「瞳は知っている」12 

※ 前書きから読んでください。こちら⇒前書き
※ 風早×爽子カップルではありません。オリキャラ登場します。


このお話は 「瞳は知っている」         10 11 の続きです。

あらすじ*眠れる夜を過ごした風早は朝、ジョーに会い??
それでは以下からどうぞ↓











「瞳は知っている」 episode 12








2日目の朝―――


ピチピチピチッ


朝食は3Fのレストランでバイキングになっていた。部屋ごとで適当に来て、

食べることになっている。

レストランの入り口でハルは爽子を見つけると、満面の笑みで言った。


「おはよっ爽子!」

「お・・・おはよう。ハルくん」


不安そうな爽子の顔が笑顔に変わった。


「今日も、いっぱい遊ぼうなっ!」

「うん!」


ハルはそう言って爽子の頭をポンポンと優しく叩いた。

ハルから少し遅れて来た風早は二人が笑い合っている姿を見て、さっと目を逸らした。

頭から消そうと思っても、焼き付いて離れない光景。


ドンッ


「おっと風早!おはっ〜え〜〜!??」

「え?」


廊下で風早とぶつかったジョーは風早を見てびっくりしたように声を上げた。


「どうしたの!?風早。すげー目だけど」

「え??マジ?」


風早が慌てて鏡を見ると、真っ赤に充実して腫れていた。


「うわっ!なんじゃこれ?」

「なんだ〜〜〜お岩さんみたいじゃん!!がははは〜〜〜っ」


大笑いしているジョーを一発殴った後、風早は部屋に戻って必死で濡れタオルで

目を冷やした。


(やばっ・・・こんな顔、彼女に見せたくないや・・・)


「あ〜〜〜あ」


風早はどかっとベッドに横たわった。


「もう、俺、限界かも・・・・」


風早はそう呟いて天井を見ていた。天窓から青い空が見える。


今日もいい天気だ。暑そうだ。また海ではしゃぐんだろうな・・・・なんて茫然と考える。

あれから眠れなかった。朝飯行かなきゃ・・・・行かな・・・・・。


風早の重い瞼かいつの間にか閉じられていた。


* * *


「あれ??風早は?まだ寝てんの?」


食堂に皆が集まってバイキングの朝食を楽しんでいる中、風早がいないことに皆

すぐに気づいた。


「なんか、すごい目〜腫らして冷やしに行ったけど〜遅せーな??」


ジョーがご飯をかきこみながら言った。


「目を腫らして?」

「同室じゃないのかよ?ハル」

「俺が起きた時にはまだ寝てたから、声だけ掛けて降りてきた」


基本、個人主義の二人はそのようなことは当たり前だった。ハルはしばらく考えた後、

すくっと立ちあがった。


「俺、ちょっと見てくるわ」


そんなハルを爽子は不安そうに見ていた。




どんどんどんっ


「翔太??いるか?」


ノックしても中から何の音も気配もない。ハルは鍵を開けて部屋に入った。そしてベッドの

上の風早を見つけて、表情を強張らせた。


「おいっ!!翔太!どうした?」


すぴ〜〜すぴ〜〜〜


「え・・・?」


ハルが思いっきり風早の身体を揺らすと、気持ち良さそうに熟睡していることが分かった。

それでも起きない風早をハルは呆れ気味に眺めた。そして、どかっと隣に座った。


「昨日・・・やっぱり眠てへんかったんか・・・」


ハルはしばらく風早を眺めた後、ばっと立ち上がって風早の鼻をぎゅっと掴んだ。


「こらっ!!起きろ!!」

「ん・・・??え・・・??」


風早段々意識がはっきりしていくと、ハルの口が近くにあった。


「うわぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!」



* * * * *



「・・・あれは効いたわ」


眠りこけた風早は笑いのネタになっていた。


「せやろ??折角、俺の魅惑の唇をプレゼントしたろ思うたのに・・・」


ぎゃははは〜〜〜〜っ


風早は皆と笑い合っているハルを笑いなく見つめた。


「・・・・・・」


ハルは何かを感じてるかもしれない。きっと俺・・・もう隠しきれてない。でもハルは何も

言わない。それは俺を心の底から信じてくれているから。

ハルが俺を信じれば信じるほど、心が渇いていくのが分かった。


もう・・・・限界だ。







あとがき↓

ついにあっぷあっぷした風早くん。彼なりの方法で決着をつけます。(あくまでパラレルなのでよろしく)

来週は映画を見に行くぞ!平日にひっそりと・・・・。それではまた明日〜〜〜〜!?だと思います。

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