「OVER the TEARS」(6)
相変わらず、バイトに夢中な爽子に今回もモヤモヤ風早の回
これは OVER the TEARS 1 2 3 4 5 の続きです。
それでは以下からどうぞ♪
「せんせ!デートしよ。」
「えっ?」
道哉くんからの珍しい申し出に私は目を丸くした。
「わ、私なんかでいいの?」
「はぁ?」
「くっくっ!やっぱあんた変わってるわ。」
また笑われてしまった。なんかおかしいかなぁ〜。
「いや〜普通、カテキョなんだからさ、そんなことしないだろ?」
「そ、そうなんだ〜〜〜!!」
うん、うんと感心して聞いている私を見て、道哉くんは更にお腹を
抱えて笑っていた。
「??」
「はぁ〜おもしれ!あんたがいいんだけど?買い物付き合ってよ!」
「う、うん!」
なんか、いいことあったのかな?その日の道哉くんはなんだかウキウキ
していたように思う。
その日は道哉くんのショッピングに付き合ったり、お茶したりとゆったり
とした時間を過ごした。時々気を許したような優しい顔をしてくれたり
いつものような尖ったところがなくてなんだか嬉しくなった。
「なんかいいことでもあったの?道哉くん」
「べっつに!」
「?」
「うわっ道哉くんの頼んだストロベリーパフェ来たよ」
「な、なんだよっ////」
「別に♪ふふ」
(かわい〜なんて言ったら怒られちゃうね!)
「ふっ変な女だよな。あんた」
「えっ?」
「俺、怖くないのか?」
「怖い時もあるけど・・・。私、無視されたり、人に興味をもたれない
ことに結構免疫あると言うか・・・・。」
「なんだよ。それ?」
私の昔の話をすると、じっと黙って道哉くんは話を聞いてくれた。
「つまり誤解だったんだろ?なんで誤解が解けたんだ?」
「そ、それは・・・//////」
「はぁ〜ん。」
そう言って、ニヤニヤして私を見る道哉くん。どうしてこの人は
こんなに鋭いんだろう。
「み、道哉くんは!!どうして学校に行かないの?」
「べっつに興味ないだけだよ」
「・・・・・。」
その話題を出すと、いつもの冷たい表情に変わる。
後から知ったことだけど、この時、道哉くんのお母さんが久しぶりに
帰ってきたそうだ。男の人と別れたって・・・。道哉くん嬉しかった
んだね。知れば知るほど、純粋でかわいい男の子だと思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪ピロロロ〜ン
「ん?誰だ」
風早の携帯が鳴った。
「え・・・またピン?」
ピッ
「ーんだよ?俺、忙しいから!」
「おまえ、そんなこと言っていいのか?」
「へ?」
「嫁が浮気してたぞ!男と」
「へ??」爽子?
俺は、いつものピンのからかいだと思いながらも正直
聞きながらあせっていた。
どうも先週、夕方頃に茶髪の男と一緒にお茶している黒沼を
見たと?その後、買い物とかも楽しそうにしていたと?
「・・・・・。」
「だから、言っただろ?ヘタレも大概にせえって」
「おい!コラ、なんか言え―っ」 ピッ
俺は、言い返す余裕もなくて、すぐピンからの電話を切って、
爽子の携帯に掛け直した。
トルゥルゥルゥ〜♪
(早く出て〜〜〜!)
「・・・はい。風早くん?」
「あっ!良かった〜爽子!」
「どうしたの?」
「あのさっ」
爽子の都合も聞かず、俺はとにかくそのことを聞く。
「あっそれ、道哉くんだよ!」
「えっ?バイトの?」
「うん」
あ・・・そっか〜〜〜〜! 俺は思わずうずくまる。何でこんな余裕ない
んだろ?ピンからなんて信用ならないの分かってるのに。でも!!
「あいつと外に行ったりもするの?」
「あっ初めてなんだけど、道哉くんが誘ってくれて・・・・嬉しかった」
「・・・・・。」
「風早くん?」
「あのさ・・・俺だって、爽子とデートしたいんだけど」
「えっ??あの・・・」
爽子の性格は重々分かっているはずなのに、やっぱり我慢でき
なくなる。そんなこと爽子の口から聞きたくない。
「嬉しかったなんて言わないで・・・・俺以外の男のことで」
だ――――!やばい!暴走している。
「生徒さん・・・だよ?」
「ご、ごめん!!今のなし!気にしないどいて!それじゃっ」
爽子をがんじがらめにしてしまう。俺ってなんでこんな・・・・
「好き・・・///////」
「え?」
「そんな風早くんが・・・す、好きです。」
「えええええええ!!!」
「ちょ――っ//////」
「私も、早く風早くんとデ、デートしたいです。」
しゅ〜〜〜〜〜っ
いつも百発百中だ。爽子からの言葉は・・・・。
何でこの人はこんなだろう。いつも俺の心をめちゃくちゃ
にかき乱す。甘い気持ちいっぱいに・・・・。
(良かった、本人を前にしないで。そんなこと言われた押し倒しちゃうよ!)
電話を切った後も俺の頭の中は甘甘な煩悩にやられていた。
「あぁぁぁぁ―!やばい!」
部屋の隅で頭を抱えながら今日も悶える風早でした。
あとがき↓
風早直接デート現場を見なくてよかったね。という回でした。
なかなか話が進みませんね〜。まぁ適当に読んでください。
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