「あふれる想い」(1)

パラレルなお話です。「君に届いたら」の人物設定は同じで、お話は爽×風両想い
で付き合っているという単独なお話。「君に届いたら」の続きではありませんので
あしからず。それと少しえっちーぃかも。あくまで私の妄想ワールドなので苦手な
方はスルーしてくださいね。
「君に届いたら」は※目次を参照にしてください。
それでは以下からどうぞ↓














「翔太せんせ・・・抱いてください」

「本当にいいの?爽子」

「ん・・・・あっ・・・イヤ」

「爽子・・・・!」

「先生・・・・!」




ジリリリリリ〜〜〜〜!!!

ガバッ!!


「ん??・・・・朝?」


翔太の部屋の窓からは朝日がさしこんでいた。

寝ぼけたまま、目を擦りながら目覚ましを止めた。


「うわっ〜〜〜〜!いいところで!」


叫びながら、布団に顔を勢いよく伏せた。顔も身体も火照っているのが分かる。


「あんなこと・・・・爽子が言うわけないよな/////」

「ったく・・・朝からやばいよ。俺、欲求不満かな・・・」


翔太は頭をガシガシ掻きながら、出勤の準備を始めた。




黒沼爽子・・・。愛しい人。俺の大切な大切な彼女。

北幌高校の教師と生徒として、出会った俺たちは両想いになるまで様々な事があった。

こうして同じ気持ちだと分かって想いが通じてから、3ヶ月の月日が経とうとしていた。

彼女は高校2年、俺は教師3年目の25歳だった。彼女が1年の時からクラス担任で、

学校では毎日会える。でも俺たちの関係はもちろん秘密で、禁断の恋は彼女が卒業

するまで誰にも知られるわけにはいかない。

それは俺たちの未来のため・・・・。



「おはようございます〜〜〜!」

「風早せんせーおはよ〜〜!」

「おはよう」


きゃはは〜〜!



北幌高校の元気な女子達が何人か学校近くですれ違う。

風早は側の木を見上げて、ふっと柔らかな笑みを浮かべた。


「もう・・・・桜は完全に散ったな・・・」


新緑の5月、この想い出の桜の木はすっかり緑の葉が青々しく輝いていた。


1年と少し前・・・・彼女とこの桜の木の下で運命の出会いをした。恋を自覚したのは

いつだったのだろう。3ヶ月前に想いが同じと分かった時、夢じゃないかって、何回も

頬をつねったっけ・・・。今もまだ信じられないんだ。爽子が俺の彼女なんだって。

幸せすぎて、この現実を疑いたくなるんだ。



「お、おはよう・・・ございます」

「!」


その時、後ろから声を掛けられ驚いて振り向く。すると・・・


「ご・・・ごめんなさい!!驚かせてしまって!」


俺の驚いた様子を見て、あわわわといつものように誤解している愛しい彼女の姿。


「お、おはよう」


(やばっ////・・・朝からあんな夢見ちゃったから顔見れね〜)


「そ、それじゃ」


挨拶するとさっとその場から去ろうとする彼女。確かに俺たちの関係は秘密なんだ

けどさ・・・なんか面白くない。思わず、彼女の手を引っ張る。


「あ・・・せ、先生!」


そう言って、焦ったように周りをきょろきょろする彼女がかわいくって仕方ない。


「今、誰もいないよ」

「だ、だめです!!」


何をするわけでもないのに。もし二人の関係がバレたら俺に迷惑がかかるって思ってる

彼女は学校では俺と視線さえ合わせない。そんな健気な彼女が愛しくていつでもどんな

時でも・・・抱きしめたい衝動にかられるんだ。



「今週末は?」

「あ・・・大丈夫です/////」


そう言って、爽子は顔を赤らめながら足早に去って行った。


(なんか・・・これじゃほんとやましい密会みたいじゃん/////)


毎日会えるのに、見ているだけの毎日。でも・・・同じ想いなんだって時々目が合うと

訴えている。それだけで幸せだ。


*******************


先生に朝から会えた・・・。誰にも見られなかったかな。どきどきする。

先生と想いが同じだなんて最初は信じられなかった。だってこんなに子どもで何も

知らない私。先生は私に沢山の”はじめて”をくれる。


「あらっ何赤くなってんの?」

「あ・・あやねちゃん!おはよう」


実は、友達のあやねちゃんとちづちゃんは私達の関係を知っている。


(関係・・・うわっ!私ったらおこがましいこと思っちゃった////)


一人百面相の爽子を見てふっと笑うあやね。


「まぁ、何かあったら言いな。私とちづはいつでもあんたの味方だから」

「あやねちゃん・・・・」 じぃ〜〜〜〜〜〜ん


本当にいい人達。


「おはよ〜〜〜!やのちん、爽子!」

「おはよ!」

「おはよう〜」


そこにちづちゃんが眠そうに入ってきた。


「おはよっ!爽子、あやね、吉田ちゃん」


その後ろから健人くん・・・・。そして、幼馴染の健人くんも私達のことを知っていて、

応援してくれる。風早先生と気持ちが通じ合ってから、いつものように私達は一緒に

帰ったり、家の行き来をしたりというのはなくなった。今は、兄のような恋愛面の師匠

のような存在。大切な人の一人。


「でもさぁ〜健人はいいけどさ、爽子と健人が一緒にいるところを見たら

 風ちんは嫌だろうね!もぐっ!爽子のメシうまっ♪」


爽子達は今日も恒例になった、お外ランチをしていた。


「先生が?」


きょとんとしている爽子を見て、あやねがため息をついた。


「ああ・・・そうね。あんたは自分のことには鈍すぎるから」


あやねの言葉に固まる爽子。


「あっ!!やっぱり駄目だよね・・・私」


爽子は「鈍い」ということに反応して落ち込んでいる。

以前、爽子の性格を「鈍い」とちづから指摘されたことがあったからだ。


「何?爽?落ち込んでんの?」


ちづは爽子の作ったお弁当をもぐもぐほおばりながら言った。

自分で言っておきながら、後腐れのない性格のちづはすっかり忘れている。


「まっ爽子はそのままでかわいいんだから。風早もそうだと思うよ」


そこですかさずあやねがフォローを入れる。


「んで、どうやって会ってんの外で?風ちんと」

「うん・・・外でやっぱり会えなくって、ずっと先生のお家なの」

「へぇ〜〜〜〜!やっぱりそうだよね」


ちづは頷きながら食べることに夢中だが、あやねは思わず、う〜んと

考え込んだ。そして聞いてみる。


「部屋で・・・何してんの?」

「えと・・・お勉強したり、お話とか?」


(やっぱりね・・・・大変だな。風早(汗))


教師と生徒が付き合う以上、色々制限があるのは仕方がないが、今時、教師と

生徒が付き合うのは珍しくない。また今や、清らかな女子高生が珍しいぐらいだ。

相手がこの爽子じゃ忍耐勝負だな・・・と風早を哀れに思ったあやねであった。










あとがき↓

これが以前から書いていた話なんですが、(少しだけね)単独で書いていこうかと
思います。ここでの風早はちょっと積極的だったりリードするタイプにしたいかな
と・・・。でも暴走風早は間違いないです。ちょっと大人の世界っぽいのが入るか
もしれないけど、直接的描写は無理・・・きっと私には(汗)物語があるというの
ではなくラブラブなお話で時々UPしていきたいと思います。他のお話もあるので
気が向いたときに。それでは別マ8月号にやられている管理人でした・・・・。


「あふれる想い」  UPしました。