「I love you smile」6
大学の仲間から渡された封筒の中身は?ちょっと暗い展開です。
こちらは I love you smile 1 2 3 4 5 の続きです。
それでは以下からどうぞ↓
「―風早くん?」
バイトも終わって、”やっと風早くんに会える!”・・・と嬉しい
気持ちがいっぱいでドキドキして電話を掛けた。
「・・・・・・」
(あれ!?)
「あの、爽子です。」
「うん」
「あの・・・帰ってきたので、会えるかなって」
なんか、風早くんの声が元気ない。それに、あの電話から全く
メールもない。
「爽子・・・・明日、話がある。空いてる?」
「う、うん・・・・うん、それじゃ○○駅に5時に」
ピッ
「風早・・・くん・・。」
爽子は初めて風早のそっけない態度にショックを隠しきれなかった。
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一方風早もその頃失意のどん底にいた。
「ふぅ・・・」
斎藤から渡された封筒をただ茫然とさっきから眺めている。
中には写真と手紙が一枚。
その写真には・・・・男と抱き合っている爽子の写真が。
”風早くんへ
この写真を渡すのはとても迷いましたが、裏切られている風早くんに
早く気付いて欲しくて、決心しました。
これはたまたま通りかかった、○○町で撮った写真です。 ”
うそだろ・・・?何か事情があるに決まってる。でもこのどうしようも
ない絶望感。爽子が離れていくという気持ちで頭が真っ白になる。
「 ―― くっ」
その写真を思いっきり握りしめて、俺は気づいたら、走り出していた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「爽子!」
「えっ風早くん?」
外は雨が降っているというのに雨の感覚さえなかった。
ただ、握りしめた写真の感覚だけ・・・・。
「−外に居るの?」
携帯越しの爽子の声。近くに居るのに遠くに感じる。
「・・・・今、爽子の家の前に居るんだ」
「えっ・・・・」 ピッ
「風早くん!!」
彼女は慌てて、家から出てきた。
「あっびしょ濡れ!あわわ〜〜入って!」
「いいんだ」
今の俺には雨の感覚さえなかった。
しばらく黙っていた爽子だったがその後身体を震わせて、
「ご、ごめんなさい〜〜〜〜ひっく」
いきなり泣き出した。なんで泣くの?やっぱりあの事?
「なんで謝るの・・・?」
一生言いたくなかった言葉。でも真実に目を伏せるわけにはいかない。
「俺の他に・・・好きな人できた?」
「えっなんで?」
「なんで風早くん以外の人を好きになれるの?ひっく」
雨か涙か、分からないほど俺たちはめちゃくちゃになっていた。
「え?」
今、なんてった?すごい雨と風で幻聴を聴いているのか?
「私・・・・風早くんに嘘ついてた」
やっぱり・・・幻聴だったんだ。
「きっともう、許してくれないね」
爽子は冷静にそう言った。嘘って言った?
俺は、夢だと信じたかった。これは残酷な夢だと。
「・・・・・・・」
「・・・・聞きたくなかった」
「風早くん―!」
俺は駆け出していた。爽子の次の言葉も待たずに・・・。
そのままどう帰ったのか分からない。ただ、人生が終わったような
絶望感が俺の心の中にいつまでも残った。
あとがき↓
爽子メロメロ風早は爽子が自分から離れていくことは受け入れられない
現実なのではと思います。9巻でもすごい目をしてましたもんね。風早くん。
ちょっと暗い展開がもう少し続きますが、よければ続きを見に来てください。
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