「Half moon」(20)

社会人の二人の物語。オリキャラ祭り。オリキャラ紹介⇒(1)をご覧ください。
甘い週末が終わり、それぞれの生活に戻った二人。切ない想いを抱えながら出勤した爽子だった。
こちらはHalf moon         10 11 12 13 14 15 16 17  18  19 の続きです。
それではどうぞ↓















夢のような週末は終わった。会うたびに欲張りになって、会う前よりもずっと寂しく

なって、胸の奥がきゅんとせつなくなる。こんなつらい思い、これからも繰り返して

いくのだろうか・・・。段々と慣れっこになっていくんだろうか・・・。

爽子は胸をぎゅっと掴んだ。


「さ〜〜〜わちゃん!」

「あっ友香ちゃん!おはよう」

「おっはよ〜〜〜」


会社の入口で、爽子は友香に声を掛けられた。

新しい一週間が始まる。爽子は元気な友香の出現に、夢から覚めたような気がした。


「どうだった仙台?彼、元気だった?」

「う、うん」


そう言われると顔をほんのり赤らめて嬉しそうに爽子は頷いた。


「うわぁ〜〜なんか目、腫れてない?泣いたんだ〜〜!」

「あ・・・いや・・・うん/////」

「あはは〜〜〜相変わらず素直ね。そんなにラブラブなんだ?」

「ラブラブ!?・・・・〜〜〜かなっ/////」


真っ赤な爽子を見て、また友香は大笑いした。


爽子は恥ずかしそうにしながら、あ!と思い出したように両手をポンと叩いて言った。


「そうだっ。びっくりなの。田口くんに会ったんだよ」

「え〜〜〜〜マジで??」


二人でわいわいと話しながら出勤していると、後ろから当の本人が現れた。


「なに??男前の話し?」

「おっ!!たぐちゃん、噂をすれば・・・じゃん!おはよ」

「おはよ〜〜」 「おはよう」


光平はちらっと爽子を見て、いつも通り接した。


「ほんと驚いたよな。まさかあそこで会うなんて」

「う、うん!!」

「何?たぐちゃん、爽ちゃんの彼氏見たの?」

「っていうか、一緒に飲んだし、もうダチだし?」

「まじ〜〜〜??いいなぁ〜〜〜!!かっこいい??」

「俺には負けるけどな〜〜〜〜」


あははは〜〜〜〜っ


「なんてな。悔しいけどむちゃいい男だった」

「へぇ〜〜〜〜やるね!爽ちゃん。写真ないの??」

「///////////」

「分かりやす・・・っ相変わらず、あんたかわいい奴ね。後で見せてね」


あははは〜〜〜っ


いつも通りの風景、いつも通りの仲間、いつもどおりの会話・・・・。

光平は外吹く風に吹かれながら空を見上げた。以前と同じ風景なのに、同じじゃない。

なぜだかそう感じた。


”大丈夫”何も変わらない。仕事を頑張ろう。

光平は顔をぐっと引きしめて、前へ歩き出した。


その時だった、爽子は石につまずいてよろけそうになった。


「「あっ!!」」


とっさに光平は彼女を支えた。一瞬抱きしめるような形になった時、光平は時間が

止まったような気がした。甘く香る彼女の香り。柔らかい感覚。さらさらなきれいな髪。

光平ははっと我に返り、彼女を前に突き出した。


「あ・・・ご、ごめんなさい!ありがとう」

「い、いや。気をつけて。それじゃ先行くね」

「大丈夫??爽ちゃん、まだ現実に戻ってないんじゃない?はは〜」


友香はそう言いながら先に行ってしまった光平の後ろ姿を不思議そうに見て、首を傾げた。



バシャ、バシャ


(俺・・・・何やってんだ。俺ってこんなだっけ?)


光平はトイレに行き、顔を洗った。そして、鏡に映し出される自分の顔を見る。

思ったより、未練がましい自分の顔。

彼女は風早のもの。俺がどうしようと手には入らないんだ・・・。

ちょっと気になってただけなのに。今までだって諦めた恋はあったじゃないか。

それに、風早はすごく気持ちのいい奴だった。不倫とか略奪とか、そういうこと

する人間が嫌だ。どうしてそこまでする必要がある?俺には理解できない。


パシッパシッ


頬を思いっきり両手で叩き、自分に気合を入れる。


「さてっ!!今日も一日頑張るぞ!」


光平は自分に言い聞かせるように大きな声を出してトイレを後にした。








あとがき↓

いきなりHalfmoonに戻ります。しかし・・・君届MOVIEの予告編を見てしまいました。うわっ//////風早三浦くん、イケてる・・・ヤバイ!おばさん、見てしまいそうです。三浦春馬くんが風早と知った時、全く違う!って思ったのに。結構イケてますわ。予告MOVIEで4巻の体育祭の風早連れ去りシーンがあって、風早三浦くんの赤いリストバンドがかっこよかった。もし、映画を見に行って萌えてしまったら、きっとDVDを買いそうです。自分の萌えポイントはピンポイントなので、はまったらそればっかです。だから爽×風以外のお話が書けないのです。萌えないので。でもリクエストも頂いたので、こういう長編の中にちょこっと入れる程度になりそうですが、書いてみますね。
ああ・・・・しかし、今月別マ何回読んだか。
こんな変な管理人のサイトですが、よければまた遊びに来て下さい。

Half moon 21