風早家シリーズ「突然の訪問」<前編>
付き合って半年の二人。デートの途中に突然の豪雨に降られて!?
風早家シリーズの短編です。といいながら前編後編に分けます。
以下からどうぞ↓
「あらあら〜〜〜爽子ちゃん!翔太もびしょ濡れじゃない!!」
久々のデートをしていた二人に突然の豪雨が襲った。その場所から
一番近かった、風早の自宅に二人は急いで駆け込んだ。
「す、すみません!!図々しく・・・・・」
高2の時夏から付き合い始めて、半年の爽子はまだ1回しか風早家を訪問
したことがなかった。こんな形の2回目の訪問を爽子は拒んだのだが、
翔太の説得に観念したのだった。
「図々しくなんかないわよ〜〜〜タオル持ってくるわね。今日の天気予報、
雨が降るなんて言ってなかったのにね。」
そう言って、二人を玄関で待たせ、翔太母はバタバタ〜〜〜ッとタオルやら
風呂やらと慌ただしく準備をしていた。
横を見ると、申し訳なさそうで一杯の爽子に優しく翔太は声を掛けた。
「大丈夫だから。俺の家族さ、女の子の扱いが慣れてないかもしれないけど
いつも黒沼に遊びに来てほしいって言ってたんだよ」
「そ、そんな・・・・。でもこんなびしょ濡れで・・・・。」
そう言って泣きそうになっている黒沼をじっと見ると、なんだか雨に濡れて
色っぽい・・・。雨で透けて身体の形がくっきり出ていることに気がついて、
翔太は顔が赤くなった。
(こんな時に何考えてんだ・・・!俺)
そんな時、母親がやってきた。
「爽子ちゃ〜ん!お待たせ!お風呂準備出来たから入って!」
「そ、そ、そんな滅相もない!タオルだけで大丈夫です。」
そう言って、爽子は手を前に出し、ぶんぶんと顔を振ってお断りをした。
「何言ってるの!!女の子なんだから、身体を大事にして。風邪引いたら
大変!翔太とは違うんだからね」
力説する母に負けて、爽子は風早家の風呂を借りることになった。突然の
ハプニングに爽子自身はパニックになっていた。
(うわぁ〜〜〜ここが風早くんのお風呂・・・。いつも入ってるんだ)
そんなことを考えてしまう自分自身に爽子は身体全体がぼっと熱くなるのを
感じて、恥ずかしくなった。
しかし、この後、大パニックが起こることになる!
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風早家は表玄関と裏玄関があり、裏からも入れるようになっていた。そして
裏玄関は、風呂場に近い構造になっていたのだ。
それが大事件を巻き起こす。
その時、翔太は服を着替えて、タオルで頭を拭いていた。
「翔太!お風呂覗くんじゃないわよ」
思わぬ母の言葉に翔太は口をぱくぱくさせて真っ赤になった。
「な、何言ってんだよ!!」
「だって、あんたさっきから顔赤いし、湯上りの爽子ちゃんなんか見たら
発情しちゃわないかって心配よ」
「〜〜〜〜〜〜〜!!!」
翔太母はあっけらかんと笑った。母は男の子の母という感じで細かいことを
気にしない、明るい性格をしていた。
その時だった!風呂場の方から悲鳴が聞こえる。
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
「「!!」」
翔太と母は顔を見合わせる。
「翔太はだめよ!そこに居て。私が見てくる」
もどかしそうに母を見送る翔太。いったい何があったのか?
なんと翔太も予想しなかった、まさか、まさかなことが、そこでは起こって
いたのだった。
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風呂場の様子を伺っていた翔太は必死で聞こえる声に耳を傾けた。
母と爽子以外の聞きなれた声!?
(ま・・・まさか!!)
なんと、突然の雨に、野球に出掛けた弟の透太もびしょ濡れになり、
裏玄関から風呂場に直行していたのだ。
「やだっ透太ったら!ごめんなさいね〜〜爽子ちゃん」
「しょーたの彼女??びっくりした〜〜〜!!」
「ご、ごめんなさい!!もう上がりますから」
それぞれの声がエコーかかっていて、風呂場の中で会話しているの
だと言うことが分かる。
(な、なんだと〜〜〜〜透太!?ま、まじかよ??)
風呂場に行きたくても行けない翔太はいらだちがMAXになり、拳を
ぎゅっと握りしめ、ぷるぷると震えていた。
自分の大事な大事な彼女の裸を見たであろう弟に怒り沸騰の翔太だった。
<後編につづく>
あとがき↓
ちょっと雨の日に思いついた、いつものシリーズ。風早家が気になる〜〜〜!!
絶対、翔太母は息子をからかいそうだと思いませんか?早く出して下さい〜〜!
カルピン先生!それでは後編もお楽しみに〜〜〜〜!よければ見に来てください。
後編 UPしました!