「naturally」 7

この話は「君までもうすぐ」のその先を書いた話です。あの夜、未遂に終わった二人
が最後の関係までいくのがテーマです。(いくのか!?)ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

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こちらは「naturally」        の続きです。


※ 「君までもうすぐ」を読まなくても全然大丈夫です。


☆ 自分の下心をどうすればよいか分からず、あやねの家を尋ねた爽子。しかし、そんな

  爽子にあやねは唖然・・!?となり・・・。
  















自分でも分からない感情を持て余した。

自分の中の変化に戸惑った。

”ひとりじめ”したいと思う心が恥ずかしかった。

それは私のエゴだと思うから。

そんな自分を見たくなくて目を瞑った。


でも、知らなかったころには戻れない。

この甘くて、せつなくて、苦しい感情に、

向き合うときが来たのだと・・・・。






「naturally」(7)










親友は今時いないだろうと思えるほど純情で、ドがつくほどの鈍感であることは重々

分かっていたのだか・・・・。


(・・・ここまでかよっ)


あやねは思わず自分でツッコミを入れた。

でも、二人は今まで大切に大切に愛を育んできた。相手を想いすぎて時に空回りする

けど、本物の恋であることは側で見ていた自分が一番よく知っている。自分が一生か

かってもきっと手に入れられないもの。だからこそ、憧れた。そして、いつも羨ましかった。


「爽子!」

「は、はいっ」


あやねに大きな声で呼ばれて爽子はびくっとなり素直に返事をする。


「爽子はさ・・・自分が嫌なんでしょ」

「・・・・・」

「風早を好きになって、下心が膨れあがって・・・どんどん欲張りになることが自分のエゴ

 だと思ってる?」

「・・・う、うん」


図星!とばかりに尊敬の眼差しで目を輝かせている爽子にあやねはふっと笑い、

優しい目で見つめると、爽子をそっと抱きしめた。ふわっと香るあやねの甘い香り。

いきなりのあやねの行動に爽子は涙で濡れた目をぱちぱちさせた。


「!」

「ほら、触れ合いって暖かいでしょ。好きな人だったらもっと違う感情が湧くでしょ」

「・・・・・」

「好きだからもっと相手を知りたくなるんじゃないの?その先に行きたくなるんだよ」


あやねは、瞳を揺らして不安そうに見つめる爽子ににっこりと笑いかけると言葉を続けた。


「・・・好きだから、それは自然なことだよ」


自然なコト・・・?


「何も難しく考えないでいいんだよ。身体と心で感じれば・・・・」

「//////」


どくんっ


その時、今日の翔太とのキスが頭に浮かび、爽子は胸がきゅんっとなった。


「もちろん、好きでなくてもセックスはできるけど、愛があるセックスは幸せになれる。

 そして、それが自然なんだよ。恥じることなんか何もないよ」

「あやねちゃん・・・」

「って、えらそうに言うけどさ、私もアイツと出会って解ったんだけど////」


そう言って、普段では見せない照れた表情をした。


爽子は憧れるような目であやねを見た。そして思った。


”あやねちゃん・・綺麗だなぁ”・・・と。


前からもちろん綺麗だと思っていたが、好きな人を語る時のあやねは輝いていた。

女の人って綺麗だ。


私も翔太くんと出会ってから、翔太くんにかわいいと思われたくなった。

翔太くんが”かわいい”と言ってくれると、まるで魔法にかけられたみたいに可愛く

なったような気がした。そしていつも心が躍り出すの。


「下心がなければおかしいよ。だって風早が好きなんでしょ?」

「・・・うん」


そっか・・・自然なんだ。好きなのだから。


「それは風早だけに感じるものなんでしょ?」

「・・・うんっ」

「それは普通だから。好きな人がいたら誰でも感じる感情だからね」


そう、翔太くんにしか感じない下心。


「だから、それが膨れ上がったことは、”その時”が来たってことだよ。爽子の準備も

 できたってこと」


爽子は恥ずかしそうに俯くと、コクンと頷いた。


「あいつさぁ、よく待ったよ。マジでべたぼれだからね〜〜爽子のこと大切なのよ」

「で・・・でも、翔太くん、大学に入ってから、全然触れてくれなくてっ///」

「えっ!?・・・ふ〜ん、そうなんだ。ふふっ予想つくけどね」


あやねは、そう言うと小悪魔的ににやっと笑った。


「??」

「とにかく、ちゃんと今の気持ちを伝えること!あいつは全部受け止めてくれるでしょ」

「・・・うん」


そう、翔太くんは受け止めてくれる。それなのに、ずっと不安だった。自分の下心を

知られたら嫌われるんじゃないかって。キスされなくなってますます不安になってい

った・・・。そして、翔太くんが遠い人になったような気がしたの。


でもそれは翔太くんが好きだから感じるもの。大切な ”心” なんだ・・・。


あやねは爽子の顔が柔らかくなったのを見て、安心したように笑みを浮かべた。


「そーいえば、風早からの電話、着拒とかにしてないでしょうね?」

「あ・・・してないけど、電話見てなくてっ・・・」

「もぉっ・・・早く見なっ!!」

「うんっ・・・」


二人はにっこりと笑いあった。爽子の涙はすっかり乾いていた。


「あ・・・!」


爽子が携帯を見て、びっくりしたような表情で声を上げたその時、あやねの携帯音が

けたたましく鳴る。


チャラチャラ〜〜ンッ♪


「うわっ・・・ごめん、マナーにするの忘れてた。うるさっ・・・ん?」


あやねは慌てて取った携帯の表示を見て大きく目を見開いた。そして、爽子に向けて

携帯の表示を見せた。


「ほいっ、ちゃんと話すんだよ」


震える爽子の手を、あやねはぎゅっと握ると耳元でこそっと呟いて携帯を渡した。



”・・・今日は私の家にお泊りということにしとくよ”


(えっ・・・!?)


その時、ぴんっと来なかったあやねの言葉の意味を後で理解すると、爽子はかぁ〜〜っと

耳まで真っ赤になった。


携帯表示の”風早”の文字にドキドキしながら・・・。










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あとがき↓

いやはや・・・日が経つのが早すぎる。別マもうすぐじゃないですか!?読めるのは嬉しい
けど、もっとゆっくり過ぎて〜〜〜〜!坂道転がり落ちるような速さに焦ってます( ̄○ ̄;)
しっかしあやねーさんは使える。使いすぎていつもお世話になってますってカンジ・・・。