「流れ星」番外編 


完全パラレルです!本誌にも沿ってません。あしからず!


「流れ星」の番外編。風早の気持ち暴露編かな!というかいつもの風早です(笑)


この話は「流れ星」 10の続きの番外編です。
本編は目次にある「瞳は知っている」を見て下さい。
























『ヤバイんだよ・・いろいろ俺』


思わず漏らした本音。今から思い出して恥ずかしい。なんであんなことコウに漏らし

たんだか。でもマジやばい。彼女と居るとどんどん欲張りになってく。もっと一緒に

居たいとか、もっと触れたいとか・・・。特に異常だと思うのは独占欲だ。

マイと話しながらもコウと笑い合う彼女を見て内心穏やかじゃなかった。だって思う

んだ。彼女の魅力を知れば本気で好きになる奴が出て来る。知って欲しいのに知って

欲しくない。本当はこの場にも連れて来たくなかった。でもこのことを彼女に告げた

時・・・


『え??・・いいの?』

『う、うん』


そんな目をキラキラさせて言われると後ろめたいんだけど。本当の目的を抱えていた

俺は何も言えなくなった。そう言えば俺の友達の集まりなどに彼女を連れていくこと

はない。それは俺の独占欲だけど純粋な彼女はそのことに気付かない。そしてやはり

今回もマイの心を変えてしまった。俺じゃない・・全部彼女の魅力なんだって思う。


「そんな彼女を見せれるかっつーの!」

「え?」

「あ・・」


心のボヤキが音声化されていたようで横の彼女が不思議そうに俺を見ていた。

ある日の爽子とのデート。映画の後、カフェで寛ぎながら俺はそれとなく聞いた。


「あの・・さ、あの時コウと楽しそうだったね。何話してたの?」

「え?あの時・・・?あ、コウさんと?」


思わず視線が泳ぐ。さらっと爽やかに聞いたつもり。元々自覚はあったけど、俺って

こんなに独占欲が強かったんだと彼女と付き合って実感する。


「ハルくんのこととか・・風早くんのこととか」

「へぇ・・」


思い浮かべている表情とか、今日の服かわいい・・なんてそんなことばかり考えて
いる俺って本当にベタボレだって思う。しかしぼーっと見ていた俺だが彼女の次の
言葉で現実に戻る。


「すごく目がキレイで・・・見とれちゃった」

「っ・・・」


純粋で正直で・・・だけど時に鈍感で。大事にしたいって思うのに壊したくなる時が

あるんだ。それが男と女なんだろうか?


「もうやめよ」

「え?」

「ほら、さっきの映画の話しようよ」

「・・・うん」


柔らかく言ったつもりだけど態度に出ていたのか、彼女は表情を曇らせてしまった。

自分から聞いておきながら勝手な話だ。でも、やっぱり彼女の口から他の男のことを

褒めるのは聞きたくなくて・・・。俺って本当に小さい。


くい、くいっ


「え?」


カフェを出ると、俺の服の裾を引っ張られる感覚を覚える。振り返ると俯いた彼女が

裾を掴んでいた。


「私も・・・しっと・・するんだよ」

「えっ?」


彼女はそう言って顔を上げると頬を赤く染めて俺を見つめた。思わずどきっとする。


「だ、だって・・舞さんとてもきれいで、風早くんとお似合いで・・っ」

「・・・」


そんな爽子の姿に焦ってテンパってしまい言葉も出ない。


「意外と・・独占欲強いんだよ」

「っ////」


ーぎゅっ


「わっ///」


そして俺はまた白昼夢、どうどうと彼女を抱きしめてしまった。もちろん初めてじゃ

ない。彼女は無意識で俺の理性を簡単に崩してしまうことに気づいていない。それが

決して計算じゃないから怖い・・・他の男が知ってしまったらって。


「そんな顔でそんなこと言われたら・・我慢できないよ」

「えっ・・どんな顔??」


恥ずかしそうにあたふたしている彼女が本当に可愛くって、たまらなく好きで・・。


「ごめんな・・小さくて」

「何が?」

「いや、我慢できないところとか」


(ってことじゃないけど)


俺は目を泳がせながら言った。俺と居る時は他の男のことを聞きたくないなんて、

そんな小さい男って思われたくなくていつもカッコつけてるのかな。彼女のきれいな

髪に触れながらこの時間が永遠だったらいいのに・・なんて思ってる。


「私も・・・我慢できないよ」


彼女は鈍感だけど・・・時に想定外の行動に出る。いや、本当は鈍感じゃないことを

知っている。


ちゅっ


「翔太くんに・・・触れたくって///」

「え・・・」


彼女の唇の感覚を頬に受け、俺は茫然としてしまった。そしてそっとその頬に触れ

る。現実か夢か・・・分からなくなる。


「風早くん??」

「”翔太”でしょ?」

「あっ///」


もちろんその後唇を奪い、部屋に連れ込んだのは言うまでもない。

人の気持ちに誠実に向き合い、だけど自分には正直で”自分”というものをしっかり

持っている。人の気持ちを繊細に感じ取る彼女が鈍感だと感じるのは恋愛の時。

ねぇ、俺がどれだけ君を好きだか知ってる?それは一生知ることはないよ。

だって俺自身も言葉にすることもできないほど好きなのだから。

これからも”もっともっと・・”と苦しんでいくんだろうな。でもそれが”好き”

ということだと思うからその気持ちと向き合っていく。だから・・・


「誰にも・・渡さない。離さない」


ベッドの中の彼女が柔らかく微笑んだ。



<おわり>

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あとがき↓

すごいですね〜〜〜久々に3日連続更新!20巻にやられたんだな。やはり執筆意
欲はすべて萌えからくるんですね。まだまだ書きたいし。ちょっとしばらく書きた
ブーム続きそうです。でも連載は書けなくてごめんなさい。何も考えないで書ける
やつ・・しばらく。すんません。そんな感じでよければまた遊びに来てください♪