通される。中はやはり広くて、高そうな調度品が

あちこちに置かれていた。


(うわ〜〜緊張する!!)


彼の部屋に通されたが、やはりドアは閉まったままで。


コンコンッ



「あの〜〜〜〜くくく、黒沼爽子です!!」



し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん



(あっやっぱり・・・)


「・・・知ってるから」

「えっ?」

「なんで?」

「えっ?」

「なんで、そんなに俺に執着するの?」

「あの・・・・初めてなの」

「・・・・・。」

「初めての生徒・・・言っちゃった!////ごめんなさい〜」



(きゃーなんておこがましいの!!私ったら)



私が体を揺らして一人で悶々でいると、目の前のドアが開いた。



「ふぅ〜ん」


道哉は鋭い目で爽子を見つめた。


「!」


そして、爽子の手を引っ張ったかと思うと部屋のベッドに

どんっと叩きつけた。



(・・・・!)


私は、何が起こったのか分からなくて、気がついたら両腕を押さえ

られ、道哉くんが上から覆いかぶさっていた。


(ち、近い・・・!)


「彼氏とこんなことしてるんだろ?」

「に、にらめっこ?」

「へ?」

「ち、近いので・・・・とりあえず」


そう言って、爽子は身体を起こし、道哉の横にとんっと座った。

思わず目が点になる道哉。


「あ、あの・・・・人との距離が近いと緊張するので・・・・。

 すごい顔になってるみたいで、今までの経験上皆びっくり

 するというか・・・・。」


(なんだコイツ?なんか抜けてる?)


「で、でも彼氏さんにはいつもにらめっこをしても勝てなくて!」


とんちんかんに真っ赤になっている爽子を見て道哉も脱力感になる。


「別に俺も怖くないけど?」

「ほ、ほんとですか!?」


思わず、爽子は目をキラキラさせて拝んでいた。


(う、うれしい〜〜〜〜!)


「貞子に似てませんか??」


「ふっ変な奴」


あ・・・・笑った。笑うとすごく中学生。嬉しいな。


「な、なんだよ!」

「あの・・・邪魔はしませんので、これからも来ていいですか?」

「・・・・・。」


じっと道哉は爽子を睨むと、爽子を部屋の外に出してドアをばんっと閉めた。


(あ・・・・。)


爽子はしばらくドアを見つめた後、とぼとぼ歩きだした。

するとドアから道哉くんの声がした。


「・・・勝手にすれば」

「!」

「えっえっそれって・・・??」


そこからは何を言っても答えてくれなかったけど、家庭教師させて

もらえるのかな?そうだったらいいな。

じ〜〜〜〜ん。私は、嬉しさで胸が熱くなった。

ここから始まる、私達の新しい関係。私が何かの役に立てたら嬉しいな・・・。

しかし・・・さっきのは一体何だったんだろう?道哉くん。??


どこまでも天然の爽子でした。















あとがき↓

特に面白くないのですが、話の続きです。爽子って男性から何か
されても鈍感だろうなって思って。特に教えることに燃えてるの
でそのことに必死というか。そこが風早の悩みのタネにもなってい
きます。後、道哉はちょっと世間慣れしている中学2年生という設定。
よければ続きを見に来て下さい。
OVER the TEARS