「野球少年の恋」1

大学生設定で、オリジナルキャラが出てきます。まずは、風早の大学生活を
風早目線で!今回はちょっと長いかも。それではどうぞ↓





















桜の花びらが散り始めた頃、いつも爽子と会った日のことを思い出す。

彼女と会って、もう5回目の春を迎える。俺たちは大学2年になっていた。

彼女が隣にいる幸せな日々の中、時々不安になるんだ。

いつか俺の前からいなくならないかって・・・。君といるのは夢じゃないかって。

だって、俺はもう君なしでは生きていけない。




「お―い翔太!」




遠くから高瀬健太郎が手を振りながら名前を呼んでいた。

この大学に入って一年前、入学した頃彼を見てびっくりした。

高瀬健太郎は俺の憧れの先輩だったからだ。

中学の頃、俺は野球に明け暮れていた。そして試合では負けしらずだったんだ。

でも彼を見た時、初めて「負ける!」って思ったんだ。

彼は他校の名が知れたピッチャーだった。彼のフォームのきれいさと、

野球に対する愛情に敬意の念を抱いたんだ。試合でしか会えなかったけど、

喋ったのも数知れなかったけど、俺の中では大きい存在だった。

その彼が、同じ大学にいた。

野球で頑張っていると思っていたから驚いた。

彼を見た時、ボーズから一変してサラサラ髪で茶髪の今時の兄ちゃんに

なっていた。・・・・というかちょーっ一変していた!!

「いままでの青春を取り戻すぞ―!」



と叫んでは合コンに明け暮れる毎日。

女の子をとっかえひっかえ・・・。別名日替わりランチと言われていた。

でも、知ってんだ。わざと軽そうに振舞うけど、本当は何も変わっていないこと。

きっと、彼は俺にとっての爽子のような存在を探し求めているんだと。

高校時代からずっと変わらない俺の宝物・・・。



「・・・んでどうよ?」

「へっ?」



俺らは大学のカフェテラスで昼食をとっていた。



「今度の合コン!」



相変わらず、高瀬さんは合コンに明け暮れていた。



「だから、そういうのは行かないんだって!」

「分かってるけど、言ってみただけ。だって、お前行くと絶対上玉揃うもん」



あ〜あ、と残念そうに椅子をぎこぎこと動かした。




「俺も、今年は就活そろそろだしな〜遊べるうちに遊んどきゃなきゃね♪」

「高瀬さん、特定の子作る気ないの?」

「〜ん、面倒だからなぁ、何かと。それより!お前、いつになったら彼女に
会わせてくれんの?」

「去年の学祭に来るはずだったんだけど、彼女風邪ひいちゃって・・・。」



爽子を皆に自慢したい半面、ひとりじめしたい気持ちも強くて・・・。

俺の独占欲は爽子と一緒にいればいるほど増してくるような気がする。




「・・・ちょっとうらやましいよ。」

「えっ?なんか言った?」

「んや、何も!」


というと高瀬さんはカフェの定食かつ丼を大口で食べ始めた。


「あーっ!風早と健太郎!〜」 



ゼミの女の子とたちがやってきてワイワイと賑やかになる。

楽しい大学生活を送るなか、やはり俺は週末しか会えない彼女のことを想う。










あとがき↓

やはり爽子にメロメロな風早で!私の妄想はそこが一番萌える♪
それではよければ続きを見に来てください。次は爽子と週末デートに
メロメロな風早です。あさってUPします!

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「野球少年の恋」