「あとの祭り？〜After curnival〜」番外編

こちらは「すいの部屋」の翠様がこのサイトの一周年記念に下さったお話です。翠様の

承諾を得て、このお話の番外編として載せさせて頂くことになりました。「婚約記念日」

というお話です。素敵デス〜〜〜♪

本筋はこちらから↓

「あとの祭り？〜After curnival〜」　（１）　（２）　（３）　（４）　（５）　（６）　（７）　をご覧下さい。

以下からどうぞ↓

『婚約記念日』

「「あっ・・・」」

二人重なった声にお互い目を合わせる

彼女は恥ずかしげに視線を逸らして
そっと視線を自分の左手に送った

同じ想いだと
そう思いたい・・・

きっと同じだ

「一年・・・だね」

あぁ、同じだった
彼女もあの日を思い出してくれていたのだろうか？

「うん、日にちで言うなら・・・明日だけどな？」

「ふふっ、そうだね」

そう言ってまた視線を窓の外に向けた

今日は祝日で朝から久しぶりに街に来ていた
お昼に黒沼が行きたいと言って入ったお店はイタリア料理店

落ち着いた店内で食事をして食後にコーヒーを飲んでいた
ふと向けた窓の外には色とりどりの綺麗な着物が目に映る
仲の良かったグループなのだろうか
綺麗な女性達と一緒にいるのは
慣れないスーツに身を包んで動きにくそうな男性達

「去年の俺たちもこんな感じだったのかな？」

「そうだね、一年前の事なのに
　なんだか懐かしいな」

去年は1月11日だった
今年は1月10日

大人になる日
大人だと、認めてもらえる日

浴衣姿も見たことがあったけど
振り袖姿は格別

待ち合わせをして一緒に会場に向かったんだけど
待ち合わせの場所で黒沼の姿を見たときは心臓が震えた
こちらを見て少しはにかんだ姿に鳥肌が立った

想いが加速して行くのを感じた

綺麗な黒髪は朱の着物を際立たせ
朱の着物は彼女の真っ白な肌を際立たせていた

「風早くん、格好良かったなぁ」

「なっ///く、黒沼こそ凄く！き、綺麗だったよっ///」

そんな事を言ってもらって嬉しくて
恥ずかしくて
何故か怒った様に言い放って顔が熱くなる

黒沼は大きな瞳を更に大きく開いて
優しく微笑んだ

ほら、また好きになった

「忘れない、忘れるなんて出来ない日だよ」

「俺だって・・・」

忘れるなんて出来るわけが無い

ずっと想っていた事だったんだ

俺には黒沼以外考えられなくて
黒沼と、この先も共に歩んで生きたいと思っていた

でも俺たちはまだ学生で親に助けれている
この先就職してもすぐには結婚だって出来ないのはわかってる

だけど・・・
どうしても・・・
言いたかったんだ

大人として認められたその時に・・・
今の自分の想いを・・・

そして想いと一緒に・・・送りたかった

一年前と同じ場所に・・・
黒沼の左手の薬指に
今もあった

俺が黒沼の左手にそっと触れると
黒沼の身体が一瞬ピクリと反応する

初々しいそんな姿が愛しくて・・・
何も変わらない彼女に嬉しくなる

その度に黒沼の気持ちもずっと変わらないで欲しいと切に願う

「俺の気持ちはあの時と変わらないから・・・
　あ・・・変わったかも・・・」

「え！」

「去年よりもずっと好きになった！」

驚く黒沼に悪戯っぽく言えば
みるみる内に顔を赤く染めていく

ホント・・・可愛いな

「あ///私も・・・///」

今年は去年よりも一日早い成人式
俺たちの記念日は本当は明日だけど・・・

いつかまた来るだろう

１月１１日の成人式の日にも
こうやって彼女が傍に居て欲しい

「成人式は俺たちの婚約記念日で・・・
　１月１１日は・・・・・」

黒沼の左手に光るそれに、そっと口付けた

唇に感じる冷たい金属は
熱い想いを冷ますにはちょうどいい

「１月１１日は・・・結婚記念日にしたいな・・・///」

いつか・・・

必ずもう一度言うから

あの日と同じ言葉を

“爽子とこの先もずっと一緒にいたい”

“いつか”では無い約束を・・・

あとがき↓

ううぅ〜〜〜〜（涙）なんて素敵なお話なのっ！！涙でますわ。番外編としてこの「婚約
記念日」を思い出す。という風な設定にしてみました。（翠様、私もコラボしてみたくてっ）
他サイト様とリンクとかしない偏屈な私のサイトにこんなプレゼントがあるとは思わなかっ
たので本当に驚きました。本当に本当に翠様ありがとうございました！！（そしてＵＰが
遅くなってごめんなさい）
翠様の「すいの部屋」は→こちらから。とっても萌えるお話いっぱいです。はい、毎日お
邪魔しております。是非、感想は翠様の方にどうぞ〜〜〜！

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