「はつこい」7

※ パラレル、オールメンバーは同じ。もちろんオリキャラ沢山出ます( ̄ー ̄)ニヤリ
※ 爽子と千鶴、あやねは同じクラス。風早は別クラスで交流がなかったという設定。
※ 爽子は高2の時に東京に転校してしまう。


本城に嫉妬した翔太はたまらなくなって爽子の側から離れてしまい・・・?


こちらは 「はつこい」    の続きです。


興味のある方は以下からどうぞ↓  




























* * *



彼女が何もなくて良かった。それは素直な気持ちなのに、なぜ助けたのが自分ではな

いのだろう。そしてずっと脳裏から離れないのは、本城が爽子に耳打ちした時の爽子の

顔、そして本城が彼女に触れたかどうか・・・ということ。真っ赤になって恥ずかしそうな

顔は今まで見たことがない”女の子”の顔だった。


「あ”〜〜〜〜〜〜〜っ!!」


翔太は頭をくしゃくしゃっとすると思いっきり河原に横たわった。


嫉妬で狂いそうであのまま居られなかったなんて、本当に子供だ。本城さんとは違い・・・。


翔太はだんだんと気づいていた。この思いは半端ではなく、かなり深いものなのだと。

そして、彼女に会えない間もずっと残っていたのだと。この”恋心”は・・・・。


「・・・うわっ手のひら真っ赤だ」


翔太は太陽に翳した手を見て声を上げた。痛みなんか気づかなかった。ただたまらなくて。

こんな気持ち初めてだ・・・。もともと独占欲が強くてわがままなのは自覚している。でも

今までとは違う。もっとドキドキして胸の奥底から湧きあがるような気持ち。


「あ・・・」


手を見ていて翔太は思い出した。


さっき、初めて・・・彼女に触れた。


翔太は思い出すと顔が熱くなっていくのを感じた。そして手で口を覆う。嫉妬でいっぱい

だった翔太は爽子を咄嗟に抱き上げたことを忘れていた。


「うわっ/////」


柔らかかった。女の子ってみんなあんなに柔らかいのかな。そして、あんなに軽いのか

な。男の俺とは全く違う。骨ばったところがまるでなく、ちょっと力を入れたら壊れそうだ。


翔太は考えれば考えるほど心臓の音が激しく鼓動しているのを感じた。


好きだ。彼女が好きだ。


手をそのまま太陽にまっすぐ伸ばすと表情を緩め、指の隙間から爽子を思い浮かべた。


ーばっっ  がさっ


そしてびくっとしたように勢いよく起き上がる。


「俺さっき・・・ちょっと感じ悪かった??」


初めての恋は突然赤くなったり青くなったり、予測不能な感情ばかりで忙しい。でも

彼女のことを思い出すだけで温かい気持ちになる。そしてドキドキするんだ。あの時

と同じ。桜の木の下で出会った時からきっと・・・・


恋に落ちてた。


彼女が大好きだ。


翔太はもう一度青い空を見上げると、穏やかな顔で微笑んだ。


しかし翔太は知らなかった。爽子が大きな誤解をしていることを・・・。




* * *



「黒沼、この間はごめんっ!・・・ってこんな感じかなぁ?」


翔太はやっと爽子と一緒のシフトになることを知って、何回もシミュレーションして

いた。あれから翔太は揺るぎない爽子への想いを確信すると決意を新たにした。


もうあんな風に逃げたくない。ちゃんと彼女と向き合っていきたい・・・。

自分は自分でしかないのだから。


そして当日、バイト先で爽子を見つけると大きく深呼吸してカウンターに向かった。

爽子はすでに来て、開店前の準備をしていた。


(よしっ!)


「くろ・・・っ?」


すると爽子が後ろずさりした。


(え・・・?)


「黒沼?」


いかにも怯えたような目で見る爽子に翔太は妙に胸騒ぎを覚えた。しかし話さないと

何も分からない。翔太はぎゅっと拳を握りしめると爽子の近くまで行った。


「ごめん、この間はいきなりいなくなってごめん」


頭を下げる翔太にびくっとした爽子はあわあわ〜〜とした様子で頭をぶんぶんと振った。


「あ、頭上げてくださいっ・・・そんなこと・・何とも思ってないので・・」

「え・・・・じゃ」


翔太が頭を上げて近づくとやはり爽子は一歩後ろに下がる。


ドクンッッ


「どうして?俺・・・やっぱなんかした?」

「な、何もしてないよっ!!」


爽子が焦った様子で言った。


「じゃ、どうして後ろに下がるの?」

「そ・・・れは」

「ちゃんと言って。こんなの俺が不安になっちゃうよ」

「ふ、不安?」


相手を不安にさせたと反省した爽子はおずおずした様子でもう一歩下がると今度は爽子

が勢いよく頭を下げた。


「い・・・今までごめんなさいっ。迷惑を掛けて・・・」


しばらくの間の後、翔太はやっと声を出した。


「・・・・え??」


そして爽子の言ったことに目が点・・・となるのであった。


「女嫌いなのに、いろいろ教えてもらって、気づかなくてごめんなさいぃ〜〜〜〜〜っ!!」


ぴゅ〜〜〜っと見えない風が二人の間を駆け抜けた。


そう、爽子はアキからとんでもない誤解を植え付けられていたのであった。そしてそのことで

眠れない夜が続いていたのである。








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あとがき↓

のらりくらりと書いているこの話。特に面白くなくてすみません。さて、やっと別マ見
ました。来月の新展開・・・うぅっどうなるの??特にあやねちゃんって感じ。せつない
系になるのかな?そして風爽は??でもちょっとぐらい不安定な時期もないとだめな
気がします。なにわともあれ楽しみだぁ〜〜〜〜!!