「OVER the TEARS」(6)

相変わらず、バイトに夢中な爽子に今回もモヤモヤ風早の回
これは OVER the TEARS       の続きです。
それでは以下からどうぞ♪

















「せんせ!デートしよ。」

「えっ?」


道哉くんからの珍しい申し出に私は目を丸くした。


「わ、私なんかでいいの?」

「はぁ?」

「くっくっ!やっぱあんた変わってるわ。」


また笑われてしまった。なんかおかしいかなぁ〜。


「いや〜普通、カテキョなんだからさ、そんなことしないだろ?」

「そ、そうなんだ〜〜〜!!」


うん、うんと感心して聞いている私を見て、道哉くんは更にお腹を

抱えて笑っていた。


「??」

「はぁ〜おもしれ!あんたがいいんだけど?買い物付き合ってよ!」

「う、うん!」



なんか、いいことあったのかな?その日の道哉くんはなんだかウキウキ

していたように思う。



その日は道哉くんのショッピングに付き合ったり、お茶したりとゆったり

とした時間を過ごした。時々気を許したような優しい顔をしてくれたり

いつものような尖ったところがなくてなんだか嬉しくなった。



「なんかいいことでもあったの?道哉くん」

「べっつに!」

「?」

「うわっ道哉くんの頼んだストロベリーパフェ来たよ」

「な、なんだよっ////」

「別に♪ふふ」


(かわい〜なんて言ったら怒られちゃうね!)


「ふっ変な女だよな。あんた」

「えっ?」

「俺、怖くないのか?」

「怖い時もあるけど・・・。私、無視されたり、人に興味をもたれない

 ことに結構免疫あると言うか・・・・。」

「なんだよ。それ?」



私の昔の話をすると、じっと黙って道哉くんは話を聞いてくれた。



「つまり誤解だったんだろ?なんで誤解が解けたんだ?」

「そ、それは・・・//////」

「はぁ〜ん。」


そう言って、ニヤニヤして私を見る道哉くん。どうしてこの人は

こんなに鋭いんだろう。



「み、道哉くんは!!どうして学校に行かないの?」

「べっつに興味ないだけだよ」

「・・・・・。」


その話題を出すと、いつもの冷たい表情に変わる。



後から知ったことだけど、この時、道哉くんのお母さんが久しぶりに

帰ってきたそうだ。男の人と別れたって・・・。道哉くん嬉しかった

んだね。知れば知るほど、純粋でかわいい男の子だと思う。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


♪ピロロロ〜ン


「ん?誰だ」


風早の携帯が鳴った。


「え・・・またピン?」

ピッ

「ーんだよ?俺、忙しいから!」

「おまえ、そんなこと言っていいのか?」

「へ?」

「嫁が浮気してたぞ!男と」

「へ??」爽子?


俺は、いつものピンのからかいだと思いながらも正直

聞きながらあせっていた。

どうも先週、夕方頃に茶髪の男と一緒にお茶している黒沼を

見たと?その後、買い物とかも楽しそうにしていたと?


「・・・・・。」

「だから、言っただろ?ヘタレも大概にせえって」

「おい!コラ、なんか言え―っ」 ピッ


俺は、言い返す余裕もなくて、すぐピンからの電話を切って、

爽子の携帯に掛け直した。


トルゥルゥルゥ〜♪


(早く出て〜〜〜!)


「・・・はい。風早くん?」

「あっ!良かった〜爽子!」

「どうしたの?」

「あのさっ」


爽子の都合も聞かず、俺はとにかくそのことを聞く。


「あっそれ、道哉くんだよ!」

「えっ?バイトの?」

「うん」


あ・・・そっか〜〜〜〜! 俺は思わずうずくまる。何でこんな余裕ない

んだろ?ピンからなんて信用ならないの分かってるのに。でも!!


「あいつと外に行ったりもするの?」

「あっ初めてなんだけど、道哉くんが誘ってくれて・・・・嬉しかった」

「・・・・・。」

「風早くん?」

「あのさ・・・俺だって、爽子とデートしたいんだけど」

「えっ??あの・・・」


爽子の性格は重々分かっているはずなのに、やっぱり我慢でき

なくなる。そんなこと爽子の口から聞きたくない。


「嬉しかったなんて言わないで・・・・俺以外の男のことで」


だ――――!やばい!暴走している。


「生徒さん・・・だよ?」

「ご、ごめん!!今のなし!気にしないどいて!それじゃっ」


爽子をがんじがらめにしてしまう。俺ってなんでこんな・・・・


「好き・・・///////」

「え?」

「そんな風早くんが・・・す、好きです。」

「えええええええ!!!」

「ちょ――っ//////」

「私も、早く風早くんとデ、デートしたいです。」


しゅ〜〜〜〜〜っ


いつも百発百中だ。爽子からの言葉は・・・・。



何でこの人はこんなだろう。いつも俺の心をめちゃくちゃ

にかき乱す。甘い気持ちいっぱいに・・・・。


(良かった、本人を前にしないで。そんなこと言われた押し倒しちゃうよ!)

 
電話を切った後も俺の頭の中は甘甘な煩悩にやられていた。


「あぁぁぁぁ―!やばい!」



部屋の隅で頭を抱えながら今日も悶える風早でした。












あとがき↓

風早直接デート現場を見なくてよかったね。という回でした。
なかなか話が進みませんね〜。まぁ適当に読んでください。
OVER the TEARS